びりやーど。外界から伝わった遊びで棒で玉を突いて穴に落とす競技らしい。
本来は色々と細かなルールがあるのだが、ここは幻想郷。無法が法、無秩序が秩序の世界である。
ルールは極限まで簡略化され、「とにかく穴に落とす」ことを目的とした競技になっている。
手球は落としたら落としたで、後はもう適当。どのボールでも良いから適当に撃ってポケットに落とせば良いのだ。
また、交代に関しても一球ごとの交代となっている。そうしなければ一部の異能者や天才の独壇場になってしまうからだ。
当然、マナーも無茶苦茶。台の上に酒瓶は置いたり、それでもお構いなしに球を突いて弾みで酒瓶を割るなんてことは当たり前。
しかし、何より特筆すべきは・・・ボールに『ゆっくり』を用いていることだろう。

一箇所に15匹ほど集められたゆっくりたち。れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー・・・種類は様々だが、全員に共通していることは幼いということと、それぞれ額に1~15の数字が刻印されていること。
そして全員地面に設置する部分が焼かれた上にその部分にオイルを塗られていて、自力で移動することができないことくらいだろう。
それから、少し離れた場所にゆっくりれいむが1匹。額の数字こそ無いもののこのれいむも他のゆっくりと同様に自力で動けないように“処理”されていた。
実はこのれいむとさっきの15匹全員兄妹だったりするのだが、その辺の経緯は後々話すことにする。
更にその向こう側には爽やかイケメン風のお兄さんがキューと呼ばれる細い棒を構えている。勘の鋭いゆっくりはこの時点で身の危険を察知する。
が、先ほど述べた“処理”に加えて、床が恐ろしく滑りやすくなっているのでかわすことなどままならない。

ブレイクショット。台上の四方八方に散った幼いゆっくりたちの最期の時間が始まった。

  • 虐待お兄さん1回目
「ゆうううううううううう!!いだいよーーーー!!!」
突然、後頭部を突かれた痛みと、仲間の一群に激突した痛みにわれお忘れて泣き喚くのは数字の入っていない子れいむ。
しかし、テーブルを取り囲む人間たちは泣く暇を与えてはくれない。先ほどのお兄さんが再びれいむの後頭部に突きを見舞う。
「ゆぎゃ!?」
勢い良く弾き飛ばされた無印れいむは額に3と刻印されたまりさの左頬に激突すると、徐々に減速して、壁際で停止した。
「ゆぐううううう!なに゛ずるのおおおおおおお!?」
悲鳴を上げながら、お兄さんをにらみつけるれいむ。しかし、彼はれいむのほうを見てはいなかった。
彼の視線の先にいるのは3と刻印されたまりさ。つまり、さきほど無印れいむの運動エネルギーの何割かを受け取ったゆっくりだ。
まりさもまたブレイクショットの衝撃から立ち直らないうちにれいむと激突した痛みから泣き叫んでいた。
泣き叫びながらもゆっくりと滑りやすい床の上をオイルに助けられて滑り続け、壁に激突する。
「ゆぐっ!いだい、いだいよおおおお!!」
激突したことで進行方向を変えるも、やはり滑り続ける。その進行方向の先にはぽっかりと奈落が空いている。
「それじゃ、さようなら♪」
その声の主は笑顔で手を振っていた。
奈落に到達するとすぐさま重力に捕らえられて落下するまりさ。

自由落下の終着点では、おびただしい数のムカデが腹をすかせて待っていた。
体中にたかるムカデの大群。その数およそ7匹。たかりきれずにまりさの周りで様子を伺うもの21匹。
ムカデは我先にとやわらかい頬を食いちぎり、目玉に爪を立てる。またあるものは口から体内へ侵入して、内側の餡子を食いあさる。
「いだあああああああああいいいいいい!!ゆっぐりやめでええええええ!!」
まりさは必死で命乞いをするがムカデに人語が理解できるはずも無く、お構いなしにまりさを食いつづける。
「いや゛あああああああああああ!!」
目がムカデの逞しい足に突き破られ悶絶するまりさ。しかし、その程度のことででムカデは手を緩めない。
「これじゃゆっぐりでぎないよ!!」
やがて、内側の餡子の半分以上を食いあさられたまりさの意識は永遠の闇の中へと落ちて言った。

