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ハロウィンの後で

614  ハロウィンの後で[1/4]  [sage]  2009/11/01(日) 01:20:15 ID:I+Wn3cYP

梓「お邪魔しましたー」

律「また月曜日にな、唯」

唯「うん、ばいばーい」

澪「明日も休みだからって、昼過ぎまで寝て憂ちゃんに迷惑かけるなよ?」

唯「ちゃんと起きるよ、失敬な!」

さわ子「月曜日も遅刻しちゃダメよー、唯ちゃん?」

唯「もう、さわちゃんまで酷いなー」

紬「それじゃあ唯ちゃん、憂ちゃん、おやすみなさい」

憂「はい、おやすみなさーい」

唯「おやすみー」

 ハロウィンの夜。
 狼男の律さん、吸血鬼の紬さん、魔女の澪さん、猫の梓ちゃんがそれぞれ帰路に着く。
 ちなみに、私が天使でお姉ちゃんが悪魔。
 天使と言っても、チュールレースのパーティドレスに小さな羽をつけた程度の瑣末な衣装である。
 澪さんが最後まで衣装を着ることを拒んでいたけれど、私も少しだけその気持ちが分かった。
 だって、どう考えたって恥ずかしい。
 私の隣でなんの抵抗も無く衣装に袖を通すお姉ちゃんが少しだけ羨ましくて、二重の意味で悪魔が似合うな、なんて取るに足りない思考を巡らせたりもした。
 衣装の提供は勿論、顧問のさわ子先生。
 当初妖精の羽を装着していた先生は、テンションが上がりすぎたのかなんなのか、気がつけばお姉ちゃんの作ったジャックランタンを被っていた。
 羽が生えてて頭がカボチャで鼻から下がライダーマン。後光さえ差しているような錯覚を抱くその風貌に、私はただ世界の安寧を願った。

唯「楽しかったねー、ういー」

憂「うん、すっごく楽しかったよ」

 パーティの後は、二人仲良く後片付け。
 「とっておくといいわ」というさわ子先生の好意に甘えて、衣装はそのまま頂く形となった。
 家事をすると汚れちゃうし(白は汚れが目立つしね)、動きにくいという理由で私はすぐに着替えたけれど、
 お姉ちゃんは気に入ったのか、はたまた面倒臭いだけなのか、そのままだった。



615  ハロウィンの後で[2/4]  [sage]  2009/11/01(日) 01:22:08 ID:I+Wn3cYP

唯「あずにゃんの猫耳、可愛かったなー」

憂「そうだね。でも、お姉ちゃんも凄く可愛いと思うよ?」

唯「んー、そっかなぁ」

 レースフリルがあしらわれた黒のゴシックドレスと、私の着ていた天使と対となるキュートな悪魔の羽。
 そんな衣装に身を包んだお姉ちゃんは、えへへーと照れ笑いを浮かべながらその場でくるりと回る。
 今すぐにでも抱きしめたくなる可愛らしさだけど、お願いだから食器を置いてからにして欲しい。
 いや、フォークがね。その手に持ったフォークが怖いんです。悪魔かよ! と思ったら悪魔だった。

唯「ありがと。憂も可愛かったよー」

憂「えー、それっていつもは可愛くないってこと?」

唯「ち、違うよ、いつも十分可愛いし!」

憂「ふふ、冗談だよ。ありがとね、お姉ちゃん」

唯「もう、憂のいじわるー。これじゃ私より憂の方が悪魔っぽいじゃん」

憂「お姉ちゃんは天使も似合いそうだよね」

唯「ね、ね、それじゃあ衣装交換してみようよ」

憂「後片付け終わったらね」

唯「はーい」

 ハロウィンはもう終わったというのに、まるで子供である。
 斯く言う私も、食器を洗う手が先ほどよりも早くなっていた。当社比1.4倍くらい。
 ……だって、見たいじゃない。お姉ちゃんの天使衣装。



616  ハロウィンの後で[3/4]  [sage]  2009/11/01(日) 01:23:51 ID:I+Wn3cYP

憂「これで終わり、っと」

 最後の一枚を洗い終えて、リビングの方に向き直る。

憂「お姉ちゃん、片付け終わったー?」

 そう尋ねながら、リビングを覗く――が。

唯「……」

 床で伸びていた。

憂「衣装、皺になっちゃうよ?」

唯「うんー」

憂「全く……」

 呆れる素振りをみせて、こっそりお姉ちゃんに近付く。
 遊び疲れたんだろうな、と思う。朝から楽しみにしてたみたいだし。
 私はお姉ちゃんの隣にそっと腰を下ろした。

憂「私も疲れちゃった」

 そう言って寝転ぶ。

唯「ごろごろするのって、気持ちいいよねー」

憂「ふふ。でもダメだよ、皺になるから着替えなきゃ」

唯「憂だってごろごろしてるじゃん」

憂「私は私服だもん」

唯「ぶー」

 お姉ちゃんが私とは反対向きに寝返りを打った。
 私は背を向けるお姉ちゃんを後ろから抱きしめる。



617  ハロウィンの後で[4/4]  [sage]  2009/11/01(日) 01:25:26 ID:I+Wn3cYP

唯「憂?」

憂「着替えさせてあげよっか?」

唯「ん、んぅーーー。お願いします」

憂「少しは嫌がろうよ」

唯「だって嫌じゃないもん」

 ごろごろ。
 お姉ちゃんが私の方に向き直り

唯・憂「えへへー」

 目が合った所で、思わず笑みが漏れる。


憂「なーあーにー?」

唯「愛してるー」

憂「はいはい」

 交わされるのは、益体の無い会話。

憂「お姉ちゃんー」

唯「なーあーにー?」

憂「愛してるー」

唯「ふふん、そうかねそうかね」

 偉そうだ。でもそこがかわいらしい。


 ――夜は、今日も更けて行く。



618  名無しさん@お腹いっぱい。  [sage]  2009/11/01(日) 01:29:16 ID:I+Wn3cYP

ハロウィン前を唯梓の方で投下してたりしますが、繋がってるようであんまり繋がってませんw
そして3レスのつもりが、段落の都合で区切ったら4レスになりました。すんませんw

ではでは、駄文失礼いたしましたー
最終更新:2009年12月14日 23:15
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