まりさの誕生 番外編2の続きです
前作を見ないと何も分からないと思います
いろいろな道具を使うゆっくりが見たくない人
人間とゆっくりが一緒にゆっくりしている光景
ゆっくりがとても頭のいい光景
あとなんか宗教的な話が出てくる可能性があります
そういうのに敏感だという人は見ない方が賢明かと思います
あと慧音が満月じゃないのに変身しちゃいます
おしてすこし慧音いじめ?
そこ注意
ゆっくり達の朝は速い
どれぐらい早いかというと鶏より少し遅いくらい
ふぉーとれすでもゆっくり達の
「ゆっくりしていってね!!」
「きょうもゆっくりしようね!!」
「さあ、おやさいさんをそだてるよ!!」
「おお、はたけしごと」
という挨拶が聞こえてきた
フォートレス内部には石造りの建物がある
ぱちゅりー種と、その世話係のアリスの巣
ゆっくり工場
たんくの格納庫
食料保管庫
遺体安置所
ゆっくり収容所
である
ゆっくり収容所は基本外から来たゆっくりが収容される
この建物で真のゆっくりになれるように教育を受け試験に合格すればはれて仲間として迎えられる
教育の基本は午前は聖書の朗読、午後は監視役のゆっくりと一緒に実技か座学
ちなみに試験内容は筆記と実技に分けられる
筆記はひらがなの読み書きや、フォートレスのルールについての問題
実技は道具の製作、粘土の採掘、農耕などの技術で一定以上の成果を出すこと
筆記試験は人間の6歳児なら十分合格可能だと慧音は報告している
外から来るゆっくりは二つに分けられる
小規模な群れ(主に家族で)でくるか大規模な群れで来るか
大規模な群れは確実にフォートレスを襲撃し、奪い取ろうとする輩だ
もしかしたら大規模集団に身を置いてることがゆっくりを通常以上に傲慢にしているのかもしれない
家族で来るゆっくり襲撃などしてこない
ゆっくりプレイスの噂を聞いたので仲間に入れてもらおうとしてやってくる
彼女らは基本的に温厚だ、郷に入れば郷に従えという言葉があるのかは知らないが
2年ほどの教育期間を経て仲間として迎えられる
そのあとのゆっくり生はあまり長くはないがすぐに餡子はまずくなる
真に「しあわせ~」なゆっくり余生を過ごせるのだ
だが一度攻めてきたゆっくりはこうはいかない
手も足も出なかったことを忘れているのか忘れていないのか、ここは自分たちのおうちだという認識がある
さて、昨日降伏したまりさはどうだろう
昨日の夜と今日の朝、過去に盗んだ人間の野菜と同じくらいおいしい野菜を食べた
まりさは自分が捕虜であることを忘れてこのゆっくりプレイスの一員になった気でいた
3匹のゆっくりがまりさの部屋に入ってくる
「ゆっ!!ゆっくりしようね!!!ゆっくりさせてね!!!」
先頭のアリスが言う
「ゆゆっ、わるいけどまりさはしばらくゆっくりできないわ」
「ゆゆっ、どうして!?ここはまりさのおうちだよ!!ゆっくりさせてくれないならゆっくりでていってね!!」
「ゆゆっ!!うるさいよ!!いだいなるしそぱちゅりーがめいじ、めがみけーねがちえをさずけた、でんせつのどすまりさがつくったゆっくりふぉーとれすはきまりをまもらないゆっくりはゆっくりできないんだよ!!」
長いセリフだ、改行できない
「なにがしそぱちゅリーなの?おお、わらいわらい」
「ゆゆっ!?」
「ぱちゅりーなんてえさもろくにとれないやくたたずののさいていのゆっくりだよ!!」
「ゆゆゆゆ!?!?!?」
なんだかまりさ以外の3匹の様子がおかしいが気にせずまりさはまくしたてる
「そねになに?どすまりさってのがここをつくったの?じゃあそのまりさとおなじまりさならここはまりさのお家だね!!」
「ゆっくりできない!!ゆっくりできないよぉ!!」
ついにれいむが泣き出した
「このゆっくりぷれいすでゆっくりしていくね!!」
「ゆっくりしね!!」
「しそぱちゅりーとめがみけーねとどすまりさをぶじょくするくずどもはゆっくりしねぇ!!」
「ちょうしにのったけっかがこれだよ!!」
3匹のタックルを受けてまりさは弾け飛んだ
このゆっくりふぉーとれすでは伝説の2匹と一人を侮辱したものは極刑に処される
それは外から来たゆっくりにも関係なかった
ちなみにふぉーとれすを襲撃したゆっくりの数は延べ万単位に上るがぶじ仲間になったゆっくりは居ない
慧音はちょくちょくフォートレスに来るようになった
最初は週に一度ゆっくりと物々交換をする人間の話を聞いていたのだが最近は自ら足を運ぶことも増えた
最初はただ興味本位でここに来ていた
が、今ではゆっくりの監視役という使命が生まれ始めている
なんでもゆっくり達が最近人間にまで被害が及びかねない武器を作っているらしい
面制圧力の不足を感じたゆっくり達が大型投石機を作ろうとしているという話を聞いたのだ
