※ゆ虐×XBOX360用ゲーム「地球防衛軍3」です。
元ネタゲーをプレイされた事のない方にはわからないネタが多いです。
プレイされてない方は、回避してくださる事を希望します。
※EDFネタで書こうと思ったら、既に別の方が書いていました。
どうしても、逆設定でやってみたかったので、
二番煎じでやってしまいました。
「ゆっくりいじめ系2341 ゆっくり地球防衛軍」の作者の方、ごめんなさい。
※どうみても、元ネタれいぷです。本当に(ry
全国のストーム1諸氏、そして、勇敢に戦い、散って行った
レンジャー・ストーム・オメガ・スカウト各隊員にごめんなさい。
あと一応モールチームにもごめんなさい。
※ゆっくりが喚くだけのシーンが多いよ!すっごく多いよ!
--------------------------------
ゆーでぃーえーふ!
====================================
【Stage01】「異邦人来たる」
「しがいちじょうくうに、ふぉーりなーさんのえんばんがきたよ!
ゆとーむちーむ、ゆれんじゃーちーむは、けいかいしてね!」
------------------------------------
「みて!えんばんさんだよ!」
「ゆゆぅぅ!!すごいよ!おそらをとんでるよ!!」
「えんばんさん!まりさものせてね!まりさもおそらをとびたいよ!」
ふよふよと空に浮かぶ、直径5m程の銀色の円盤の編隊を見上げ、
暢気な声をあげるのは、ゆっくり達。
だが、このゆっくり達は、ただのゆっくりではない。
地球の、主に人間さんの生命とか財産とか守るため、
日夜戦いを繰り広げる、ゆっくり地球防衛軍、
Y.D.F(ゆーでぃーえふ・Yukkuri Defence Force)が誇る精鋭達である。
なお、Y.D.F設立に当たっては、「Y.D.Fじゃ地球が入ってなくね?」という議論も
熱く交わされたが、「ゴロがいい」という理由で現在の形に落ち着いた。
『みんな!はいちについてね!』
ゆっくり達の飾りに取り付けられた通信機から、本部からの命令が届く。
「ゆっ!こちら、ゆとーむ2。りょうかいだよ!」
「くんれんじゃないよ!れいむにつづいてね!」
「ゆえっさー!!」
気勢を上げるのは、遊撃部隊「ゆとーむ2」の隊長であるれいむと、
その部下のゆっくり達。
この市街地に配備されたのは、
「ゆとーむ1」「ゆとーむ2」「ゆとーむ3」「ゆれんじゃー4」の計4部隊。
基本的に一部隊は十数匹~数十匹単位の編成だが、
何故か一匹だけ、ポツーンと寂しそうにしているゆっくりがいる。
「ゆとーむ1」の隊長、兼、唯一の隊員である、ゆっくりまりさである。
「れいむ。」
「ゆっ?どうしたの、まりさ?
ゆっくりしないで、いそいで、はいちにつくよ!」
呼び止められたのは、ゆとーむ2隊長である、れいむ。
呼び止めたのは、ゆとーむ1隊長(笑)である、まりさ。
「じねぇぇぇぇぇ!!」
「ゆぼぇっ!?」
突如、まりさが鬼気迫る表情で、口に咥えた枝をれいむの頬に突き刺した。
「「「ゆ゛あ゛ぁぁぁ!?だいちょおー!?でいぶだいちょおー!?
どおぉぉじでごんなごどずるのぉぉぉ!?」」」
ゆとーむ2の隊員ゆっくり達が、突然の出来事に立ち尽くしたまま悲鳴を上げる中、
まりさが二度、三度と、れいむの体に枝を突き立てる。
「ゆっ・・・れいむ・・・もっとゆっくりしたかっ・・・・・」
そして、ゆとーむ2の隊長れいむは、戦闘開始前に二階級特進した。
「ゆっへっへっへっ・・・
ぐずのれいむのくせに、まりさより、ぶかがおおいなんて、なまいきなんだぜ!