  • ?????1回目
「いや゛ああああああ!!!まりざはおいぢぐないよおおおお!!!」
奈落の底から聞こえてくる必死の絶叫の音色に酔いしれながら、小柄な年若い少女がテーブルの前に立つ。
一方、その奈落の底からの悲鳴に怯え震え長柄助けを求めることしかできない子ゆっくりたち。
「「いやああああ!!だしゅげてええええええ!!」」
「「「ごれぢゃゆっぐりでぎないよおおおおおおおおお!!」」」
口々に泣き喚いている。しかし、1匹だけ例外がいた。額に8と刻印されたゆっくりぱちゅりーだけは静かにテーブルの前の少女を見つめていた。
「ねえ、きれいなおねえさん?」
意を決して少女に話しかける。頭に花飾りをつけた可憐な少女。彼女の慈悲。それだけがゆっくりたちにとっての一本の蜘蛛の糸。
ぱちゅりーは知っていた。人間は男性より女性のほうが可愛いものを好むことを。そして、自分が比較的ペットとして人気の高い種であることを。
そう、自分が、愛嬌たっぷりに、かつ哀れっぽく、そして相手をおだてつつ命乞いをすれば何とかなるかもしれない・・・。
「なあに、おだんごさん?」
ぱちゅりーの呼びかけに笑顔で応じる少女。手ごたえはあった、そう思った直後・・・
少女が手にしていたキューがぱちゅりーを貫いていた。
あまりに突然のことで悲鳴を上げる暇さえなかったであろうぱちゅりーの死体をキューから外し、投げ捨てる。
「ごめんなさい。私、あなたみたいな小賢しい団子が大っ嫌いなの」
適当な椅子に腰掛け、キューの汚れを落とす少女の顔には先ほどと寸分たがわぬ笑顔が張り付いていた。

  • ???????1回目
「いやだあああああああああああ!!!しにだぐないいいいいいい!!」
人間ならばどう足掻いても無駄だと確信し、泣くことさえもやめるかもしれない絶望の中でもゆっくりたちは叫び続ける。
しかし、それは無知だからではない。自分たちにとって最後の望みとでも言うべき存在の助けを求めているのだ。
「おがああああああさああああああああああああん!!」
そう、子ゆっくりたちにとっての最後の希望とは母親のこと。もっとも、「お母さんなら何とかしてくれる」というのは幼い幻想に過ぎないのだが。
そんな声の響き渡る中、テーブルの前に、いや上に立つ3人目のプレイヤー。下膨れの顔のてっぺんに赤いリボン。そして胴体と呼べるものが存在しない。
そう、3人目のプレイヤーはゆっくりれいむだった。
「お、おかあしゃん!!」
「ありすたちをゆっくりたすけてね!わるいにんげんをやっつけてね!!」
しかし、子どもたちの言葉には耳を貸さず、お兄さんからキューを受け取ると口に咥えて無印れいむに狙いを定める。
「ゆ!?おかあさん、なにしているの!!」
「ゆっくりやめてね!!」
いや、耳を貸していないわけではない。現に母れいむは泣いている。
「君から見て、一番奥の右のポケットに入った子どもは死なずにすむよ」
お兄さんはそんな母の涙なんて何処吹く風。淡々と“安全なポケット”の場所を教える。
「おがああああさあああああああん!!びどいよおおおおお!!」
「いや゛ーーーー!!まりさたちをいじめないでええええええええ!!」
人間とやり合っても勝てるはずがないからこそ、望みをつなげるこの勝負を受けたのだが。母の心子知らずとはまさにこのことだろう。
そんな子の叫びに涙を流しながら、母れいむはできるだけ優しく無印れいむの額を突いた。
「ゆぐ!?」
またしてもゆっくりと滑り出す子れいむ。一直線に安全なポケットへ・・・行けばよかったのだが、直線上に2匹のゆっくりがいた。
額に5と刻印されたれいむと9と刻印されたありす。無印れいむは2匹の頬にぶつかりエネルギーを託すと、すぐに動くを止めた。
9番のありすは手近な壁に激突し、方向を変えるとそのまましばらく滑ってポケットの手前で静止した。
しかし、悲惨だったのは5番のれいむだろう。母れいむから見て一番奥の左のポケットに見事に吸い込まれていった。
「あ~あ、惜しかったね~?」
そのれいむが奈落へ消え行くのを確認したお兄さんは「そっちはだべええええええええええええ!」と絶叫する母れいむの頭をなでながら呟いた。
「あそこは確か・・・そうそう、熱湯プールだ」

れいむは気がつくと熱湯の中にいた。
「う・・・?あばばば!?」
熱い!痛い!体が溶ける!!
「あぶっ・・・!?」
助けを呼ぼうにも水が口に入ってそれすらままならない。
でも熱い!けれど叫べば水が中に入ってくる!
抵抗することすらままならない恐怖と抵抗せずに入られない痛みの中でれいむは自分の体がふやけ、剥がれ落ちていくのを見た。
水面へとゆっくり上昇していく肉片・・・それがれいむの最後に見た景色だった。