図面を見せてもらおうと思ったがこの日、昨日戦死したゆっくりみょんの葬式をやるのでそれに参加してほしいと頼まれた
「むきゅきゅ、おねがいします、めがみけーね」
「「めがみけーね」」
20匹ものゆっくりぱちゅリーに見つめられた慧音は断れなかった
むろん、断る気もなかったが
ゆっくり達の葬式は夜に行われる
この葬式が行われるのはふぉーとれすのゆっくりと真面目に教育を受けていた外のゆっくりである
攻めてきたゆっくり、ドスまりさたちへの悪態をついて殺されたゆっくりは種類ごとに餡子を回収され人間との交換に使われる
遺体安置所には次の夜まで死んだゆっくりの遺体が安置される
そして野菜やお菓子がその前に並べられるのだ
たまにふぉーとれすの外にまで花を摘みに行くゆっくりもいる
そして夜、出席者たちが集落の真ん中を囲むように座る
死んだゆっくりの同種達が亡骸を中央に運ぶ
群れのリーダーであるぱちゅりーが聖書の「ししゃにささげるぶん」を読み上げる
「むきゅ、でんせつのにひきとひとりのおしえにしたがいしものよ、わたしはあなたのしをとてもかなしくおもう…」
ゆー…ゆー…
参加者たちの鎮魂歌と、ぱちゅりーの聖書の朗読をBGMに、遺体を運んできたみょんが遺体をバラバラにしていく
その後、参加者全員でこの遺体の破片を食べるのだ
ゆっくりは基本共食いを嫌う
このままでは飢え死には免れないというときはまだ許容される
だが、それ以外の場合に共食いをした場合、それがほかのゆっくりに露見した場合はしつこく虐められることになる
しかしふぉーとれすでは違う
真のゆっくりとして、聖書の教えにしたがい、真にゆっくりして死んでいった仲間
そのまずい餡子を食べることで、その知恵とゆっくりを分けてもらうという宗教観がある
すこし英雄の血肉を食うことでその勇気を得ようとした食人文化に近いかもしれない
葬式の参加は人間でもできる、だが、餡子を食べることだけは人間にはできない
今のところ餡子を食べることが許されるのは慧音とはじめてここを見つけた猟師だけだった
皆が餡子を食べ終わり、ぱちゅりーの朗読が終わると宴会が始まる
あのゆっくりはゆっくりしていた、あのゆっくりには助けられた
仲間の死を悼みながらも笑いながら仲間を送り出すのである
「ししゃにささげるぶん」のラストはこうだ
「いだいなゆっくりよ、きみはじゅうぶんにゆっくりした、しそぱちゅりー、どすまりさがまつゆっくりへぶんでゆっくりしていってね!!!」
この文、ふぉーとれすが人間に見つかるまでは女神けーねの名前が入っていた
しかし慧音の存命が確認されたため急いで直されたという過去がある
宴会の途中に一匹の赤ちゃんれいむが慧音の膝に飛び乗った
「むむむむむむ無休ぅ~!?!?!?」
「れーむ!なにしているの!?めがみけーねのおからだにきやすくふれるなんてとかいはのやることじゃないわ!!」
慧音にお酌していたぱちゅりーとありすが叫んだ
「なに、そんなにカリカリしないでも大丈夫だ」
慧音はそういって膝の上の赤れいむの頭を優しくなでる
「ゆ~っちゅり~、ゆっちゅりでちるよ~」
気持ち良さそうに目を閉じる赤れいむ
何匹かのありすは自分が発情しかけていることに気がついていそいでふぉーとれすから飛び出していった
ちなみにこの赤まりさ、慧音が帰った後全員のゆっくりの頬ずりを受けることになる
まあ、手加減したので死にはしなかったがかなり疲労していた
「さて、本題に入ろう、ここで作っている投石機の設計図があれば見せてほしいんだが…」
一匹のちぇんがすぐに持ってきた、仕事が意外に早い
これはたしかにまずい、人も死ぬ
初見での慧音の感想だ
ゆっくり・らんち・ろけっと・しすてむ(以下YLRS)
と名付けられたそれは一言ならダブルベッドサイズの投石機だ
大量の小石や角材、土を飛ばし広範囲のゆっくりをせん滅するらしい
だがこんなもの、人間に直撃すれば死ぬ、死ななくても間違いなく大けがすると断言できた
「なあ、この投石機だが…作るのをやめてくれないか?」
「むきゅ?どうしてですかめがみけーね?」
「ひびここをおそってくるわるいゆっくりはふえているんですよ!!」
その悪いゆっくりをいつも簡単に撃退してるだろう
慧音の最近の悩みはこれだった
すこしここのゆっくりは人間至上主義になりかけている
この程度人間にはどうってことないという考えが浸透しているのだ
人間を称えてくれるのはうれしい、だが称えすぎて必要以上の過大評価は困る
慧音は「お告げモード」に入ることにした
妹紅と交わった夜のことを思い出す、うん、興奮してきた、かわいいよもこう
慧音はきもけーねに進化した