みんな!れいむはしんじゃったから、
これからは、このまりささまがたいちょうなんだぜ!!」
まりさが、ゲスな笑いを浮かべてゆとーむ2の隊員達に宣言する。
ゆーでぃーえふの軍規では、各隊の隊長が何らかの理由で戦死した場合、
配下である隊員達に、以下の行動を課している。
(1)隊長を失った隊は、その場で待機。敵のど真ん中だろうと何だろうと待機。
(2)別部隊の隊長が合流した場合、その隊長配下の部隊として行動する。
あと、隊長ゆっくりは、他の隊長や隊員を殺傷しても、
別に軍規違反には問われない。多分。
ゆっくりは勝手に生えてくるし、そんなのいちいち気にしない。
一方、隊員ゆっくりが隊長を殺傷した場合には、重い処罰が待っている。
「ゆぅぅぅ・・・・」「ゆぐぐぐぐ・・・・!」
目の前で隊長を殺されたゆとーむ2の隊員達は、
新しい隊長となったまりさに向けて恨みの籠もった視線を向けるが、
軍規は絶対、まりさの指揮下に入るしかない。
ところ変わって、こちらはゆれんじゃー4チーム。
他部隊よりも先行して警戒待機の任についていた彼らが、真っ先に異常を発見した。
「むきゅぅぅぅ!?こちら、ゆれんじゃー4!!
お、おっきないきものよ!おっきないきものがいるわ!!」
『ゆれんじゃー4。おっきないきものってなんなの!
れいむにもわかるようにせつめいしてね!!』
通信機からは、本部指揮官である、れいむの怒ったような声が返ってくる。
通信機の向こうでは、さぞや、ぷっくぅぅぅとしている事だろう。
「こ、こんちゅうよ!おっきなこんちゅうよ!むっきゅううぅぅぅ!?」
「ゆぎゃぁぁ!?こんちゅう きもぉぉぉぉす!?」
「むきゅぅぅぅぅ!?ぎもいぃぃぃぃ!?ごっちごないでぇぇぇ!!」
ガガガガガ・・・ガガガガガ・・・
各隊の通信機に、戦闘音が鳴り響いた。
『ほんぶより、ゆとーむちーむへ。ゆれんじゃー4が、おっきないきものさんと
こうせんちゅうだよ!ゆっくりしないで、いそいでたすけにいってね!』
『こちら、ゆとーむ3だみょん。おっきないきものさんってなんなんだみょん?』
『ゆっ!れいむにもわかんないよ!』
状況が不明瞭なため、各隊の指揮も混乱しているようだ。
「ゆっへっへっへ・・・まりささまがだいかつやくして、
にんげんさんから、いっぱいあまあまをもらうんだぜ!」
ニマニマと笑っているのは、先程のゆとーむ1・まりさ。
「ゆっ!ゆれんじゃー4をたすけにいくんだぜ!ついてくるんだぜ!」
「ゆぅ~・・・」
まりさの命令一下、渋々と言った様子で、
元ゆとーむ2隊員達が、まりさと共に跳ねてゆく。
市街地を進んで行くと、やがて、敵らしきものの姿が見えてきた。
「ゆっ?あれがてきなのかぜ?」
100メートル程先を蠢いている小さな黒い物体を視認したまりさが、立ち止まる。
「あれは・・・ありさんだみょん!」
部下のみょんが、その正体に気づく。
確かにそれは、そこいらにいる蟻とほぼ同じ形をした生物だった。
「ゆぷぷぷ・・・てきはありさんなのかだぜ!
ありさんにびっくりするなんて、ぱちゅりーは、とんだおくびょうものなのぜ!
まりさは、ありさんはだいこうぶつなんだぜ!みんなたべてやるんだぜ!」
そう言ってまりさが笑う。
初の実戦に緊張していた他のゆっくり達も、安堵の表情を見せる。
確かに、体の小さな蟻は、ゆっくりに取っては食料源でしかない。
怪我等で動けなくなったゆっくりの場合、
逆に蟻に集られて食べられてしまうこともあるが、
健康なゆっくりにとっては、なんら脅威ではない。
体の小さな蟻は。
そうこうする内に、蟻達も、ゆとーむチームを認識したのか、
彼ら目指してまっすぐに走ってくる。
「ゆっ?ありさんが、こっちにくるよ!」
「わざわざ、まりさにたべられにくるなんて、しゅしょうなありさんなんだぜ!」
「ゆゆぅぅ・・・!おっきなありさんだね!」
「ほんとに、たべでがあるんだ・・・ぜ・・・・」
余裕たっぷりで、近づいてくる蟻を眺めていたゆっくり達だが、
段々と表情が凍り付いてくる。
蟻がガサガサと猛スピードで100メートルの距離を詰めてくるにつれ、
まりさ達の目に映る蟻の姿がどんどん大きくなる。遠近法に従って。
「ゆ・・・?ゆ・・・ゆぅぅぅぅ!?!?」
「「「どぉぉぉじで、ありざんがごんなにおおぎいぃのぉぉぉぉ!?!?」」」
ゆっくり共が揃って汚い悲鳴を上げる。
すぐ間近まで迫った数十匹の蟻達は、形は、どこにでもいる蟻そのもの。
しかし、そのサイズが違った。
蟻達は、とてつもなく巨大だったのだ。
…とは言っても大型犬くらいの大きさだが。
それでも蟻としては破格の大きさであるし、
バレーボール~バスケットボール大のゆっくり達にしてみれば、
脅威を感じさせるに十分な大きさであろう。
「ゆぎゃあぁぁぁぁぁ!?!?」
「ぎもいぃぃぃ!ありがぎもいぃぃぃ!」
「ごないでぇぇ!ありざん、ごっぢごないでぇぇ!」
当然の事ながら、パニックに陥る。
「もうやだぁ!れいぶ、おうぢがえるぅ!」
一匹のれいむが恐怖に駆られると、脱兎のごとく戦場から離脱しようとした。
パアン!
