タマゴから産まれてまもない私を、いきなりバトルに連れてったマスター。目の前で
怖い顔してる大きな竜を怯えながら見ていたら、すぐに交換されて、マスターはガスを
噴出すポケモンを出した。何度も何度も復活させられては大爆発していくガスのポケモン。
嫌な顔ひとつしない。そんなにマスターが気に入っているんだろうか。
それを凝視しながら私は短期間のうちに経験を積んでいった。戦い方も少しは覚えた。
そうこうしていると、マスターは綺麗な建物に私を連れていってくれた。マスターが
そこにいた人に二言三言喋ると、私のまわりにたくさんの人が群がってきた。何?怖い。
だけど、その人たちはやさしく体を洗ってくれて、マッサージをしてくれた。とても
気持ちがよかった。マスターはにこやかに笑っていた。マッサージが終わると、マスターは
頭をなでてくれた。さっきよりも気持ちがいい。もっと撫でてほしかったけど、またすぐに
さっきのように経験を積まなくてはならないとマスターは言った。
そうして数日が過ぎたころ、私はすっかりマスターが好きになっていた。
マスターへの感謝をこめて目の前の敵にパンチを浴びせる。敵が倒れた瞬間、私の体は
光に包まれた。
「…!」
マスターが期待を込めて私を見た。光が消えた時、私は大きくなり、体つきも
変わっていた。
「よくやったぞ、ミミロップ!進化だ!」
マスターは笑顔で私に駆け寄ってくれた。私の頭を撫でてくれた。嬉しい。
マスター、私はもっともっとマスターの笑顔に応えます。
「これでレアポケモンが手に入るな!」
そうですねマスター、進化して強くなった私はどんなポケモンだって弱らせる
ことができます。
「もどれ!ミミロップ!」
マスター、ポケモンセンターに戻るんですか?
マスター、そっちはポケモンセンターじゃないですよ。
『GTSにようこそ!』
ここはどこ?
マスター、この見知らぬ女性は誰ですか?
またマッサージをしてもらえるんでしょうか?ボールから出してください、マスター。
「バイバイ!ミミロップ!」
バイバイ、って、なんですか?
マスターが遠くなっていく。
マスター
マス…
目を覚ましても、マスターはどこにもいなかった。
作 2代目スレ>>210-211
最終更新:2007年12月30日 15:34