これをやると明日は筋肉痛になるのだが素早く話を終わらせるにはこれが一番だ
慧音は両手を広げ、天を仰ぎ、出来るだけ自分が傲慢に聞こえるように声を張り上げた
「聞け!皆の者よ!!私は女神、女神慧音である!!」
ああ、言ってる自分が恥ずかしい、妹紅に見られたらどうしよう
急にお告げモードに入った慧音をゆっくり達が見上げる
三日月をバックに天を仰ぐ慧音は誰が見ても幻想的で神秘的な美しさを持っていた
速記係のありすが鉛筆と紙を用意してやってきた
それを確認した慧音は外の世界の似非預言者のように語り始めた
「いますぐにYLRSの開発を中止せよ!!さもなくばこの村をかつてない災厄が襲うであろう!!」
めがみけーねのお告げだ、聞かない理由はない
設計図は一瞬で紙くずになったが、急いでいたために開発検討用の10分の1模型の破壊は完ぺきではなかった
その日の夜、めがみけーねの予言道理に災厄が降りかかった
動物は、危険を回避する事が出来る
下等動物、たとえばミミズでも簡単な迷路を抜ける道を覚える事が出来る
高等生物なら自分の行動を分析してそれを元にあらかじめ危険が起こるであろう行動を回避する
このフォートレスのゆっくりは後者だった
だが、それには莫大な経験も必要となる
ゆっくり達が人間と交換してきた者を覚えているだろうか
覚えているならいい
そのひとつに粘土がある
石塁を作るのに使われたこの粘土は人間の里でも焼き物などの原料に使われている
この粘土は集落中心部付近にトンネルを掘ってそこから産出していた
この日、幻想今日はまれに見る大雨に見舞われた
過去100年単位でなかったような豪雨
人間の里は男たちが徹夜で土嚢積みの作業を行ったため小規模な被害ですんだ
だがフォートレスはそうはいかない
大量の雨がトンネルの中に流れ込んでいき完全に水没してしまったのだ
通常トンネル内に雨が入らないように排水溝などの工夫はしていた
だが、ゆっくりが何世代も経験しなかった雨はその予想を超えたのだ
夜は誰も作業をしていないから直接の被害者はいない
だが、フォートレスの中心部
その地下に広がる広大な地下トンネルが雨水で満たされ、周囲の土の壁が崩れ始める
ついにトンネルは陥没した
ゆっくりフォートレスは悲しいほどに、ほんとに悲しいほどにあっけなく陥没してしまった
ゆっくり達にとって唯一の救いは皆苦しむことなく一瞬で死ねたことだろう
粘土採掘トンネルがフォートレスの外にあったら
鉱山に詳しい人間がゆっくりに助言をしていたら
こんなことにはならなかったのかもしれない
結局ゆっくりは人間を、人間はゆっくりを、必要以上に過大評価していただけだった
だが、まだ終わっていない
慧音に興奮し、フォートレスを飛び出した3匹のゆっくりアリス
一匹はふぉーとれす壊滅をしり、発狂してれみりゃの群れに飛び込み死んだ
一匹は早く興奮が鎮まったためにふぉーとれすにもどりほうかいにまきこまれた
一匹は生きていた、野生のれいむと出会い、野生のゆっくりの群れに合流し生活している間に・・・
ただのゆっくりに戻ってしまった
ついに、そして本当に
そして誰もいなくなってしまった
次の日、里の住人は良き隣人の不幸を大いに嘆いた
おいしい野菜を貰ったもの
疲れた時に快く休憩させてもらったもの
クマに襲われた時、ゆっくり達が熊の気を引いたおかげで命拾いしたもの
人間にとって、フォートレスのゆっくりをよく思う理由はあれど、悪く思う理由はなかった
慧音のショックを受けた
今まで一番自分の授業を聞いてくれ、無実の罪で殺されたドスまりさ
少し恥ずかしかったが自分神と崇め慕ってくれたふぉーとれすゆっくり
だが慧音は絶望してはいなかった
きっとドスまりさの遺志を継いだゆっくりが生き残っているはず
この先何百年先になるか分からないがまたゆっくりふぉーとれすを作ってくれるはずだ
そうしたら…そしたら本当に女神になって人間とゆっくり両方の守護者となろう
ゆっくりふぉーとれすのあった森の入口に看板がある
「この森で山の資源を取ることを禁ず」
ゆっくりふぉーとれすの跡地には唯一のゆっくりの遺産
ゆっくりたんくがある
キャタピラが外れ、コケが生えたそのたんくは今もふぉーとれすを守ろうとゆっくりがんを森に向ける
その上で一匹のれいむと一匹のまりさがゆっくりしていた
「「んほおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」
彼女らの子供はきっと畑で盗みを働くだろう
ラスト
あとがき
どーうも、セインと申します
満月をバックにしたきもけいねはとても神々しいと思うんだ
ドスまりさの誕生 番外編3
7月31日 0003
セイン
最終更新:2022年05月03日 18:02