私はゆっくりを三匹飼っている。
結構な年をめしているゆっくりまりさと、成体と子ゆっくりの境ぐらいの、ゆっくりれいむとゆっくりありすである。
ゆっくりに詳しい人ならば察しはついていると思うが、ゆっくりまりさとゆっくりれいむは実の親子であるが、まりさとありすは餡が繋がっていない。
ありすとれいむは半分餡が繋がっている。
そう、ありすはレイパーありすに親れいむが襲われた結果生まれた子だった。

夜、夕食が終わった後私は飼っているゆっくり三匹と共にゆっくりした時間を過ごしている。
甘い物(ゆっくりに合わせて)でもつまみながらゴロゴロしてテレビを見るのだ。素晴らしき怠惰な時間。
それほど長い時間許されるわけではないが、短い間ながらもこの時間は至福の時である。ゆっくり達もこの時間は大好きなようだ。

「ゆゆ~、おにーさん、ゆっくりチャンネルをかえてねっ」

まりさが横になっている私の腰元によりかかりながら言った。ちょうど見ている番組が終わって、その後に放映される番組はあまり面白くない。
よって私はまりさに同意し、テレビのチャンネルを変えようとする。

「ありす~、リモコンとってくれ~」

私の声に顔を向けていたありすが「ゆっ?」と振り返る。
一拍置いて「ゆっくりわかったわ!」と応えてリモコンをとろうとするが、

「ゆっ? ゆっ? リモコンさんどこにあるのかしら?」

見つからないようでその場でキョロキョロしている。

「ありす、リモコンさんはしんぶんさんのうしろだよ!」

そんなありすに、うつ伏せに横になっている私の背中に乗るれいむ──ありすの姉が助け舟を出した。
れいむの言葉通り死角になっていた新聞の裏を見て、そこにあったリモコンを口に咥えてありすはリモコンを持ってきてくれた。

「はいっ、おにーさん」
「ありがと、ありす」

ありすからリモコンを受け取り、適当にチャンネルを変えていく。
特にめぼしいものはやっていないか、と思いながら変えていくと、ゆっくりを題材にしたドキュメンタリーが放映されていた。
他の人よりゆっくりに興味のある私は自然とそこでチャンネルを変える指を止め、ゆっくり達もその番組に興味を抱いたようなので、結局その番組を見ることにした。

その番組の主役は、野生のゆっくりの一家のようだった。まりさとれいむの番だ。
冒頭でなんと、れいむがが狩りに出ている間にまりさがレイパーありすの襲撃を受けた。これには私もゆっくり達も驚いた。
ゆっくりは突然の強姦現場に。私はこんな場面をゴールデンで流してよいのかという思いで。

『い゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!! やべでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』
『んほぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!! ありずのあい゛をうげどっでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!』

動物の交尾もテレビで放送しているから良いのかもな、と私が思い直していると、テレビを見ていたありすが「ぷんぷん!」と頬を膨らませていた。

「レイパーはゆっくりできないわ! とかいはじゃないわね!」

そのありすの言葉に、私もまりさもれいむも何も言わない。
ありすは自分がレイパーありすから生まれた境遇からか、いわゆる『性的なこと』に普通のゆっくりよりも強い嫌悪感を抱いていた。
特にレイパーありすは許せないらしく、昔、外に散歩に連れて行った時に見たレイパーありすの強姦現場に割って入ってレイパーありすを倒そうとした。
その現場はありすではなく私が止めた結果になったが、とにかく、ありすはレイパーが嫌いだった。

テレビはレイパーありすが好き放題すっきりし、襲われたまりさが息も絶え絶えになっているところだった。
ありすはそのままれいむとまりさの巣を出て行って、巣に弱ったまりさが残される。
れいむが狩りから帰ってきてその事実を知るのはこの二時間後らしい。編集でカットされたため見ている側としてはすぐ後に見えるが。

狩りから帰ってきたれいむは、弱っているまりさと膨らんでいるお腹で何が起こったのか察したらしく、怒り狂った。
だが怒りよりもまりさへの心配が強いのか貯蔵していたエサと飼ってきたエサを与えたり、かいがいしく看護をし始めた。

ここで場面はまた飛ぶ。今度は二日後だった。
まりさは元々病弱だったのか、はたまた襲われたダメージが酷かったのか、れいむの看護がありながら二日経ってもあまり回復はしていないようだった。
そうして、その後急に産気づいたまりさが己の命と引き換えに一つの命を生み出した。まりさの腹から生まれたのは、ゆっくりありすだった。

子ありすが生まれたと同時に息を引き取ったまりさ。テレビの中のれいむは「ばりざぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」の滂沱の涙を流していた。
うちのゆっくり達も「ゆぐっ、えぐっ」ともらい泣きをしていた。後姿のため泣き顔は見えないが。感受性の強い子達である。

