「ゆっきゅち~♪」
「まりさみてる?ゆっくりしたこだよ~」
人通りの少ない草原でゆっくりしている1組の親子。
親は若干小柄なゆっくりれいむで、子はまだ赤ん坊サイズのゆっくりまりさ1匹だけ。もう片方の親はすでに天国でゆっくりしているらしい。
「ゆ~!ゆっきゅち~!」
満面の笑みを浮かべて、さっき摘んだ一輪の花を赤まりさは母れいむの目の前に差し出す。
「ゆ!きれいなおはなだね!」
そう言って、母れいむも赤まりさに微笑み返す。
パートナーも他の子ども達も死んでしまったけれど、2匹は幸せに満ちた生活を送っていた。
「ゆぅ?ゆ~ゆ~!」
突然、赤まりさが母れいむに軽く体当たりをして注意を促す。
「ゆ!どうしたの?」
「ゆーっ!」
赤まりさの視線の先を見ると、そこには1匹のかなり大きなゆっくりれいむが居た。
そのれいむはおもむろに母子のもとに駆け寄ってくるとこう言い放った。
「ゆ!そのあかちゃんはれいむのあかちゃんだよ!」
「ゆ!?なにいってるの?このこはれいむのあかちゃんだよ!」
「ゆ、ゆぅ~!?」
突然の事態に困惑している赤まりさを尻目に2匹のれいむは口論を始める。
「ちがうよ!このこはれいむのあかちゃんだよ!」
「なにいってるの?このこはれいむのあかちゃんだよ!」
すると、どこからか口論を聞いた人間がやってきました。
「なんだ、ゆっくりか。どうかしたのか?」
「「ゆ!おにいさん、きいてよ!このこがれいむのあかちゃんをとろうとするんだよ!」」
見事にハモった2匹は、言い終えるなり再びギャーギャーと口論を再開した。
「なるほど。だったら良い方法があるよ」
お兄さんは2匹の間の割ってはいるとこんな提案をした。
「この赤ちゃんまりさを君たち2匹でひっぱり合ってくれないか?それで、自分のほうに引っ張れた方がこの子の親になるんだ」
「ゆ!そんなことしなくてもれいむはまりさのおやだよ!」
「ゆっきゅち~!」
「待て待て。じゃあ、君より大分大きいそっちのれいむが暴力に訴えてきたらどうするんだ?」
「ゆ!・・・そ、それは・・・」
「この勝負をするなら君が勝った場合、お兄さんが偽者の親にお仕置きしてあげるから赤ちゃんを無理やり奪われることはない。どうする?」
「ゆ~・・・ゆっくりりかいしたよ!おにーさん、そのしょうぶでかてばいいんだね!」
逆に言えば負けた場合には自分がお仕置きされることになるのだが、そんなことは全く頭にないらしい。
「ゆっきゅー!」
左右の頬を泣き始める赤まりさ。
「ゆー!ゆー!」
「ゆゆ!ゆー!ゆー!」
しかし、どちらも親の座をめぐっての一世一代の大勝負に挑んでいる最中なので相手にしてくれない。
「ゆぅぅぅ~!ゆううううう~!」
赤まりさの瞳からぼろぼろと涙がこぼれる。
その姿を見た母れいむは・・・自分も涙を流しながら、赤まりさを離した。
「ふむ、勝負あり!この子の親は・・・君だ!」
引っ張り合いの一部始終を見ていたお兄さんは、大れいむから赤まりさを引っぺがし、母れいむの目の前に連れてきた。
「ゆ?どういうこと?」
「自分の子どもが辛そうにしているのに平気で引っ張り続けるようなゆっくりが親のわけないだろ?」
「ゆうううう~・・・」
一時はわが子をあきらめるつもりだっただけに、お兄さんの言葉を聞いたときの喜びはひとしおだったのだろう。
目にいっぱいの涙をためながら、泣きじゃくっている赤まりさに頬ずりしようと近づいていく。
が、お兄さんは急に赤まりさを持っている手を引いた。
「ゆ?おにーさん、まりさにさわらせてね!」
「言ったよね?勝ったほうが母親だって?」
「ゆぅ!?でも、さっきれいむがおかーさんだって・・・」
「それはさっきまでの話だよ。あの勝負に負けた時点であっとにれいむがこの子の親だよ。違うかい?」
その言葉を聞いた途端、母れいむは頬をぷくぅっと膨らませてお兄さんを威嚇し始めた。
「ゆうううううう!おにーさんいじわるだよ!」
「ルールはルールだろ?で、ルール通り君もお仕置きしなくちゃいけないと思うんだ」
そう言い終るのが早いか、お兄さんは母れいむの両目をくり抜いた。
「ゆぎゃあああああああああああああああ!!」
突然の痛みに悲鳴を上げる母れいむ。
しかし、お兄さんはそんなもの全く意にも介さず、母れいむの口の端に親指をかけると、思いっきり横方向に引っ張る。
「ううううううううううう・・・うううううう・・・ううう!?」
しばらくして、ビリッという音とともに母れいむの口が裂けた。
「ゆあああああああああああああああああ・・・!」
再び悲鳴を上げる母れいむ。お兄さんは手近な石を握って、裂けた口を無理やり開くと、歯を一本一本丹念に砕き始めた。
「ゆっ!ぎっ!ゆっぐ!うっ!・・・」
そして、ものの3分ほどで母れいむの歯は一本も残さずなくなってしまった。
ついでに喫煙者だったお兄さんは持っていたライターで足の底面を丹念にあぶる。
その後、髪の毛を全部ひっこ抜き、リボンも取り上げた。
「よし、口だけ饅頭いっちょ上がり!」
「ゆ!・・・ゆーっ!」
「おーい、まりさー!これおやつだぞ!」
そう言って赤まりさをけしかけたお兄さんは、地べたに座ってのんびりと食べ終わるのを待つことにした。
口も歯もなくなった母れいむが必死に自分が母親だと訴えようとしているが、全く伝わっていない。
また、赤まりさは目の前のお菓子に夢中で、母親のことなど頭の片隅にも残っていないようだ。
「なあ、れいむ?」
「ゆ?なに、ごしゅじんさま!」
返事をしたのは大れいむ。
「今日の晩飯何にしようか?」
「れいむはあかまりさのあげまんじゅうがたべたいよ!」
---あとがき---
この作品、突っ込みどころが相当多い。
母れいむにお仕置きしているときの赤まりさの状況とか。
きっと大れいむと遊んでいたんだよ!
きっと赤まりさは単純だから飴玉の一つも貰ったら良いゆっくりだと認識したんだよ!
byゆっくりボールマン
最終更新:2022年04月16日 23:06