乾いた音と共に、れいむの底部が破裂した。
「!?ゆ・・・ゆぎぃぃっ!!でいぶのすらりとしたあんよざんがぁぁ!!」
クソ饅頭がふざけた事を抜かしながら、身悶えている。
ゆっくりだけの軍隊を構成するにあたり、最低限の軍隊教育は施してあるが、
臆病で、自分がゆっくりする事を至上の目的とする、ゆっくり達、
いざ危険を目の前にして、敵前逃亡をする者が出るのは、折り込み済み。
全てのゆっくり達の底部には、遠隔起動可能な小型爆弾が仕込んである。
人間による監視班が逃走を確認次第、爆破信号を送られる。
パン! パアン!
あちこちで爆破音が幾つか続けて起こる。
「ゆ・・・ゆ・・・ゆぎゃぁぁぁ!!だべないでっ!でいぶをだべないでぇ!
ありざん!ながよぐじようね!でいぶどながよぐじようねっ!?
どおぉぉぉじで、でいぶをだべぢゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!?」
足を爆破されて動けなくなったれいむ達が、真っ先に蟻に囓られ始める。
「ゆぎゃあぁぁぁ!!れいぶぅ!れいぶぅ!!」
「だ、だだがうんだじぇぇ!!だおざなぎゃ、ばりざだぢがやられるんだじぇぇ!?」
隊員達が悲鳴を上げる中、攻撃命令を下す、ゆとーむ1・まりさ。
あんなんでも一応は隊長である。
では、ここで、ゆっくり達の兵装を見てみよう。
「しねっ!ゆっくりしね!!」
ぷっ!ぷっ!と蟻に向かって口に含んだ小石を飛ばしているのは、れいむだ。
この小石こそが、"YF-14 ゆさるとらいふる"
ゆーでぃーえふに於いて最も標準的な兵装である。
小さな石を大量に口に含み、連続発射する武器である。
一発の威力は決して高くないが、
キィ!キィィ!
と蟻が小石が当たるたびに甲高い鳴き声を上げて、地味に嫌がっている。
足止め効果はそれなりに期待ができそうだ。
「しねっ!ゆっくり・・・ゆぎゃあぁぁぁ!?」
どうやら攻撃に夢中になるあまり、後ろに回った別の蟻に頭を囓られたようだ。
敵の数が少ない分には、それなりに効果の高い武器だが、
倒すのに時間がかかるため、敵が多い場合には、
別の敵から攻撃を受ける危険が増す。
「だじぇぇ!!」「ちーんぽ!」
ゆさるとらいふる隊が足止めした蟻に対して左右から飛びかかるのは、
ゆとーむ1・まりさとみょん。
口に咥えた枝を蟻の体に突き立てる。
キィィ!
その巨体故に致命傷には至らないまでも、蟻が悲鳴を上げる。
近接戦に於いて高い威力を発揮する、"ゆぎゃなー25・ゆっとがん"である。
まあ、"がん"とか言っても、枝なんだけど。
威力はあるが、至近距離でなければ使えないのが、最大の欠点か。
「しぬんだぜぇぇ!!」「ちーんぽ!ちーんぽ!」
蟻の噛み付きを巧みに交わしながら、更に攻撃を続ける、まりさとみょん。
何度も枝を突き刺される内に、蟻の動きが目に見えて弱ってきた。
「とどめだぜっ!!」ギィィィィィィ!