さて、どうなるのかと私は思う。
れいむはどうするのか。この子ありすを育てるのか、それともレイパーの子、まりさの命を奪った子として殺すのか。はたまた捨てるか育児放棄か。

どれをとっても、正解ではないし間違いではない。レイパーありすの事件なんて珍しいことではない。
その場合の被害者となったゆっくり達も、生んだゆっくりもいただろうし、堕ろすか、堕ろす術を知らなかったら産んだ後殺したゆっくりもいるだろう。
どっちが正しいのか。それは一概には言えない。正解なんてないのかもしれない。

それでも、産んで愛情をもって育てるのは稀な方だろう。そしてこのれいむは稀な方だった。うちのまりさと同じく。
番組のれいむはまりさが命と引き換えに残した子ありすを我が子のように大切に育てた。
泣いたらあやしてやったり、エサを採ってきて食べさせたり、ゆっくり出来ない事を教えてあげたり。
ありすはそんなれいむの愛情を受けて、すくすくと育った。このまま幸せに、何事も無くすごしていければ幸いなのだろうが、そうなると番組があまり成り立たない。

案の定と言うべきか、問題が起こった。まりさがレイパーありすに襲われ、そうして生まれた子供をれいむが育てているのは、群れのゆっくり達に広まったらしい。
決して表立っては言われなかったが、陰で色々と他のゆっくり達が噂している場面がテレビに映る。
曰く、『自分のではない子を育ててゆっくり出来るのか』と。

そんな噂は、ありすの耳にも届いた。薄々感づいていたらしく、自分が育ての親であるれいむの子ではないと分かると、やっぱりといった顔をした。
ゆっくりの表情は本当に分かりやすい。

ふと、そこで私はテレビを見ているありすの後姿を見る。この番組を見て、ありすはどう思っているだろうか。
いくら思考が単純なゆっくりと言えども、私とは他の生物だ。その気持ちを完全に推し量ることは出来ない。
ただ、ありすの後姿からは私はなんの情報も読み取れなかったがので、再び視線をテレビへと移した。

番組ではCMを明けて、子ありすと親れいむが喧嘩している場面から始まった。
どうやら何処かに行こうとしているありすをれいむが必死に止めようとしているらしい。
そしてその何処か、とはありすの実の親であるレイパーありすの所らしい。

実の親に会いたい。その気持ちは分からないでもないが、それでは育ての親であるれいむが軽視されている気がした。
ありすは必死に実の親を探しに行くといい、れいむはそれを懸命に止めようとしている。行かないでくれ、と。
ゆっくりは実の親子であれば顔を見ればすぐに相手がそうと分かるらしい。不思議な生態だ。
だからありすも実の親と直接会えれば分かるだろうから、決して無謀というわけではないだろう。

だが会ったことも無い、情報も全く無い野生のゆっくりを探そうと思えば一朝一夕では済むまい。
巣に帰らず旅になるかもしれない。すると残されるのはれいむのみとなる。それが、れいむにとっては嫌なのだろう。

親子喧嘩は白熱し、ありすは口論の末に大声で叫んだ。れいむに言葉をぶつけた。

「あかのたにんが、おかーさんづらしないでねっ!」

その言葉を聞き、私は思わず呆然としてしまった。
それは、言ってしまったらダメだ。それを言ってしまっては、終わりだろうと。

画面のありすはその後れいむの制止を振り切って巣を飛び出すが、ボロボロになって探しても親は見つからず、結局ほうほうの体で巣へと帰ってきていた。
何日かぶりの再会に親れいむは涙し、ありすはそんな親の姿に涙した。
その後二匹は仲直りし、これで泣けるでしょと言いたいかのようなハッピーエンドとなったが、私はさっきのありすの言葉が忘れられないでいた。

私は無意識の内に、ゆっくり達の後頭部へと視線を移していた。
ゆっくり達は「よかったね~」などと笑顔で感想を言い合ったりしていた。数十分前のことは、あまり覚えてないかもしれない。
















まりさの伴侶であり、れいむとありすの実の親である親れいむは、既に亡くなっている。
別にレイパーありすに犯し殺されたわけではない。ではないが、それがきっかけだったかもしれない。
まりさとれいむは私が野良だった二匹を拾ったのだが、れいむはどうやら生まれつき体が弱かったらしい。
それがレイパー事件を境に悪化し、ありすを産んだ六日後に息を引き取った。

それでもその六日間は濃密な日々だったらしく、ありすは今でも親れいむの思い出話を嬉しそうに語る。
記憶力が軒並み悪いと言われるゆっくりの中では、なかなかの記憶力である。それだけ、ありすの中で親れいむの存在は大きかったのだろう。













