僕のご主人はとても優しくて強い人だった。
どんなポケモンにも役割があると信じて連れていってくれた。
殿堂入りって事をしたあと、頼まれた人から図鑑って物の記録をするように頼まれたらしい。
優しいご主人はボックスで出番を待っていた僕たちを引き出して
レベルアップや色々な事をしてとにかく図鑑を埋めて行った。
でも、問題が起きたんだ。
ボックスにもうポケモンが入らないらしい。
それを依頼主に相談すると逃がすしか無い、と言われたようだった。
大事なポケモンを手放すなんて出来ない。でも依頼は達成したい。
そのジレンマに悩まされたご主人は何ヶ月かして進化しなかったポケモンを逃がすことにした。
僕も進化できない一匹だった。段々と消されて行く仲間達。そして僕にもその番が来た。
目を見ると大量の涙で顔がふやけていた。

そんな顔をしないでください、ご主人。

その思いが通じたのか、ご主人はにこりと笑った。
そして逃がすへとカーソルが動き、僕は外へと出された。遠くに消えていくご主人。
「きっと会いに行く。だから忘れないで。こんな僕だけど、どうか忘れないで・・・」
最後に聞いたご主人の声。
忘れない。忘れたくない。僕も、僕だって忘れない。いつか巡り会うその日まで。

byミツハニー♂


作 初代スレ94

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年10月19日 19:49