まりさの枝が胴体に刺さり蟻が一際甲高い悲鳴を上げると、バタッと力無く倒れた。
が、
ポキ
蟻にトドメを刺すと同時に、あんまり丈夫じゃない枝も折れてしまった。
「ゆあぁぁ!?まりざのえだがぁぁ!?」
まだ周囲は蟻で溢れかえっている。
まりさは慌てて、お帽子を脱ぐと、
その内部に縛り付けられている替えの枝を取りだそうとする。
「ゆっぎぎぎぎぎ・・・!なんでとれないんだぜぇ!?」
枝は、誤って落とさないようきつく縛られているので、なかなか抜けないようだ。
リロードに時間がかかるのも、ゆっとがんの欠点なのだ。
まりさの目の前まで蟻が迫る。
「ちーんぽ!ちんぽっぽ!」
「ゆぎゃぁぁ!よこすんだぜぇぇ!!」
「ちん?ぢんぽぉぉ!?」
あーあ、援護に来てくれたみょんの枝奪いやがったよ、コイツ。
「ちんぽぉぉっ!!!ちんぽっ?!」
まりさを追いかけようとするが、蟻に進路を遮られ、断念するみょん。
諦めて、こちらも髪飾りに結わえ付けられた予備の枝を取りだそうとするが・・・
「ぢんぽっ!?ぢんぽっこ!?」
まりさの帽子と違って、髪飾りに結ばれれているので、
手が無いゆっくりには、自力で外すことができない。
飛び跳ねながら、涙目になって叫んでいる。
まわりのゆっくり達に「とって!これとって!」とでも言ってるのだろう。
しかし、他のゆっくり達も自分の身を守るのに精一杯。
「いまはむりだよ!」「じぶんでなんとかしてね!」と素っ気ない。
「ぢんっ・・・にくぼっ!!」
あ、食われた・・・
くっ・・・すまない、みょん・・・
俺が真剣にリロードの設定考えてなかったばかりに・・・許してくれ・・・
あと、ゆさるとのリロードはどうやるんだとか、そういうのも許してくれ・・・
「ゆっがぁぁぁ!!」キィィィィィッ!
まりさの渾身の一撃に蟻が倒れる。
「ゆひぃぃ・・・ゆひぃぃ・・・な、なんとかたおしたんだぜ・・・・・」
そんなこんなで戦闘は進み、いつの間にか数十匹の蟻は全て倒されていた。
しかし、ゆーでぃーえふ側の損害も甚大。
残っているのは、満身創痍のゆとーむ1・まりさだけ。
他のゆっくりは皆、蟻に食われた。
乱戦を繰り返す内に、戦線は移動し、今まりさがいるのは、市街地の中にある公園。
「ゆぅぅぅ・・・すこしやすむんだぜぇぇ・・・」
そこの公園は、まりさがまだ飼いゆだった頃、
飼い主に連れてきてもらった公園によく似ていた。
「ゆぅ・・・れいむ、どうしてるかな・・・・・・」
目を瞑って、公園でよく一緒に遊んだれいむの事を思い出す。
「ゆ・・・そうだ!まりさ、この戦争が終わったら、れいむと・・・ゆ?」
不意にまりさの上に影が落ちた。
まりさが目を開けると、そこにいたのは、蟻、蟻、蟻。
数十匹の蟻がまりさを取り囲むようにして、物欲しそうにまりさを見ている。
「ゆっびゃぁぁっ!?じょおぉぉぉじで、ありざんがごごにいるのぉぉぉ!?」
「ゆぎゃっ!やべっ、やべでね゛っ!ばでぃざのあだま、がじらないじぇぇぇ!?」
「いだいぃぃ!いだいぃぃぃ!」
「だべちゃやだぁ!だべないじぇぇぇ・・・・・・・!!!」
+------+
|再出撃 |
|退却 |
+------+
※YDF豆知識
あっさり敵が全滅したら、それは増援フラグだ!
フォーリナーの増援部隊は謎の超技術により、突然戦場に転送されてくるぞ!
「Mission Clear」の表示が出るまでは気を抜くな!
====================================
【Stage03】「市街戦」
「まだ、しがいちに、いっぱいありさんがのこってるよ!
しゅつどうできるこは、ゆっくりしてないで、いそいでいってね!」
------------------------------------
『ありさんが、しみんをおそっているよ!
みんな!ありさんをさがして、せいさいしてね!』
本部指揮官れいむからの指令により、市街地へと急行したゆれんじゃーチーム。
ちなみに、指揮官れいむと言っても、
別にれいむに全ての指揮を任せている訳ではない。
実際の作戦指揮は、ゆーでぃーえふの上位組織である、
O.N.I.S.A.Nから出向しているお兄さんが執り行っている。
れいむは、お兄さんの指示を現場のゆっくりに伝達しているだけに過ぎない。
ただし、お兄さんがトイレやお風呂に行ってるとき、漫画を読んでる時、
イマイチやる気起きない時などは、れいむが指揮を代行する場合もある。
言ってみれば、れいむは指揮官補佐、兼、通信オペレータみたいなものだ。
「あいつら、また出たぜ・・・」
「ウチも庭の植木がやられたよ・・・」
「ホント、勘弁してくれよ、キモいんだよ・・・」
井戸端でそんな会話をしている市民の皆さんの足下に、
兵員輸送用大型すぃーが到着した。
「ゆっ!ゆっくりとうちゃくしたよ!」
「まりさたちがきたから、もうだいじょうぶなんだぜ!
