「ただいま」
私の名前はA。独身で一人暮らしである。
今までは「ただいま」なんて挨拶は6畳半の狭い部屋の暗闇に溶けるように消えていったが、最近は違った。

「おにいさん、おかえりなさい!!ゆっくりしていってね!!」

最近、ゆっくりれいむを拾ったのだ。
巷では「ウザイ」やら「害虫」やら「腐れ餡子」なんていう不名誉な称号を得ているが、
親元を離れ10年近く一人暮らしをしている私にとって話しかければ返事をしてくれるゆっくりは精神的な癒しになっていた。

しかし、最近ゆっくりの態度が多少変わってきた。


「おにいさん、おなかへったよ。ゆっくりしないでごはんもってきてね!!」

(おまえ、さっきゆっくりしていってね!!っていったばかりじゃん・・・。)

拾ったばっかりのゆっくりがお腹が減ったときはちこっちを見て餌をほしそうな目でちらちらこっちを見たり、
「ゆ、ゆ、おにいさん!!おなかへらない?ゆっくりごはんをたべようよ!!」やら要求の仕方にもまだまだ可愛げあったのだが・・・。

そんな事を考えながらに餌をもらえるのが当たり前という風に踏ん反り返っているゆっくりを見ていると、なんだか虐めたくなってきた。
まぁゆっくりの気持ちはわかる、朝に餌をやってから夜まで餌を与えていないわけだからお腹はかなり減っているだろう。
部屋を荒らして餌を探した後もないし、こいつは他のゆっくりに比べて頭がいいと思う。
しかしこういったゆっくりの生意気な姿を見ると虐めたくなるのは、人の性・・・いやゆっくりの運命に違いない。
それに、これ以上調子付かせると自分の家宣言やらで本格的に霊長類の偉大さをその餡子に刻み込みたくなるので早期にしつけておくべきだろう。

そう考えると私は早速夕食の準備に取りかかる為に台所に向かった。
そうすると早速ゆっくりが
「ゆっくりしないでごはんをつくってね!!」
と私をせかす。
普段ならどうということもないその台詞もいまは私の嗜虐心を増長することしかしない。
いつもならここで私は
「わかったわかった、ゆっくり待ってろよ。」とか返事をするのだが、今回私はその呼びかけを無視した。
そうするとゆっくりはどうも私に声が聞こえってないと判断したようで更に大きな声で
「ゆっくり!!!ごはんをつくってね!!!」
と胸(?)をそらしながら言った。ここでも私が無視するとゆっくりはさすがにおかしいと思ったらしく、
「ゆ、ゆっくりごはんをもってきてね。」と言い換え、媚を売るような目で私を見つめてきた。
当たり前のように私はそれを無視すると夕食を作り始めた。
ゆっくりは私に無視されていることに気づいたらしく
「な゛ん で む じ ず る゛の゛おぉぉぉ!!」
と泣き始め私に突進してきた。
ぼよんぼよん、と有効打には程遠い効果音を鳴らしながら、ゆっくりは私に体当たりを繰り返す。
「む゛し゛ち゛ない゛て゛え゛ぇぇぇぇ」
もうゆっくりの顔は涙やらの体液でぐしょぐしょになっていた。
私は背筋にゾクゾクとしたものが走るのを感じ、この後どうやってゆっくりを虐めるか思考を巡らせた。
ゆっくりのしつけという建前はこの時点で完璧に私の頭の中から消え去った事をここに宣言しておこう。

その後ゆっくりは泣き疲れたのかこれ以上泣いても無駄だと悟ったのか部屋の隅で寝てしまった。
私はその間にゆっくりを透明な箱の中に入れ、更に外に行って「小道具」を探しにいった。
最近「それ」は幻想卿でやたらむやみ増えているので簡単に捕まえることが出来た。
そして箱の前に餌を置いてゆっくりを起こした。
「ゆっくり、ご飯の時間だよ」
「ゆ・・・?ゆ!!」
今日のゆっくりの餌はそれなりに豪勢だ。腐りかけた肉を焼いたものとくず野菜だ。
特に肉が出る日は少なく、ゆっくりは先ほどのことなど忘れた様子で餌に飛びつこうとした。
「ゆ、ゆっくりたべよう・・ね゛!!」
ゆっくりは餌と自分を遮る板にぶつかり「ゆ゛っゆ゛っ!?」と情けない声を出して跳ね返った。
ゆっくりの弾性が高すぎたためかしばらく箱のなでバウンドして「ゆっ!!ゆっ!?」と情けない声を上げていた。

