「バイバイ、×××」

あんたは俺に名前をくれたけど、
何度も優しい声で呼んでくれたけど、
今じゃもう思い出せないよ。


ずっと前のこと、俺達は冒険に出たね。
あんたの手持ち、仲間全員でボールを出てさ、一緒にあちこち見て回った。

楽しかったな。

知ってただろ、みんなあんたが大好きなんだよ。
あんたが俺達を大切にしてくれたように、俺達もあんたが大好きなんだよ。

ここ、何処だったっけ?
どこかの洞窟。
頭の上、たくさんの岩が落ちて、あんたの身体は潰れちまった。
光もなんにも見えなくなった。
知らない人の声みたいに、濁った声。
俺達をボールから出して、あんたは「バイバイ」って言った。
そして動かなくなっちまった。

ばかだなあ、パソコンを通さないとバイバイ出来ないんだよ。
ばかだなあ、逃げろって、出来るわけないじゃん。
あんたが逃げないのに、動かないのに、どこに逃げろって言うのさ。
俺達みんな、あんたの傍が一番なのに。

あんたの身体が土にかえっていく横で、俺以外のみんな、あんたのところに行っちまった。
みんな無言で、とにかく眠っていた。
夢の中は優しいから、みんなで丸まって寝た。

俺はいつになったらあんたと、みんなと、同じところに行けるんだろう。
出来るだけ早く行くから、もう置いて行かないで。

少しだけ泣きたくなって、瞼を閉じた。


作 2代目スレ>>247-248

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最終更新:2008年01月01日 19:21