だから、まりさにおいしい「うるせぇ!このクソ饅頭が!」ゆぎゃっ!」
すぃーから飛び降りたゆっくり達だったが、
突然、一匹のまりさが市民に蹴りを入れられる。
「てめーら、来んのおせーんだよ!グズグズしてんじゃねーよ!」
「さっさとあいつら片づけろ!ゆっくりしてっと、アリ共の餌にすんぞ!」
「おらっ!なんだ!?おいしいなんだ?おいしい蹴りが欲しいのか!
ほらっ!たっぷり食らえ!」
「ゆべっ!やべでっ!ゆべっ!?」
次々に市民から罵声を浴びせられるゆっくり達。
先程のまりさは、いまだボスボスと蹴りを浴びせられている。
どうやら、本戦闘での戦死一番槍は決定したようだ。
「ゆわぁぁん!!れいむたち、なにもわるいことじてないのにぃぃ!」
「ゆっくりできないよぉぉ!!」
まりさの事は諦めて、泣きながら配置に散っていく、ゆれんじゃーチーム。
さて、ここで、ゆーでぃーえふの成り立ちについて、説明しておこう。
ゆーでぃーえふ設立以前、既に人類は、
幾つかの地域において巨大蟻からの攻撃を受けていた。
当初、人類はこの事態に独力で対処していた。
ゆっくり如きでも、なんとか倒せることからもわかるように、
実のところ、巨大蟻は弱い。すんごい弱い。
人間であれば、軍隊はおろか、警察、いや、健康な者であれば、
一般市民でも容易く撃退することは可能だろう。
それこそ、ゆっくりを撃退するのと大差無い程だ。
では、何故、自力で撃退せず、ゆっくりに任せるのか?
理由は単純。キモいのである。
だって、でっかい蟻だよ?それが大挙してガサガサ走ってくるんだよ!?
キモくない訳ないでしょおぉぉぉ!?
やがて巨大蟻の対処に当たる公務員達の中から、
噛まれて怪我をしただの、蟻のキモさでPTSDになっただのと、
労災認定を求める者が増え出した。
また、そう言った職務に就く者には、
特別手当を支給すべきとの声を上げる者も現れ出した。
そんな中で、経費節減に励む各自治体が考え出したのが、
ゆっくりによる迎撃部隊である。
繁殖力が高く、駆除しても駆除しても、どこからか現れるゆっくり達。
その数の力によって、巨大蟻に対抗させようとしたのだ。
贅沢な餌を与えでもしなければ、ゆっくりの維持費など、人件費に較べれば雀の涙。
餌が足りないようなら、一部を餌用に回せば良い。
ゆっくりには人権もゆ権も無いので、
どれだけ死のうが、一銭の見舞金すら発生しない。
怪我をしても、治療費も労災手当も必要ない。
動けるうちは戦わせ、動けなくなったら、餌用に回すだけ。
蟻がキモくてPTSDになった?特別手当をよこせ?
ゆっくりがそんな事を言えば、
仲間の前で散々に虐待を繰り返した上で、餌用に回すだけ。
ゆっくりの数が足りなくなれば、また捕まえてくれば良い。
使いこなすことができれば、これほど便利な労働力は無いだろう。
当然ながら、ゆっくり達にただ「人間さんのために戦ってね!」と言って、
大人しく戦う訳がない。
何かびきぃと来るような事を言い返されるのがオチだ。
しかし、その問題は、募集をかけてもいないのに、
勝手に集まってきた親切な有志達の手によってすぐに解決された。
彼らの手による3~4日程度の教育カリキュラムを終えたゆっくりは、
皆、人間の命令に従って戦いに赴くようになったのだ。
かくして、この動きが徐々に全国・全世界に広まって行き、
最終的に各国の協力の下、一つの軍隊として統合された物、
それが『ゆーでぃーえふ』だった。
そして、ゆっくりの教育に当たってくれた有志によるボランティアで運営され、
ゆっくりの教育だけでなく、徴兵、訓練、部隊運用、指揮、等々
手広く手がける組織が『O.N.I.S.A.N』なのである。
説明している間に、ゆれんじゃーチームが蟻の一団と接敵したようだ。
早速、戦闘が開始されている。
ビシャ!ビシャァ!!
