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Secret Audience pt1

大多数の生物達は安息の眠りに付く闇夜に、
私は少し甲高く・・・それでいてとても調子の軽い声を聴きました。


「・・・何者だイ?」
銀色に輝く影が尋ねました



奇妙な喋り方をする・・・ 興味を持った私は顔を覗かせ耳を傾けました。



「お初にお目にかかります!
ブラド家のドッペルジュガー・コルセルカと申しますでしょうっ♪
母君からはトコと呼ばれていますでしょうっ♪」

返答は軽やかだった。そしてもう1つの影も続いた。

「お初にお目にかかります!
ブラド家のナハツェーラーと申します
母君からはナツと呼ばれております!とナツは的確に答えます!」

こちらも淀みなどなかった。余程練習したのか自信のある声色だった。

「トコとナツ? あア!
ブラドの跡取りの姉妹だったネ?
で?こんな追放処分を受けたボクに何の用だイ?」
銀色に輝く影は嘲笑いながら質問した。

それに対して2つの影は顔を見合わせて答えた。
「御主人様!」
「マイロード!」
「こう呼ばせて頂きたいです!(でしょうっ♪)」

声は完全に同時に発せられ、そして閉じた。

「くれいじいいイィィ・・・ッ!!
ボクは付き纏うのは大好きサ!
でもネ、そっちから本気にしてくるのは全部お断り!ナンセンス、サ!」
銀色に輝く影は自らの額に手を置いて項垂れた。



暴論もいい所だ・・・ っと私は思いました。



「トコはそれでもお傍に付き従いたいと思うのでしょうっ♪」
「同じ意見であることをナツはここに証明します!」
2つの影はテキパキと答える。

「・・・いいかイ?
トルセデス家に媚びを売るなら他を探しなヨ!
なんならボクの母上様にブラド家を優遇するよう頼んであげるヨ!
だから、今すぐ! この場で! スピーディに!
ボクの前から消えることだネ!!」
銀色の輝く影はそう言うと私の方に目を向けた。



・・・私は少し体を隠しました。



「いいえ! トコはその要求にだけは応じることは出来ませんでしょうっ!」
「ナツ達が消える時は太陽に焼かれた時だけとナツは宣言します!」
2人の声は強くなった。どちらにも断固たる決意を感じる。

長い沈黙が流れた・・・

そして銀色に輝く影が静寂を破り一言放った。
「なら、消えればいいヨ・・・」

銀色に輝く影はその場に座り込んだ。

「ククク・・・さァ、
ボクはもうここを動き気は全然ナッシング、サ!
例え、天に火の心臓が昇ろうと
その結果としてキミ達が灰と化すまで・・・ネ!
ボクを主として慕うならキミ達はボクの傍から離れるわけにはいかないよネ?」



勝ち誇った顔をしているな・・・私はそう感じました。



しかし、2つの影は予想外の対応をした。

「トコは了解しましたのでしょうっ♪」
「マイロード、早速ですがお好きな紅茶は何でしょうか?ナツは色々準備してきました!」
銀色に輝く影は驚いた表情をしたに違いない。



この顛末を見届けたい私は
3人に気付かれないように更に体を隠しました。



何時間経っただろうか、
2つの影は美しいテーブルと、手作りであろう沢山のお菓子、
それに幾つもの高級な紅茶を並べていた。
しかし、銀色に輝く影はその全てに手を触れなかった。

「トコとナツ、キミ達は純血の吸血鬼だよネ?
いいのかイ?
焼き尽くされてしまえば灰になってしまうヨ、
そんな灰をボクが集めるとでも思ってるわけかイ!
幾らなんでええええええぇぇーも!! ・・・ポジティブ過ぎないカ?」

少し困った顔をした後、2つの影はこの質問に答えました。
「トコは灰になるのは流石に怖いのでしょうっ♪」
「それでもそれがナツ達の“命”なら受け入れたいと思っていますとナツは補足します」

「ハハ…!! アハハハッ!!
不死を得た吸血鬼が“命”を語るとはネッ!!
なんだイ?なんだイ!!?
ブラド家ではユーモアも教えているのかイ!!!」
銀色に輝く影は大笑いした。

「御主人様にお仕えすることがトコ達の“命”なのでしょうっ♪」
「母君様は仰っておりました。
永遠を生きるからこそ、そこに生きた証を刻まななければならない。
存在するだけなら“命”はそこにはなく、ただ置物があるだけだ、とナツは真似します。」

「・・・全くわけがわからないネ
ただ、キミ達の母君は道化に向いてるという事だけ理解したヨ。」



冷たい発言とは裏腹に銀色に輝く影はもう笑っていませんでした。

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最終更新:2013年04月25日 08:28