僕らは、とある港町の郊外の静かなくさむらに住んでいた。
ほのかな潮風、さざめく潮騒、此処は楽園そのものだった。
休日には、船乗りや釣り人が時を忘れて憩い、夕暮れにはギタリストの音色に微睡んだ。
いつからだっただろう…
見たこともない少年達が、不気味な機械をちらつかせ、僕らは、思わず身動きがとれなくなった。
彼らは次々とカプセルで仲間を捉え、嵐のように去っていった。
やがて、楽園は少年少女の溜まり場となり、かろうじて逃れた僕らは避難することにした。
今は、優しいおじさんの小庭が新たな楽園。
しかし、僕らは知っている。小高い庭から見える遠くの牧場、その檻の中に、今でも仲間のいくらかが閉じ込められていることを。
作 2代目スレ>>732-733
最終更新:2008年10月24日 19:02