敵の攻撃が今日はなんだかいつもと違う。
いつものように、ゆっくりを食おうと噛み付いてくるのではなく、
お尻から何かの液体を出して、ゆっくり達にむかって飛ばしてくる。
れいむの!まりさの!ありすのお顔に!迸る何かの液体がブッかけられる!
「ゆっ!?ありさんがなにかはきだしてるよ!!」
「ゆぅ・・・ありさんのあんこかしら?」
「ゆ?ゆぅぅぅぅ!?れいむのおりぼんさんがとけるぅぅぅ!!」
「まじざのおぼうじがぁぁ!?」
「「「さ、さんだぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」
そう。これは、酸だ。蟻が体内で生成する酸、蟻酸である。
お前ら、ゆっくりのくせに、よく酸とか知ってるな。
ちなみに、威力的には、お酢レベルだ。
人間なら目にでも入らなければ、それほど実害はないが、
植木とかは傷むかな?傷むかもしれない。よく知らない。
あと、ゆっくりの饅頭皮なら溶かせる。超溶かせる。
「あー、そうだ。れいむ、厨国戦線から蟻どもが、
酸攻撃してきたって報告が来てたよな。
こっちの連中もそろそろ使ってくるかもしれんって伝えたか?」
「ゆ!?そうだったけ?!ゆへへ、れいむ、すっかりわすれてたよぉ・・・」
指揮官のお兄さんとお茶を飲んでいたれいむが、
ペロリと舌を出して、通信機に向かう。
『こちられいむ!ありさんのあんこは、きょうりょくな、さんだよ!
たったいま、わかったんだよ!
おりぼんさんもとかしちゃう、おそろしいぶきだよ!
さんをあびたらゆっくりできなくなるから、ちゅういしてね!』
「ゆ゛・・・・どおぉじで・・・もっどはやぐ・・・いっでぐれないのぉ・・・」
顔面を半分以上溶かされ、餡子を地面に垂れ流す
ゆれんじゃーチームからの返答は無かった。
+------+
|再出撃 |
|退却 |
+------+
====================================
【Stage05】「掃討作戦」
「ふぉーりなーさんは、ありさんのなかまみたいだよ!
れいむ、もうおこったよ!みんなでふぉーりなーさんをこうげきするよ!」
------------------------------------
『くうぐんが、ふぉーりーなーさんたちを、こうげきするよ!
そらのてきはまかせて、みんなは、ありさんをやっつけてね!』
「ありさんとせんとうになるみょん!ゆうかんにたたかうみょん!」
「ゆぉぉぉ!!」
「ゆえっさー!」「さー!ゆえっさー!」
蟻の一群に向かって突撃を開始する、みょん率いる、ゆれんじゃー部隊。
既に幾度かの戦闘を経た練度の高い部隊だ。
蟻の数が少なく、彼らが油断していたこともあって、着実に敵を減らしてゆく。
『とかいはなありすが、ちゅうけいするわ!
これから、とかいはなありすたちが、ふぉーりなーへのこうげきをおこなうのよ!
ゆーでぃーえふは、ぜんせんりょくをけっしゅうし、
いなかものの、まざーしっぷをこうげきをするわ!』
『う~♪う~♪』
YBSのTV中継の音声が、本部より隊員達の通信機にも転送されてくる。
中継をしているのは、うーぱっくに乗ったありすのようだ。
「う~!う~!」
「いっぱいやっつけるんだどぉ~♪」
「かえったらさくやのぷっでぃ~んをたべるんだど~♪」
「うっう~うぁうぁ♪」
耳障りな鳴き声を上げて、意気揚々とありすの少し前方を飛行しているのは、
ゆーでぃーえふ空軍の全戦力、胴付きれみりゃ部隊・総勢20匹。
ちなみに、ありすには知らされていないが、
戦闘に勝利した暁には、中継をしているありすを食べていいことになっている。
れみりゃ部隊が目指す先は、海上に浮かぶ飛行船サイズの巨大な物体、
フォーリナーのマザーシップだ。
れみりゃ部隊の接近を感知したか、マザーシップの側面の一部が口を開け、
そこから何かが飛び出してくる。
「ゆっ!いなかもののふぉーりなーのがんしっぷよ!