私はゆっくり関係でとある集まりに属している。
ゆっくりんピースのような大それた団体でも、虐待コミュニティのような熱心さでもない。
本当に、ただ近隣でゆっくりを飼っている人たちが、ゆっくりを連れて集まって、だべったり遊んだりする程度の、ゆる~い物である。

もっとも、親れいむが死んでからはありすが塞ぎこみがちだったので、ここ数ヶ月はあまり顔を出していないが、そろそろいいだろうと判断した。
次の日曜日、近所の市民公園に集まるらしいので、私もゆっくり達を連れてそこに行くことにした。

その旨を伝えるとまりさとれいむは久しぶりに友達に会えると色めき立ち、ありすは友達が出来るかな、と目を輝かせていた。
この集まりには飼い主同士の交流だけでなく、ゆっくり同士の交流もある。
ゆっくり同士で友達になって遊んだり、中には番になったりする場合もあるらしい。

まりさとれいむは親れいむが死ぬ前に何度か集まりに行ったことがあり、友達も何匹か出来ていた。
その友達に久しぶりに会えるので楽しみなのだろう。
私はまりさとれいむだけでも友達に会いに行くかと聞いたことがあったが、

「ありすをほうってゆっくりできないよ!」

と、返されてしまった。そう言われては無理に連れてはいけない。
家族の交流に水を差すことは、私には出来なかった。

















そうして次の日曜日。私はゆっくりを連れて近くの市民公園に来ていた。
かなりの広さを誇る芝生が一面に広がっており、幼児向けの遊具も多くある。
ゆっくり飼い主達の集まりは芝生にて、既に幾人かの奥様方やお兄さんお姉さん、お爺さんお婆さん方らはビニールシートを広げている。

弁当やお菓子、茶などを持ち寄った、ちょっとしたピクニックのようである。
私も青いビニールシートを敷いて、バスケットで運んできたゆっくり達を外に出した。既に他のゆっくり達は元気に芝生を駆け回って遊んでいる。
まりさとれいむは、この度この集まりのデビューとなるありすを連れて遊んでいるゆっくり達の方へと跳ねていった。

「みんなにありすをゆっくりしょうかいするよ!」
「みんな、ひさしぶり! ゆっくりしていってね!」

元気良く跳ねていくゆっくり達の後姿を見送りながら、私はビニールシートに腰を下ろした。
既に他の方々はお茶菓子などを広げて談笑に花を咲かせているようだ。しばらくぶりなので、私も挨拶をしに行こうか。
まだ昼前なのでお弁当はもう少し経ってからだろう。私が皆様に配ろうと思っていたクッキーを取り出すと、知った声が後ろからかけられた。

「久しぶりですね」

その声に反応し、振り返るとやはり見知った姿がそこにはあった。

「麗子さん、お久しぶりです」

ペコリと会釈をすると、彼女──麗子さんは「呼び捨てでいいのに」と言いながら、私の隣に腰を下ろした。
麗子さんはこの集まりの中では、私が一番よく話す人物だった。年が同じということもあり、よくゆっくりについて語り合ったりしたものだ。
今は確かゆっくりありすを飼っているはずだ。

「どうしたの。全然来ないから心配してたんだよ」
「ちょっと、こっちのゆっくりの家族事情が込み入ってまして」
「と、いうと?」

私は保温水筒に入れてきた紅茶とクッキーを麗子さんの分も一緒に広げながら、話すかどうか悩んだが、

「みんなっ、れいむのいもうとのありすだよ! ゆっくりしていってね!」
「ほらありす、みんなにごあいさつだよ」
「ゆぅ……ゆっ、ゆっくりしていってね!!」

ありすを皆に、自慢げに紹介しているれいむとまりさを見て、別に隠すことでもないかと思い直した。

「あのありす、見えますよね?」
「……うん、でも確か……」
「はい、まりさの伴侶はれいむでした」
「じゃあ、もしかして」
「お察しの通り、レイパーありすです」

私は事件の事を麗子さんに話し始めた。







あれは私が、まりさと子れいむを連れてゆっくりフードを買いに行っている間に起こったことだった。
私は最初、ゆっくりにあげるゆっくりフードについて悩んだ。どれをあげれば良いのかと。
知り合いに聞いたが、それでもれいむとまりさにあげるエサの条件に合うゆっくりフードは複数あったので、いっそのこと本人に選んでもらうかと思い、以来ゆっくりフードを買う時は食べるゆっくり達本人を連れて行っている。

あの日は親れいむの体調が芳しくなく、親れいむは家で留守番の運びとなった。
美味しいご飯を買ってくるからゆっくり待っていてね、と言うと親れいむは笑顔で「ゆっくりしているよ」と答えた。

そうして私がまりさと子れいむを連れて家に帰ると、そこには顎の下を膨らませてぐったりしている親れいむがいた。
私はすぐさまそれがレイパーありすの仕業だと理解した。窓は割られており、そこから侵入したと思われた。
まりさと子れいむは泣きじゃくって親れいむに寄り添ったが、命に別状は無かったようで安堵していた。