  • 虐待お兄さん2回目
「さて、次はどの子をどこに落とそうかな?」
わが子の死に、悲鳴に、己の無力に涙を流す母を尻目に虐待お兄さんは出所不明のハイスペックをフル稼働させる。
直後、一見するとあまりにぞんざいな突きを無印れいむめがけて放った。ぞんざい?なるほど確かに凡人の目にはそう映るかもしれない。
れいむは相当な速度で壁にぶつかり方向転換すると、12番と刻印された子まりさの頬をかすめ、再び軌道を変えると同時に12番のまりさを弾く。
弾かれた12番のまりさはまだ誰も入ったことの無い奈落へとまっすぐに吸い込まれていった。
一方の無印れいむが更に滑っていった先には4番と刻印されたゆっくりれいむ。れいむ同士、正面から激しく激突すると、双方ともに勢いよく弾かれた。
4番れいむは滑り続け、1番と刻印されたありすを奈落の寸前へ弾き飛ばしながらもゆっくりと進んでいく。その向かう先は奈落・・・ではなくその付近の壁。
助かった・・・そう思った瞬間に絶望が訪れる。先ほど自分と激突した無印れいむが再び自分にぶつかってきたのだ。
わずかに歪む軌道。そのわずかが、4番に死をもたらした。
更に勢いの止まらない無印れいむは壁にバウンドし、先ほど4番れいむに弾かれた1番のありすにぶつかると、ようやく動きを止めた。
つまり、奈落の手前で命からがら踏みとどまっていたありすにエネルギーを分け与えたのだ。
一瞬の安堵は愚かな妄想に過ぎない。そんな現実をまざまざと見せ付けられたありすは全てに絶望しきったような表情で先に何が待ち受けるかも分からない奈落へ落ちていった。

結論から言えば4番れいむは幸運だったと言える。奈落のそこにあったものが一瞬の激痛だったからだ。
加工所で使用されるゆっくり分解機が、唸り声を上げながら瞬く間に4番れいむを切り刻んだ。
「ゆぐっ!?ゆぎゃっ!?」
断末魔とさえ呼べないような短い悲鳴を残して、れいむと呼ばれていたものは消えてなくなった。

一方、悲惨だったのは12番まりさと1番ありすだろう。
まず、12番まりさの落ちた先にいたのは虐待お兄さんの調教によってゆっくりのみを食するようになったゆっくりの群れ(ただし群れ内での共食いはしない)。
一瞬、仲間を見つけて安堵したまりさに怒涛の如く押し寄せ、蹂躙し、貪り食らう。
まずは柔らかい特に頬を喰いちぎられ、痛みで飛び跳ねそうになるがすう日気がかりで押さえつけられてい身じろき一つままならない。
「ゆっくりやめてね!いたいよ!まりさはおいしぐないよ!!」
それでも必死に抵抗するが数が違いすぎる。心の片隅に芽生えた助かるかもしれないという希望はあまりにもたやすく刈り取られた。
「うっめ!めっさうめぇ!」
「ぱねぇ!まじぱねえよ!」
ゆっくりの一群は口々にその味を称えながらまりさと呼ばれていたものをこの世界から消し去っていった。

そして1番のありすが落ちた先には・・・現在進行形で発情させられていた大人のゆっくりアリスが4匹。
自分のいる透明な箱の部屋を中心に東西南北に1匹ずつ配置されている。箱と箱を隔てる壁は取り外し可能になっているらしい。
ありすが状況を理解した直後、北の部屋との仕切りが持ち上がり、部屋がつながる。
振動を与えられては絶頂に達する寸前で何度も何度も止められて、酷くフラストレーションがたまっていたありすは目を血走らせて幼いありすに飛び掛った。
「あありずううううう!!!どがいはでがわいいよおおおおおおおお!!!」
発情したありすには全くと言っていいほど見境がない。普段はまりさ種のみを好むのだが、こうなってしまうと見かけたゆっくりを反射的にレイプするだけの存在になってしまう。
「ゆ!おねえさん、こわいわよ!?ゆっくりできないいなかもののありすは「そんなづんででもがわいいよおおおおおおお!!!!!」
もう一度言おう。発情したアリスに見境はない。幼いありすの話など一切耳を貸さずに全力でのしかかり、体を揺らし始めた。
「ゆっゆっゆっゆ!?いやあああ!ありずははじめてはまりざが「いやがるあるずもがわいいよおおおおおおおお!!!」
まさしく問答無用。体中からあふれ出す粘液を幼いありすの皮に容赦なく塗りたくり、舌で激しく愛撫し、執拗な振動で強引に快感を与え続ける。
いや、それは快感などではない。ただの中毒性ののある刺激。一度覚えてしまえばそれに溺れ狂ってしまうだけの麻薬。
「ぞんなごどいってええええ!!びんびんがじんじでるじゃないいいいい!!」
「が、がんじでなんが・・・いないわよおおおお!!!いや、ありしゅいぎだぐないいいい!!!」
微塵の愛情も伴わないそれが強姦された苦痛とともにありすの身も心も蝕んでいった。
「ああ、あああああああ!!もっど、おねえざん、もっどおおおおおおおおお!!!!」
「いいよおおおおおお!!!でれありずがわいいよおおおおおおお!!もっどがわいがってあげるううううううう!!」
やがて、ありすは堕ちた。その行為が幼い自分にとって致命的なものであるとも知らずに。