ゆ・・・?ゆ!?1、2、3、3、3、酸・・・・
た、たくさん!たくさんいるわよぉぉ!?とかいはじゃないわぁぁ!?」
大量に飛び出した銀色に輝くソレは、フォーリナーの戦闘攻撃機・ガンシップ。
巨大蟻と同じく、大型犬ほどのサイズ。れみりゃよりも二回りは大きい。
それが、およそ、80機以上。
「うー!?うー!?」
「ざぐやぁぁぁ!?」
「れみりゃはごうまがんのおじょうざまだどぉ~!?」
一方的な虐殺が始まった。敵の数はれみりゃのおよそ4倍。
しかも飛行速度・旋回能力共にれみりゃを上回っている。
「うぎゃぁー!!あづいどぉぉぉ!ざぐやぁぁ!!ざぐやぁぁ!!!」
一匹のれみりゃが、四方八方からガンシップにビームを浴びせかけられている。
針のように細いビームだが、その温度は600度にも昇る。煙草の火並の高火力だ。
全身に根性焼きビームを浴びせられ、空中でばたばたとダダを捏ねるように
れみりゃがもがく。
れみりゃの攻撃は素手、相手は飛び道具。
余りに間合いが違い過ぎる。
顔を焼かれ、羽根を焼かれ、腕を焼かれ、目を焼かれる。
服や髪にも火がついた。
次々に火だるまになって落下してゆく、りみりゃ部隊。
「い、いっぽうてきだわ!にじゅっぴきのれみりゃが、ぜんめつぅぅ!?
まださんぷんもたってないわよぉぉ!?」
中継のありすも、パニック状態だ。
れみりゃを全て屠ったガンシップ部隊は、残った2匹、
うーぱっくと、ありすに向かってきている。
「うーぱっく!にげるのよぉぉ!?」「う゛ー!う゛ー!!」
必死にガンシップから逃れようとする、ありす達だが、
ありすと中継機材を積んだうーぱっく、その飛行速度は余りに遅く、
あっという間に追いつかれる。
「ゆっ!そうよ!とかいはなら、こんなときは、あわてずにすっきりよ!
まりざぁぁぁ!!ずっぎりじまじょうねぇぇぇ!!」
正気を失ったありすが、中継用カメラのレンズに、なんか押しつけてきた。
+------------+
|しばらくおまちください。|
+------------+
双方の被害は、ゆーでぃーえふ側れみりゃ20匹+うーぱっく1匹+ありす1匹に対して、
敵ガンシップは一機のみだった。
落下するれみりゃが偶然激突して破壊した一機だけが唯一の白星。
ちなみに、ガンシップの装甲は二層アルミ箔装甲である。
攻撃が届きさえすれば、れみりゃでも落とせる。
場面変わって、再び地上部隊。
「やったね!まりさ!ありさんをやっつけたよ!」
「まりさにかかれば、ありさんなんていちころだよ!
おそらのてきだって、まりさにまかせてくれれば、あっというまだよ!」
「ゆゆ~ん!まりさ、かっこいい!」
「ゆふふ、れいむはまりさがまもるからね!」
どうやら、地上の蟻部隊は殲滅したようだ。
饅頭の分際でいちゃこらやってるのは、ゆれんじゃー部隊のれいむとまりさ。
彼らの隊長だったみょんは、枝が折れて、蟻に食われちゃったので、
別部隊と合流している。
しかし、束の間の勝利に沸く彼らの元に、衝撃的な通信がもたらされる。
『くうぐんがかいめつしたよ!がんしっぷがこっちにくるからね!