産もう、と最初に決断したのはまりさだった。親れいむが産みたいと思うなら、産もうと。
親れいむはというと、笑顔で「ゆっくりあかちゃんうむよ」と言っていた。
私は聞いた。なんでレイパーの子を産むのかと。
大体においてレイパー被害者のゆっくりは堕胎を選ぶ(野生ゆっくりの場合は胎生妊娠の場合は堕胎が出来ないので産んでから殺すか育児放棄をする)。
それなのになんで産むのかと。

二匹はこう答えた。
「ゆっくりしたあかちゃんにあうのに、りゆうなんかいらないよ」と。


その後親れいむは無事にありすを出産し、その後六日は家族仲良く過ごした。
皆、餡の繋がりなんか知ったことかと言わんばかりに、本当の家族のように仲良く過ごした。いや、ようにではないな、本当の家族だった。あの四匹は。
だが、傍目からは分からなかったが(少なくとも私とゆっくり達は気付けなかった)、親れいむは日に日に衰弱していったようで、六日目に静かに息を引き取った。

まりさも、子れいむも、ありすもわんわんと泣いた。涙が枯れるのではないかというほど泣いた。
その後しばらくありすは生まれたばかりの頃とは打って変わって塞ぎこんでしまった。





「だからしばらくは、ありすが落ち着くまで来ないようにしてたんです。まりさとれいむもありすに付きっ切りでした」
「そうだったんだ……」

私と麗子さんは、どちらともなくゆっくり達へと視線を向けた。
そこでは集まったゆっくり達にありすを紹介して周っているまりさとれいむが居た。
しかし、周りのゆっくり達は皆首を傾げている。皆知っているのだ、まりさの伴侶はれいむだったはずと。
だから、家族として紹介されたありすに疑問を抱いている。

「むきゅ、まりさのおくさんはれいむのはずよ」
「なんでありすなの?」
「わからないよー」

ゆっくり達は皆口々に疑問をぶつける。
中には

「そのこはまりさのおちびちゃんなの?」

と、ストレートに聞いてくる者もいた。
だが、まりさとれいむはそんな質問にも毅然としていた。

「ぷんぷん、れいむとありすはまりさのじまんのおちびちゃんだよ!」
「ありすはれいむのじまんのいもうとだよ!」

そう言われては何も言えない。ゆっくり達は口を噤んだ。
しかし、ゆっくりが単純なのかここの集まりのゆっくりが単純なのか、十分後には皆そんな事は気にしなくなり、ありすも混ぜてみんなで楽しく遊び始めた。
皆実に良い子達である。

「…………ん?」

私はふと、見知らぬゆっくりを目にした。
別に私は全てのゆっくりの見分けがつくわけではない。だがここの集まりのゆっくり達は大体覚えている。
それになにより、そのゆっくりは装飾品に普通のゆっくりにはない飾りをつけていた。

「麗子さん、あのゆっくりって……」
「あの……? あぁ、あれは成田さんのゆっくりよ」
「成田さん?」
「ほら、あそこ」

麗子さんが指差す先、そこにはそこには私より二つか三つばかり年上の人たちのグループがあった。
そしてそこに、私の見覚えの無い顔を見つけた。

「あの人ですか」
「そう、君が来ない間に新しく来始めたの。なんでも家がお金持ちらしくてね、ゆっくりにも結構お金かけてるんだって」


言われ、ゆっくり達のグループに目を戻した。
先ほど目に付いたゆっくりは、髪につける装飾品にまた別の飾りをつけていた。ブローチだったり金の刺繍だったりと。
確かに遠めに見ても高そうだとは思えた。
そんな高そうな飾りをつけているゆっくりはれいむ種まりさ種ありす種ぱちゅりー種ちぇん種みょん種といた。六匹も飼っているとは。

ゆっくり達は生まれつき持っている自分の装飾品が命の次に大事だ。それがなくてはゆっくり出来ないからだ。
自分の生まれつきの装飾品ではなく、人間が用意した別のリボンなどをつけてゆっくり出来ないと泣くゆっくりがいたが、自前の装飾品に何か手を加えることはいいらしい。
それこそ物によってはよりゆっくり出来ると喜ぶそうだ。
あの高そうな追加飾りも、その一つだろう。

「後で挨拶しておこうかな」







その後お昼時となり、飼い主ゆっくり皆入り交ざってのお弁当タイムとなった。
私は麗子さんと一緒に先ほど成田さんが居たグループに混ざった。麗子さん程話したことはないが、皆見知った仲である。久しぶりに来た私を歓迎してくれた。
成田さんにも挨拶しようかと思ったが、成田さんのゆっくりは結構なグルメでわがままらしく、成田さんは自分のゆっくりにエサをあげるのにつきっきりで忙しそうだったので辞めておいた。

