沢山のポケモン達の中から、選んで選んで選び抜いたただ一匹。
その一匹を手塩に掛けて育て、共に勝ち抜いてゆく。
これこそがトレーナーの喜び。そう思っていた。
皆同意してくれていた、だからそれが当たり前のことだと思っていた。
でも、旅先で出会った彼はこう言った。
「そのために他のポケモン達を幾ら殺してもいいのか」と。
誰も殺した覚えはない、と言ってみようとしたけれども
すぐに気付いた、……私はもう何千ものポケモン達を殺していたんだ、と。
何匹生まれたばかりのイーブイが死んでいっただろう。
まだ体の小さなムックルたちに、どれだけ冷気を浴びせかけてきたか。
わからない。あまりにも数が膨大すぎて、わからない。
その時は何もかも、見失ってしまった気がした。
私の罪は深い。
隠すことも消すことも、目を逸らし続けることももうできない。
たぶん、そう簡単には償えない。
一度こうなってしまった以上、この行為をやめることも恐らく無理だ。
私は犠牲となった彼らを忘れない。
そして、育てたポケモン達を愛する。
それが、愚かな私にできるせめてものの罪滅ぼし。
作 2代目スレ>>640
最終更新:2008年10月02日 22:01