「やった!あたしのコリンク、外国の子が引き取ってくれたんだ…」
幼い少女は転送されてきたばかりのモンスターボールを手に取り、明るい笑顔を見せた。
「欲しかったんだぁ…ミミロップ!しかも外国から来た子だって…クラスの友達に自慢できちゃう!
…コリンクがいなくなったのは寂しいけど…でも今ごろは、きっとあの子も向こうの新しい友達と仲良くやってるよね。」
少女は早速ボールからポケモンを出した、新たなパートナーとなるポケモンに慣れ、そしてよく知るために。
「良かった!この子は外国の子だけど…この子の情報は全部日本語で書いてある!」
そう、ここGTSでは、たとえ外国籍のポケモンでも異国に送られればその国の文字で情報などが自動変換され、見られるようになっているのだ。
「えーっと、性別は男の子。性格は照れ屋さんで個性はかけっこが好き。うふふ、可愛い!」
覚えている技、特性など…
これらを一通り確認し終わった頃、笑顔だった少女の顔がなんだか少し困ったような表情に変わっていた。
「…この子のお名前、一体何て読むのかしら?英語…かなあ…?」
彼女はすぐにミミロップを自宅に連れて帰り、ローマ字の母音と子音の読み方が書いてある兄の教科書を見た。
「そっか、この子のお名前はこう読むんだね。これからはちゃんとあなたをお名前で呼んであげられるね!」
ローマ字の読み方を知り、再び彼女は嬉しそうな表情でボールからミミロップを出す。
部屋の中、自分と大して変わらない視線のポケモンの瞳を、少女は真っ直ぐに見つめた。
「よろしくね、FUCK!」
彼は少しはにかみながらも、新しい自分のトレーナーに元気にお辞儀で挨拶を返した。
作 4代目スレ>>120-122
最終更新:2021年06月01日 10:53