「どぼじでいづものじゃない゛の゛ぉ!?」だとか「こんなおそとでたべるなんていなかものだわっ!」と成田さんのゆっくり達の声が届いて、私達は苦笑いした。
ゆっくり達はゆっくり達で(成田さんのゆっくりを除いて)仲良く雑談しながら楽しくお弁当を食べていた。
成田さんちのようなセレブ~、なゆっくりにこんな集まりは場違いなのではと思ったが、遊んでいる時は本当に楽しそうに遊んでいたので、それほどでもないようだった。


「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~♪」
「むきゅ、ありすすごいたべっぷりだわ」
「とってもとかいはだわ♪」

ありすは早速仲の良い友達が出来たようで何よりだ。麗子さんのありすとも仲良くなったようだし。
後で聞いたことだが、どうやらありすは体格が良いようで、ゆっくりの仲では優しい力持ちのような印象を受けていたらしい。
あまり想像が出来なかったが、ゆっくりがゆっくりについて語ったものなら、間違いではないのだろう。


この日は私にとってもゆっくり達にとっても充実した一日となった。
やはり来て良かった。遊びつかれてぐっすりと眠っているゆっくり達の入ったバスケットを抱えて、私は帰り道、そう思った。











集まりの日以来、れいむとありすはしきりに次に皆と会える日はいつかと聞いてきた。

「ゆゆ~、おにーさんつぎはいつみんなにあえるの?」
「みんなとゆっくりしたいわっ」
「まだ未定だよ」

足に擦り寄りながらそう訊ねてくるニ匹を見て、まりさはどうしたのかと思った。
まりさはというといかにも興味無いといった仕草であさっての方向を向いているが、ちらちらとこちらを窺っているのがあからさまに分かる。

「まりさは気にならないのかい?」
「ゆっ!? まっ、まりさはおとなだからみんなとあえなくてもゆっくりできるよ!」

嘘だった。
口の端がぴくぴく動いている。まりさは嘘をつく時、そうなる癖があった。

「まりさ、口の端が動いてるよ」
「ゆっ!?」

まりさにはこの癖を何度か指摘したが、一向に直る気配は無かった。
結局、まりさも友達に会いたいのだろう。私は微笑ましさに口元を緩めながら、ネットの掲示板やメールをチェックする。
まりさはれいむとありすにも癖を指摘されて、「ゆっくりうそじゃないよ」と言い訳をしていた。

「おにーさん、あのピカピカしたこまたくるかな?」
「ピカピカ? ……あぁ、成田さんとこのか」

確かに装飾品はピカピカしてたな。

「会いたいのか?」
「ゆゆっ!? ちがうよっ、ちょっときになっただけだよ!」

そう言うれいむの口元もピクピク動いていた。













その二週間後の日曜日、再びゆっくりと飼い主達が集まった。結構暇人が多いのか、前回と同じくかなりの出席率だった。前回居た人の中では成田さんだけがいない状態だった。
前回と同じ公園であった。このような場所を選ぶのは、ゆっくり達が元気良く遊べるようにと配慮した結果である。

「皆、今日はどうするんだい?」
「まりさはおともだちとひなたぼっこするよ」
「れいむはみんなとこうえんをぼうけんするよ!」
「ありすもよっ!」

まりさは公園の中心で同年代のゆっくり友達と遊び、れいむはありすと、その他数匹の友達と一緒に公園を隅々まで散歩するらしい。
この公園にはゆっくりの害となる動物は住み着いていないし、飼いゆっくりの証であるバッジもつけてるから安全だろう。
そもそもそれぐらいの安全が確保されている所でなければ、ゆっくりをおいそれと連れてはこれない。

「それでも心配なんですね」
「まぁ、ですね」

私はれいむとありす達の後を尾行していた。麗子さんと一緒に。
気付かれない程度の距離を保って、ゆっくりと後を追う。目先の楽しみに夢中なゆっくり達は滅多なことでは後ろを振り向かないから気付かれないだろう。
れいむ達はまず、公園を四角に見立てた際の辺を辿って一周するようだ。
あまり外に出たことのないありすは色々と珍しいのか、なんでもないような物にさえ目移りしながら跳ねている。

「ありす、ゆっくりしないとあぶないよっ」
「ゆゆっ、ゆっくりきをつけるわおねーちゃん」

足元がお留守で危なっかしかったが、れいむの注意や他のゆっくり達が気を使ってくれたおかげで何事も無く四角形の角まで辿り着いたありす。
柵に囲われた向こう側には、公共道路がある。歩道を人が往き、車道を車が駆け抜けている。

