A君とB君は親友であり、いいライバルな関係です。
そんなある夜のこと、町外れの道路での話…

A「どうしたんだい?こんな夜に生まれたてのポケモンを連れて。」
B「このヒコザル、あんまり強くないから逃がそうと思ってさ。」
A「駄目だよ!こんな生まれたてのポケモンを逃がすなんて!」
B「別にどうでも良いだろ!そんじゃな!」

親友の冷酷な一面にショックを受けたA君。ヒコザルのこともあり、彼は密かにB君の後を追いました。
そして街から少し離れた叢にB君は生まれたばかりのヒコザルを捨てたのです。
B君はA君に気付くことなくそのまま走り去りました。

一方右も左も分からぬまま叢に放り出されたヒコザル。いつの間にか周囲には野生のポチエナたちに囲まれてます。
このままではこのポケモンがどうなるかは明らかでしょう。
放っておけないA君は手持ちのムクバードとハヤシガメを繰り出してポチエナたちを追い払いました。
そして震えるヒコザルを保護するとそのまま家に帰りました。

その後、A君はヒコザルの新しいトレーナーになったのです。

ヒコザルはA君のもとで立派に成長し、ゴウカザルになりました。
そして、そのトレーナーであるA君もまた数多の経験を積み、立派なトレーナーへと成長しました。
やがて、A君とゴウカザル。そして彼のポケモン達は数多くの苦難と試練を乗り越え、ついにポケモンリーグの決勝戦へと上り詰めたのです。

決勝戦の相手はB君でした。彼は厳選に厳選を重ねた強いポケモンと共に圧倒的な強さで勝ち抜いていったのです。
メタグロス・ギャラドス・エルレイド・ガブリアス・グレイシア。彼らが今まで戦ってきた同種よりもはるかに強いポケモンでした。
A君はふとあの夜のやり取りを思い出しました。
「強くないから」という理由だけで捨てられたヒコザル。おそらくB君は他のポケモンたちにも同じことをしてきたのかもしれません。
B君はここまで来るのに一体どれだけの、ダンバル・コイキング・ラルトス・フカマル・イーブイに無慈悲な仕打ちをしたのだろうか。

やがて、A君とB君のバトルもお互い残り1匹になりました。
お互いが出したポケモンは…ゴウカザル。

全てのポテンシャルに置いてB君のゴウカザルは上。圧倒的なB君のゴウカザルに押されるA君のゴウカザル。
しかし、最後まで諦めませんでした。そして、渾身の力を振り絞って放った「インファイト」がB君のゴウカザルの急所を捉えたのです。

地面に伏したB君のゴウカザル。その時全てが終わりました。A君はついにチャンピオンになったのです。

B「クソッ!!なんで!なんで俺が負けたんだ!!」
A「お前にはポケモンへの信頼と愛情が足りない。それだけだよ。」
B「信頼?愛情?そんなものまやかしだ!力こそ!力こそが全てなんだよ!!」

と叫ぶと彼はそのまま何処かへと走り去っていきました。手持ちのポケモン全てを置いたまま。
あれから数年、B君の行方は分かっていません。


作 2代目スレ>>637-638

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最終更新:2008年10月02日 22:00