みんな、にげてね!ゆっくりしないで、いそでいにげてね!』
「「「ゆ?ゆえぇぇぇぇ!?!?」」」
「どぉぉじで、がいめづじちゃうのぉぉ!?!?」
本部れいむからの通信に、ゆっくり地上部隊が恐慌を来す。
空軍と言えば、ゆっくり達の天敵・捕食種であるれみりゃからなる部隊だ。
それを壊滅させる程の敵となれば、ゆっくり達が怖れるのも無理からぬこと。
なお、ありすからのTV中継音声は、地上部隊の士気に関わりそうだったんで、
途中から中継をカットしている。
「にげるんだじぇぇぇ!?」
「ま、まってよぉ!?まりさぁ!れ、れいむ、こしがぬけてうごけないよぉ!?」
「じらないんだじぇぇ!!れいむは、まりさのために、
そこで、おとりになればいいんだじぇぇ!!」
「どぼじて、そんなこというのぉぉぉぉ!?おいでがないでぇぇ!?」
そんなこんなの内に、ガンシップ来た。80機。
「いぎゃぁぁぁ!!あづいぃぃぃ!!!」
「ばりざのおぼうじがもえぢゃうぅぅ!?」
「かわにとびこむんだじぇぇ!!「ドボーン!」ふぅ・・・たすかったのぜ・・・
ゆぁぁぁ!?あんござんとげないでぇぇ!?」
雨あられと降りかかるガンシップのビーム攻撃に焼かれてゆくもの、
火を消すために川に飛び込むが、傷口から餡子が流れ出して絶命するもの。
次々と被害が拡大する。
ゆっくり達も、ただ黙ってやられる訳ではなく、懸命に応戦する。
「おちてね!おちてね!がんしっぷさんは、ゆっくりしないではやくおちてね!」
ゆさるとらいふる部隊は、懸命に上空のガンシップに小石を放つ。
重力に逆らっての射撃のため、威力は落ちているが、
ある程度はガンシップにダメージを与えているようだ。
2~3機ほど撃墜に成功している。
「ゆっ!ゆゆっ!!とどがなぃぃ!!ゆぎゃぁぁ!!あづいぃぃ!!」
ゆっとがん部隊は、懸命にジャンプして、ガンシップに枝を突き刺そうとするが、
地上1m以上の高空を飛行するガンシップには届かず、1機も撃墜できていない。
こちらは、れみりゃと同じ状況だ。武器の相性が悪い。
そんな中、順調に撃墜数を稼いでいる、ある部隊の様子を見てみよう。
ヒュッ・・・ ガンッ!ドゴォォン!!
どこからか飛来した弾丸に貫かれ、一機のガンシップが爆散する。
「めいちゅーだよー!わかるよー!つぎはあのきのうえのをねらうんだねー!」
「ゆっぎぎぎぎぎぎぎ・・・・・・・・・・!」
観測手のちぇんが跳び跳ねる横で歯を食いしばっているのは、まりさ。
その食いしばられた歯には、ゴム紐が咥えられている。
そして、そのゴム紐を辿って行くと、
そこには、Y字型をした木の枝が地面に刺さっており、
ゴム紐はそこに結びつけられていた。
そう、これはパチンコだった。
遠距離狙撃用ゆないぱーらいふる・"らいゆんやぁぁ"だ。
ゴム紐を咥えたまりさが、目と歯を剥き出しながら、ずりずりと後退してゆく。
今、まりさの歯がゴム紐と共に咥えているのは、一発のBB弾。
これが、らいゆんやぁぁの弾薬である。
十分な威力を確保するために、太いゴム紐を思いっきり伸ばさなくてはならず、
ゆっくりには一仕事。
単発の威力では、他の武器を凌駕するが、連射製に欠けるのが玉に瑕。
「ゆっぐ・・ぎぎぎぎぎ・・・・・」
まりさが、思いっきり踏ん張ってゴム紐を引っ張る。
踏ん張り過ぎて、目玉が今にも飛び出しそうだ。
「がんしっぷがきたよー!はやくしてねー!わからないよー!?」
どうやら、ゆないぱー部隊の動きを察知して、
ガンシップが1グループ向かってきたようだ。
「あづいよぉぉー!?!?わがらないよぉぉ!?」
根性焼きビームの斉射を受け、火傷を負わされたちぇんが、必死に辺りを逃げ回る。
一方のまりさは、
「ゆっ・・・ぎっ・・・・ぎぃっ・・・・!」
ゴム紐を引くのに必死で、ガンシップの接近に気づいていないようだ。
無防備なまりさのお尻に向かって根性焼きビームが発射される。
「ゆっぎぃぃぃぃっ!?!?」
根性焼きビームの熱さに、まりさが思わず飛び上がる。
しかし、固く食い縛り続けていた歯は、ガチンと閉じてゴム紐を咥えたままだった。
ビュン!!
まりさの足が地面を離れた事で、支えを失ったゴム紐が、
元の長さまで戻ろうと勢いよく縮まる。
ゴム紐を咥えているまりさごと。
「ゆ゛ぐべっ!?!?」
「わがらんっ!?!?」
顔面からY字型の枝に激突し、まりさは中央から三分割にされた。
そして、上まりさ、右下まりさ、左下まりさの三つに分かれた内の、
上まりさが正面に向かって物凄い勢いでふっ飛び、
逃げ回っていたちぇんに運良く激突。ちぇんの上半分も吹っ飛ばされた。
「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」「ゆ゛びっ・・・・・ゆ゛っ・・・」
「わがっ・・・・・だない・・・・」
地面に残された、右下まりさ、左下まりさ、下ちぇんの三匹が
仲良く断末魔の声を上げた。
+------+
|再出撃 |
|退却 |
+------+
====================================
最終更新:2022年05月03日 20:34