「ゆ~? おねえちゃん、あれは〝くるまさん〟?」
「そうだだよ、ぶつかったらゆっくりできないからここからでちゃだめなんだよ」
「ゆっくりわかったわ」

そう言えばありすは車を生でを見るのが初めてだったか。
外に出る時も大体はバスケットに入れて運んでいるから外は見れないだろうし。
車の危険性をいざという時のために教えておいた方が良かったかと思ったが、この機会に実際に目で見て学んだだろう。

その後れいむとありす達は公園をグルッと一周したが、特に目新しいものは無かった。
もっとも、それは私から見た感覚であったため、ありすにとってみれば違った感じ方をしたのかもしれないが。

この日もいつも通り、飼い主達とゆっくり達の交流はつつがなく終わり、陽が紅くなるころ解散する流れとなった。
何故かこの時、ありすはしきりに公園の外の方を眺めていた。















ゆっくりの寿命について、私は何も知らない。。あまり考えたこともなかった。
実際、ゆっくりが寿命で死んだ話をあまり知らない。ゆっくりの死因の殆どが外的要因か病気だからだ。
だから私は、まりさが最初老衰だと知った時、全く動揺を抑えることが出来なかった。

あのありす二度目の集まりの日、家に帰った後──いや、家に帰る道中から既にまりさは元気が無かった。
もしかしたらそれより前に兆候があったのかもしれないが、私はまたもやそれに気付くことは出来なかった。
仮に気付くことが出来たとしても、老衰など避ける事が出来ないのだから致し方ないとしても、私はまた親れいむの時の繰り返しかと悔いた。

「ゆ~、まりさおかーさん……」
「まりさおかーさん……」

れいむとありすが積み重ねたタオルの上でぐったりとしているまりさを心配げに見つめている。
あの日曜日の日から一週間。日に日にまりさは弱っていった。
知り合いに聞いたりネットや本で調べたり。事例が少ないから調べるのに時間がかかったが、まりさのこれは老衰、つまり寿命であることは判明していた。

ゆっくりの寿命は、やはり確認できた個体数が少ないため参考程度にしかならないが、概ね三年から八年と言われているらしい。
まりさを拾って既に二年が経過している。拾った時点の大きさで生後一年以上は経過していただろうから、寿命が来たとしてもありえない話ではなかった。
それに、調べた事例の中でも野生のゆっくりは寿命が短い傾向にあった。

「ゆぅ……おちびちゃん、ゆっくりしていってね」
『ゆっくりしていってね…………』

まりさの弱弱しい挨拶に揃って返す二匹。
まりさはそんなれいむとありすに満足気に微笑むと、私に向かってこう言った。

「おにーさん、おちびちゃんたちをつれていってあげてね……」
「なんだ、知ってたのか……」

実は今日も、皆で集まらないかという呼びかけがあった。麗子さんから来た呼びかけの電話をまりさは聞いていたのだろう。
私はまりさがこんな状態なので行く気は無かったし、れいむとありすが多分行かないと言うだろうと思っていた。
前にありすが塞ぎこんだ時は、まりさともれいむも一緒になって家から出ずありすに付きっ切りだったからだ。

しかし、そんな私の考えに反してまりさはれいむとありすに、細々とした声ながらも

「おちびちゃんたちはゆっくりあそんでね……。おちびちゃんがゆっくりしてると、まりさもうれしいよ……」

そう、笑顔で言ったのだった。

れいむとありすは何か言いたげだったが、何も返さなかった。
ただこくり、と頷いた。私は二匹は家に残ると思っていたのだが、まりさの笑顔に負けたのか、それとも何か別の思いがあったのだろうか。れいむとありすの後姿は、ぴくぴくと震えていた。

どちらにせよ、一週間後に私はれいむとありすを連れてあの公園に行くことになった。
過去の事例からして、恐らくまりさが親れいむと同じ所に行くのも、一週間後ぐらいだろう。















「そう、まりさちゃんが……」
「まぁ、寿命で死ねるなら、ゆっくりした生涯だったと言えなくもないですが……」
「そればっかりは、どうしようもないね」
「せめて幸せに逝けることを願ってますよ」

次の日曜日、私はまりさの願い通り、れいむとありすを連れてあの公園に来ていた。
まりさはあれから、日に日に一日あたりの睡眠時間が増えていた。
今もきっと、留守番しているまりさは寝ていることだろう。


れいむとありすは公園の冒険にまた出ている。今度は別々、一匹だけで周ってみるそうだ。
私が座っているビニールシートから見える範囲では、成田さんのゆっくり、れいむ種まりさ種ぱちゅりー種ちぇん種みょん種が他のゆっくりの視線を集めていた。

「…………ん?」

よく見てみる。高そうな装飾品を付けている成田さんのゆっくり。確か六匹いたはずだ。
だが、今ここから見える範囲では、五匹しかいない。どこか別の場所にいるのだろうか。