そこではじめてゆっくりは自分が箱の中に居るということに気づいたのである。
「おにいさん!!ここじゃゆっくりできないよ!ゆっくりだしていってね!」
その呼び声を無視して私は「小道具」を部屋ゆっくりれいむの前にだした。
「それ」はふてぶてしくも私の部屋を見渡して
「とかいはありすにはにあわないいなかくさいいえだけど、ゆっくりしていくわよ!!」
とほざきやがった。
そう私はゆっくりれいむが寝ている間に他のゆっくり種を捕まえにいったのだ。
「ゆっくりしていってね!!」とゆっくりれいむは条件反射のように答えた。
そんなゆっくりれいむを無視してゆっくりありすはゆっくりれいむの前にある餌に目をつけ、
「このとかいはなでぃなーはとかいはのありすのごはんよ!!」といって餌を食べ始めてしまった。
都会派どころかその餌腐ってんだけどなぁ・・・。
当然ゆっくりれいむはゆっくりありすに抗議。
「そのごはんはれいむのごはんだよ!ゆっくりたべるのやめてってね!!」
と抗議した。しかしありすはそんなこと無視して
「うっめ!!めっちゃうめ!!」とがつがつ食べてしまった
「や゛め゛て゛え゛ぇぇぇぇ、れ゛い゛む゛のごばん゛だべな゛い゛でぇぇぇ!!!」
そんなゆっくりれいむのなきごえを他所にゆっくりありすは餌を全て食べてしまった。
そしてゆっくりありすは

「とかいはのありすのくちにはあわなかったからつぎはもっととかいはなでぃなーをよういしてね!!」
と俺に向かってほざきやがりました。つか都会派なディナーってどんなやねん。

自分の餌を食べられたれいむは
「あ゛あ゛ぁぁぁぁて゛い゛ふ゛のこ゛は゛ん゛がぁぁぁ!!!」
と泣き叫んでいる。
(あーあやばいやばいよー俺の中で何かが目覚めるよー)

おれは自分の中のSやらMやらの部分が激しく励起して今にも電子を放出しそうな、そんな未知の興奮を感じていた。
そして私はゆっくりれいむの泣き顔を見ながら飯でも食うかと思っていた時、ゆっくりありすから
「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」という泣き声が聞こえた。
まさかと思ってそちらのほうを見ると

「て゛いむ!!わたしのごを゛う゛んて゛ぇぇぇ!!」

とありすの求愛のダンス(?)が展開されていた。
なんか視界の端で揺れてると思ったらこいつ発情してやがったのか。
つか腹が膨れたら即交尾かよ・・・。

そしてゆっくりありすはゆっくりれいむに飛び掛かりこすりながら絡んでいる。
正確には箱にだが。
「や゛ぁへ゛て゛ぇぇぇ!!ゆ゛っく゛り゛やへ゛て゛って゛ぇぇぇ!!!!」
「れいむぅ!て゛ぃふ゛ぅぅぅぅ!!!ぎもでぃい゛い゛よぉぉぉ!!」

透明の箱は丈夫で人の手でも壊すのが難しいくらいなのでゆっくりありすごときではびくともしないのだが、
中に入っているゆっくりれいむには当然そんなことはわからずいつこの箱が壊れるのかありすが襲ってくるのかと半狂乱になって叫んでいた。

「あ゛ぁぁぁぁ!!ゆ゛くし゛て゛き゛な゛い゛よ゛ぉぉぉぉ!!!」
「い゛く゛!!あ゛りずの゛か゛て゛るぅぅぅぅ!!!」

どうやらありすは箱相手にイクようだ。あほだなぁ


「ゆ゛ぅぅぅぅ!!!お゛に゛い゛さ゛んた゛す゛け゛て゛ぇぇぇぇ!!!!!」

	パン
	
「ゆ・・・?ゆぅ?」

ゆっくりありすは壁に衝突してぐしゃぐしゃになって絶命していた。
おそらく私の拳を受けたんだろう。私の手の甲にカスタードがついている。

うわ、カスタードが飛び散ってる。

ゆっくりれいむは一瞬何が起きたか理解できなかったようだが、徐々に状況を理解したようで

「お、おにいさん。れいむをたすけてくれたの?」
と言った。
その問いに答える代わりに私はゆっくりれいむを箱から出して抱き上げた。
そしてわたしはゆっくりれいむにむかって

「ゆっくり飯でも食うか。」

と言った。
そうするとゆっくりれいむは満面の笑みで決まり文句を言った。

「うん!!いっしょにゆっくりしてこうね!!」


fin

歴史というのは己が切り開いてきた道のことを言う。
例えそれが漆黒の道を切り開いて作ったものであるとしても何を恥じる必要があろうか。
※異訳・・・またひとつ黒歴史が誕生しましたとさ

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最終更新:2022年05月19日 15:19