  • AQN様2回目
「えいやっ!!」
お兄さんと入れ替わりざまに放たれる必殺の突き。
どう見ても殺す気満々。というか、彼女は競技の内容を理解しているのだろうか?
今度は無印れいむを貫通し、またしても一瞬で息の根を止めた。
「・・・脆すぎるわ」
そう吐き捨てると、またしてもキューにへばりついた死体を放り捨てた。
散々突かれ、弾かれ、壁にぶつかっては家族を奈落へ突き落とさせられて、自責の念に駆られ続けた無印れいむ挙句の結末はあまりにもあっけなかった。

  • 母ゆっくりれいむ2回目
無印のれいむが死亡したことでルールが変更され、誰でも良いから突いて落とすだけで良くなった。
狙うは9番の子ありす。先ほど無印れいむに弾かれたときに運よく死なない奈落の前で止まっていた。
何とか1匹でも多く助けたい。そう願う母は優しく9番のありすをお兄さんが安全だと言ったポケットへ突き落とした。

結局、母れいむは9番のありすしか助けられなかった。それとも、1匹は助けられたと考えるべきか。
安全なポケットに落とされた子どもが待つ部屋へと案内された母れいむは恐る恐る暗い部屋を進んでいく。
もしかしたらあの人間は嘘をついているかもしれない。そんな不安を必死に否定しながらゆっくりゆっくり奥へと進んでいく。
「ゆっゆっゆっゆっゆ・・・」
すると、奥から断続的にどこかで聞いたことのある声が響いてきた。きっと9番ありすのものだろう。
わが子の無事を確認した母はゆっくりとした慎重な歩みから一転して、跳ねるような軽やかな足取りでわが子の元へ駆けつける。
この施設を出たら森に帰ろう。少しでも大きな家を見つけてそこでゆっくりしよう。つらい思いをしたわが子を今度こそちゃんと守ってあげよう。
そんな温かい夢想しながらありすの元へたどり着いたれいむは、案の定残酷な現実を突きつけられることになった。

ありすは確かに生きていた。瀕死の重傷を負っているような様子もなく、喋れるし、歩けないなりにも一応動くことはできた。
しかし、心が壊されてしまっていた。
ありすの足元に置かれた奇妙な装置は幼い体に強烈な快楽を刻みつけんと激しく振動していた。
「ゆっゆっゆっゆ・・・ああああああ!!いいよおおおおおおおおおお!!」
そして周囲に置かれた美味しそうな餌には疲れを忘れさせる薬品とともに、快感を覚えさせ、性欲を旺盛にする薬が盛られていた。
「ずごいいい!しゅごいいいいいいいいいいいいいい!!!」
微塵の理性も感じさせない表情で喘ぎ狂うありす。その表情を見ればもはや戻ってくることがないのは一目瞭然。
「ひぃ・・・!はひぃ・・・!!もっど、もっどおおおおおおおお!!」
特に性的快楽に弱いありすだ。もし、この装置のから下ろせばあっという間に快感を奪われた苦痛にもがき苦しむことになるだろう。
人間で言うところの重度の薬物中毒のようなものであり、このありすはもはや廃人、いや廃ゆっくりとなってしまっていた。
母ゆっくりは一瞬でも振動を与えるのを止めてしまえばありすが地獄の苦しみを味わうことをゆっくりにしてはなまじ利口な頭でゆっくり理解し、たった1匹生き残った子どもを置いてその場を後にした。





-----あとがき?-----
今回のコンセプトはとにかくゆっくりで玉突き。
もっと想像力&文章力のある人ならば各子ゆっくりたちの凄惨な結末を緻密に、丹念に
自分なんかでは及びも突かないような濃度の虐待っぷりで描けるんでしょうが、自分にはこれが限界でした。
まあ、重要なのはとにかくゆっくりビリヤードをとりあえず形にしたことだ!
と、言い訳させていただきます。

byゆっくりボールマン

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2022年04月15日 23:30