────嫌な予感がする。

「麗子さん、ちょっとれいむとありす探してきますね」
「また心配?」
「えぇ、ちょっと」

立ち上がり、私は公園を駆けた。その足は無意識的にある場所を目指している。
第六感としか言い様の無い感覚に突き動かされ、私は走った。
公園の外へと。
















「ゆっくりはんせいしたかしら?」

ありすのその声が聞こえて、私は足を止めた。
何故かそのまま、気付かれぬようにそっと身を伏せていた。視線の先には、私の飼っているありすと、成田さんのありすがいた。

「なにをはんせいするの!?」

公園の外の歩道。今こそ人がいないそこで、二匹は向かい合っていた。成田さんのありすは頬を膨らませて怒っている。

「あなた、ありすのおちびちゃんでしょ? すぐにわかったわ」

成田さんのありすは、自分の言葉にありすが答える前に膨らませていた頬をしぼませ、そう言った。
言われたありすは、何も答えない。
私はそのやり取りを見て、ゆっくりの親子は相手の顔を見ればすぐに相手がそうだと分かるという生態を、私は思い出していた。

そして、思い、思い出す。
成田さんのありすの言葉通り、成田さんのありすがレイパー事件の犯人だった場合。
あの時窓は割られていた。普通に考えれば、ゆっくりが民家の窓を割れるわけがないとすぐに気付いたはずだ。
そう割れるわけがないのだ。野生のゆっくりが、たとえレイパーモードのありすといえども。
古い時代の薄い窓ガラスならともかく、現代の民家の窓を饅頭がそう簡単に割れるわけがない。

だが、野生のゆっくりではなく飼いゆっくりだったら?
犯行に人間が絡んでいるとしたら、どうだろうか。決して不可能ではなくなる。
人間が窓を割って、ゆっくりを投入する。人間は入らず、ゆっくりだけ。
そうすれば、野生ゆっくりの犯行に、見えるかもしれない。

「ありすのかわいいおちびちゃんが、こんなところにつれてきてなにするの?」

成田さんのありすは、小ばかにしたような嘲笑を浮かべながら、そう言った。
言った瞬間、ありすが爆発的な速度でその体を突っ込ませた。
激突。成田さんのありすはありすに体当たりされ、吹っ飛んだ。

「ゆびっ!?」

そしてそのまま、ありすは成田さんのありすを踏みつけたはじめた。
成田さんのありすの上で、何度も何度も跳ねて、踏みつける。全体重をかけた渾身の攻撃を。

「れ゛い゛ばーはじねっ!」

ありすは濁った怨嗟の声をあげながら、常とは違う怒りの形相に顔を歪ませていた。
成田さんのありすは、ありすに踏まれる度にカエルの潰れたような声をあげながら、その体をボロボロにしていった。

何度も何度も、何度も何度も。
ありすが連続で踏みつけることによって、成田さんのありすは顔面ボロボロ、髪もボサボサ、皮も破れているところがあるという有様になっていた。

五十回か百回だろうか。数えてはいないがそれぐらいだと思える程には踏みつけたありすは、成田さんのありすから降りてその髪を咥えた。
成田さんのありすはまるで虐待趣味の人間に出会った後のようにボロボロに見えた。
だがまだ体力的に余力はあったのだろう。成田さんのありすは先ほどのありすの声に負けない程の声量で言った。

「ゆびゅっ……なにずるの! あなだま゛ま゛をごろずづもりっ!?」

餡の関係から言えば、成田さんのありすにそう言う権利はあった。そして続けて言った。

「いっでおぐげど、ありずがあのでいぶをあいじであげながっだら、あなだはうまれながっだのよ!?
 わがっでるの!? あなだはままをごろぞうとしているのよっ!」

「ありすのおかーさんは、れいむおかーさんとまりさおかーさんよ」

ありすは踏みつけたことにより、熱が冷めたのか冷たくそう言うと、成田さんのありすをずりずりと引っ張り始めた。

「ふんっ、なにいっでるの! ばりざはあなだをそだでただけでしょ! あなだのままはありずよっ!
 ままをごろずなんでとかいはじゃないわ! レイパーとままごろしだったらどっちがいなかものかしらっ!?
 ありずはだれもごろじだごどはないわっ!」

ありすは成田さんのありすのマシンガンのような言葉にも一切反応せず、その体を引っ張っていく。
車道へと。
歩道と車道の境。あと少し出れば車道。そのもう少し出れば轍であろうそこに、ありすは成田さんのありすを引きずっていった。
何をするのか、ようやく成田さんのありすも理解出来たようだ。
成田さんのありすが何か言おうとする。また「ままを殺すのか」とでも言うつもりだったのかもしれない。

