「・・・1つ聞いていいかナ?」
と銀色に輝く影
「問題ないのでしょうっ♪」
「ナツ達でお答え出来ることなら全力でお答えします!とナツは意気込んでみます!」
相変わらず2つの影は即答だ。
これに銀色に輝く影はすぐに切り返します。
「どうしてボクなんだイ?
トルセデス家に拘るのもいいけど、
下僕や召使いの数を増やして自分の権力を誇示したイ・・・
なーんて輩ハ探せば幾らでもいただろゥ?
わざわざ、どうしてボクを選んだんだイ?」
銀色に輝く影の質問に2つの影は堂々と答えました。
「トコの“命”を捧げる相手は御主人様!
あなた様しかいないと昔から決めていたのでしょうっ♪」
「ナツが幼少の頃に、
マイロードは一度ブラド家にご訪問なさって頂いたことがあります、と付け加えます。」
銀色に輝く影は少し考えて
「・・・記憶にないネ」
こう答えました。
「その時トコは御主人様を遠くから拝見しましたでしょうっ♪」
「マイロードは元老院の大殿達に挟まれてご出席なさっていました。
ブラド家は総勢で持て成し、大殿達もまたその席を満喫していました。
しかし、その中で常に空虚な御顔を浮かべているマイロードをナツは見ました。」
「その時、トコはこう思ったのでしょうっ♪」
「噂通りの怠慢、豪遊、傍若無人だけの御方ではなく、
何か強い意志を心に秘めている方なのだ、とナツは理解しました!」
銀色に輝く影は少しイラつきを見せながら
「それで・・・?」
絞り出されたその声はとても低くなっていた。
「世論的評価、階級制度に縛られた世界では、
どうしても他者の前では自分を良き者に偽ろうとしますでしょうっ♪
それを皆は当たり前と認識することでしょうっ♪
しかしどうしてもこれをトコは存在している意味と理解出来なかったのでしょうっ♪」
「それを好とせず、また望みもせず、
真逆に偽り続けるマイロードを見た時に
ナツ達は自分の“命”を得る場所を見た気がします!とナツは感情論を述べてみます!」
「トコは御主人様こそ、
存在しているだけではなく、自らの“命”を持っている!と尊敬しましたのでしょうっ♪」
「・・・黙れ!」
言い終わるか終わらないかで銀色に輝く影はとても低い声で話を断ち切りました。
すでに山頂は明るくなってきています 私は眩しくて姿をほとんど隠しました。
再び訪れた沈黙・・・
また最初に口を開いたのは銀色に輝く影でした。
「・・・灰になるぞ?」
それは重く低い声になっていました。
「構わないでしょうっ♪」
「ナツ達は最初から与えられた“不死”には未練はありません!
ただ“命”こそ、ナツはもう手放したくない、と考えていますと語ってみます!」
そう言い終わる前に2つの影を朝日が照らし始めました。
「御主人様・・・」
「マイロード・・・」
色を得た木々達が歓喜の声をあげざわざわと靡き、
湖は鏡となり、この美しい世界をその身に描きだす。
しかしそれとは対になる様に2つの影は少しづつ人型を保てなくなっていく・・
「お約束の言いつけ完了しました!(したのでしょうっ♪)」
大地を雄大な太陽が照らす・・・
それと同時に2つの影は薄れ塵芥の如き物へと変化していった。
「・・・ッ!!!」
銀色に輝く影が動いた・・・のでしょうか?
私はその先を見るのが恐ろしく目を背けてしまいました
そして・・・ 私の時間が終わりました。
これはもう何百年・・・、いえ、もっともっと昔のお話です
夜にしか存在することの出来ない影がどうなったか?
そして本当に“命”を得る事が出来たのか・・・
この後に続く長い長いお話は月明かりが大事に隠している秘密なのです♪
最終更新:2013年04月25日 08:27