野郎一人でわびしい暮らしをしていると時々思うことがある。彼女とか家族のいる奴は死ねば良いのに。
「ゆ?ここはまりさのおうちだよ!」
で、その時々の不機嫌な日に限ってクソ忌々しい追い討ち。泣きっ面に蜂とはまさにこの事だ。
我が家にゆっくりが侵入してやがるとは・・・。しかも、一番傲慢で鬱陶しいまりさ種。
「ここはまりさのおうちだから、ゆっく、ゆげら!?」
「そぉい!!」
お前が次に口にする台詞は分かっている。「ゆっくりでていってね!」だ。
しかし、「お前は次に~と言う」なんて矢ってやれるほど俺は親切じゃあ、断じてない!
昼間に仕事中にいちゃつくバカップルを見てからずっと感じていた怒りにまかせて、奇声とともにゆっくりまりさの顔面に渾身の力を込めた蹴りとばす。
「ゆぐうううううううううううううう!!?」
強烈な先制攻撃はまりさの顔面をへこませると、開きっぱなしの窓から屋外へと吹っ飛んでいった。
そして、まりさは叫び声をあげながら宙を舞い、そして叩きつけられた。
「いだいよおおおおおお!!」
着地してもなお止まらない勢いのままに転がりながらも泣き喚く。
だが、その隙にも俺はまりさとの距離を詰めていく。
「おじざん、な、ゆぐっ!?」
体中に擦り傷を作りながらも何とか止まり、ようやく体勢を立て直すと、俺に抗議しようとした。
だがそんなことをさせるつもりは無い。
まりさを追うように窓から飛び出した俺は着地と同時にコンクリートブロック3枚を粉砕できそうな強烈な下段突きをお見舞いする。
「ずおりゃあああああああああああ!!」
「ゆ゛べっ!!?」
しかし、顔面を貫通させるような愚は犯さない。内側と外側に最大限のダメージを与えつつも、決して殺さない・・・そういう一撃だ。
その一撃でまりさの顔の中心付近が陥没し、同時に右の目玉が弾け飛んだ。
勢いよく叩きつけた直後に素早く拳を引くと、突きの衝撃がよほど大きかったのかまりさはそのまま70cmほど跳ね上がった。
「ゆぐがっ?!?!」
わずかな滞空時間を見逃さず、地面からまりさまでの空間に足をいれて、軽く背中を蹴り上げる。
「ゆぎゃあああああああああ!!だがいよおおおおおおお!!」
70cmの跳躍があっという間に3mを越えるにも及ぶ大ジャンプへと早変わり。
そのときのまりさの表情は陥没し、空洞ができ、擦り傷だからけの上に引きつりまくっていてもはやゆっくりとは思えないほどの代物だった。
それでも、いつもよりはマシかもしれないけどな。
しばらく上昇を続けていたが、やがて頂点に達すると重力にからめとられてゆっくりとは言いがたい速度で落ち始める。
「これじゃゆっぐりでぎないよ!!」
断末魔にも似た言葉を残し、地面との衝突の衝撃に耐えようと目をきつく瞑り食いしばるまりさ。
「・・・ゆっ!?」
しかし、その衝撃はやってこなかった。何故って?そりゃあ、俺が抱きとめたからさ。
「ゆ・・・ぅ?」
その感触に気づいて、まりさは恐る恐る左の目を開ける。
そして、俺と左の目が合った瞬間・・・
「・・・おじさん、ゆっくりあゆうううぅぅぅぅうううう!!?」
口を開いたまりさの後頭部を力強くつかんで、小学校なんかでやったバケツを使った遠心力の実験みたいに振り回す。
「ゆううううええええうううううううう!!?」
ぶんぶんと振り回されうのが気持ち悪いらしく、不快そうな声を垂れながしつつ、基地から餡子を垂れ流してやがる。
こいつらに感謝するなんて殊勝な思考が無いのは先刻承知済み。
どうせ「おじさん、あやまってよね!」とか抜かすつもりだったんだろう。
「うらうらうらうらうら!!!」
「ゆう゛ぉあああああ゛あああ゛あ゛ああ゛!!?」
そんなことを考えると、まりさを振り回す勢いが加速した。
10秒ほど振り回して十分に勢いがついたところで下投げで地面に対して水平方向にぶん投げてやった。
右の空洞と口から餡子を撒き散らしながら少しの間低空飛行を続けたまりさは、地面に軟着陸をした。
「ゆっ!がっ!?ゆぐぅううううう!!?」
手も足も無い体ではやはり受身など取れるはずも無く、20メートルほど無様に転がる痛々しい軟着陸の後で木にぶつかり・・・
「ゆぎぃっ!?ゆうう・・・」
せっかく1つだけ残った大事な左の目玉を落とすと、今来た道を逆走し始めた。
4mほど転がってそろそろ止まるかという頃合いを見計らって、今度はまりさをつま先を引っ掛けるようにして蹴り上げる。
「ボールは友達!」
「ゆぬっ・・・!?」
すると、ちょうど俺の額より15cmほど高い場所まで浮き上がる。ちゃ~んす!
「よっ!」
「ゆゆっ!?」
すかさずバレーボールのトスの要領でさっき激突した木の枝めがけてまりさを放り上げる。
しかし、残念ながら1回目のトスでは引っかかってくれなかった。
「ゆっ!ぎゃ!?ゆぎぎ・・・!」
枝に顔をぶつけ、幹で体をすりながら、また俺の頭上に落ちてくる。
「おかえり!」
「ゆうううう!?」
仕方ないので落ちてきたところを再びトス。切なげな声を上げて再びまりさが宙を舞う。
すると、今度は木のかなり高いところの枝に見事に着地した。
見上げてみるとまりさは満身創痍のグロッキー状態だった。両目はすでに無く、顔はへこみ、あるいはあり得ないほどに腫れ上がり、体中のいたるところに擦り傷ができていた。
「しかたないな・・・」
俺は手近な石を掴むと、温かい目でまりさが意識を取り戻すのを待つことにした。
「ゆぅぅううう?ゆ!?くらいよ、なにもみえないよ!!これじゃゆっくりできないよ!!」
と、漆黒の恐怖に怯え始めた。しばらくこの様子を見守っていても良いのだが、生憎と夕飯の準備がある。
「左手は添えるだけ」
ということで、さっさと石を投げつけて木の枝から落としてやった。
「ゆ!?ゆっくりしたかったのにいいいいいいいい!!」
そんなゆっくりらしからぬ、それでいてあまりにもゆっくりらしい断末魔を残して、不細工なゆっくりまりさは今度こそ地に叩きつけられ・・・飛び散った。


-----あとがき?-----

今回の虐待はシンプルさを重視してみました。
とにかく問答無用で殴り、投げ、蹴り飛ばすだけの作品です。
とにかくスピード感を重視したかったのですが、それにしては文章が硬すぎ。
こんなものですが、楽しんでいただければ幸いです。

byゆっくりボールマン

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2022年04月15日 23:31