ただ、それより先にありすが一言、言った。


「あかのたにんが、おかーさんづらしないでね」


ブンッ、とありすは口に咥えた髪を振るって、成田さんのありすを車道へと放り投げた。
轍へと着地した成田さんのありすは、何かを叫ぶ前に、ちょうどよく通ったワゴンのタイヤによって踏み殺された。
辺りに飛び散るカスタードクリーム。不恰好に潰れた皮。コロコロと歩道へと転がってきた眼球。

拍子抜けするぐらいあっさりと、成田さんのありすは死んだ。
呆然としている私の足元に、何かが擦り寄ってきた。
顔を下に向ける。れいむだった。

「れ、れいむ……」
「ゆぅ……さきをこされちゃったよ……」
「れいむ、知ってたのか……?」
「うん」
「ありすから聞いたのか?」
「ちがうよっ、でもありすはうそがへたなんだよ」
「れいむも、あのありすを殺すつもりだったのかい?」
「ゆっくりしてたけっかがこれだよ」














成田さんのありすの死は、事故ということで処理された。目撃者である一人と二匹が揃って同じ証言をしたのだから。
成田さんのありすと仲良くなったありすが、うっかり公園の外まで連れて行ってしまって事故にあわせてしまった。
私は公園の皆に、そう説明した。

その後は不幸な出来事が起こってしまったがゆえに、そのまま解散となった。
皆が立ち去る中、私はレイパー事件のことについて成田さんに何か言おうかと思ったが、回収できたありすの死骸に向かって泣いている成田さんを見ると、そんな気もなくなった。
成田さんも成田さんなりに、ありすを可愛がっていたのだろう。どんなやり取りがあったかは知らないが、ありすの要望を聞いてやろうと思ったのかもしれない。


…………だが、後日窓の修理代ぐらいは貰おうかと、思った。白を切られたら諦めよう。










家に帰ると、まりさは起きていた。
相変わらず元気は無いが、目は開かれていた。きっと、れいむとありすと帰りを待っていたのだろう。

「ただいま、まりさ」
『おかーさん、ただいま』

家に帰るとまず、れいむとありすはまりさの所へと向かった。
まりさは穏やかな目をしていた。かつてのようなゆっくりらしい無邪気で元気なものではなく、これから死に逝く者の、穏やかな目だった。

「れいむ、ありす……。きょうはなにをしたの?」
「ゆっ……」

まりさの質問に、れいむは押し黙った。押し黙って、そのまま俯いてしまった。
ありすも顔を逸らしこそしなかったが、口を開けずにいた。

「まりさにかくれて、なにかした……?」

その質問がまりさの口から出た時、私はれいむとありすよりも飛び上がるかと思った。
もちろん私は飛び上がらなかったし、れいむとありすも飛び上がらなかった。
だが、皆内心で汗をかいていたと思う。

「ゆっ、なにかって、なに……?」

いつもと違う尻すぼみな口調で、れいむは逆に訊ねた。

「ゆっくりできないことだよ……」
「な、なにもしてないよ」
「ゆっ、そうよ」

まりさと言葉にれいむが慌てて言い、ありすもそれに追従した。
私もれいむもありすも、まりさに本当の事が言えないでいた。
これから死んでいくであろうまりさに隠し事をすることよりも、変な心配をされたままの方が、嫌だと思ったからだろうか。
理屈は後でいくらでもこじつけられるだろうが、今この時、私はれいむとありすの嘘を告発する気はなかった。

「おちびちゃんはまりさにないしょで、だいじなことをしたんだね……」

だから、まりさがそう言った時、私は心が読まれたのかと思った。
だが、そうでは無いようだった。まりさは私と同じく驚いているであろうれいむとありすの顔を見据えると、静かに、言った。

「れいむ、ありす……おくちがぴくぴくしてるよ。ふたりはうそをつくとき、そうなるんだよ。
 まりさににて、ふたりともうそがへただね……」

何でもない言葉だ。他愛ないやり取りだったかもしれない。けれども私は、動くことが出来ずに息を止めた。
ざまみろ、と柄にもなく心の中で叫んでいた。
餡の繋がりだとか、実の親だとか、まりさはそんなもの軽々と無視したかのように思えたのだ。
まりさは、まりさとれいむとありすの連続性を証明した。理屈ではないが、餡の繋がり関係ないじゃん、と私は一人呟いた。

れいむとありすは何も喋らず、ただ、泣きじゃくっていた。












翌日、朝を迎えるとまりさは息を引き取っていた。
残された姉妹は二匹、そっと親の亡骸に黙祷を捧げた。
朝日を浴びるまりさの死に顔は、とっても安らかだった。








おわり



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ゆッカー
ゆっくり求聞史紀
ゆっくり腹話術(前)
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虐待お兄さんVSゆっくりんピース
普通に虐待
普通に虐待2~以下無限ループ~
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ある復讐の結末(中)
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ある復讐の結末(後-3)
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庇護─選択の結果─
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byキノコ馬

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最終更新:2022年04月16日 23:55