主人、俺のこと誰だか分かるか?もちろん分かるよな。俺はいつもお前の卵孵化に付き合ってるマグマッグだよ。
ポケモン界の掟で主人が逃がしてくれない限り俺達は一生主人に仕えることになっている。掟がなかったら、俺はとっくに他の主人に仕えてるけど、掟に縛られてる限りそれもできないし、だから今日は俺が日ごろお前に対して思ってることを手紙という形で書いておきたいと思う。
これで少しでもお前が普段からやってる坑道が改まればいいと思っている。
お前は、きっと今バトルタワーを楽しんでいるだろう。俺は、お前が楽しむことを邪魔しはしないし、むしろ楽しんでほしいと思ってる。
でも、お前がタワーを楽しむために俺がどれだけ協力したか、どれだけつらい思いをし
たか、考えたことがあるのか?タワーだけじゃない、お前がネットを通じて知らない誰かと対戦するときもそうだ。
考えたことないだろう。もしあったらとっくにそんな行動止めてるだろうしな。
お前は個体値とかいうバトルの才能が高いポケモンが生まれるまで多くのポケモンを逃がしてるよな。そのポケモンたちの卵の孵化を当然のように俺は手伝ってる。
卵孵化を手伝うとさ、そいつらがめちゃくちゃ可愛いって思えるんだよな。でも、お前は俺のそんな気持ちに気づいてない、それどころか察しようともしない。
俺はそれが辛いんだよ。目の前で孵化したてで、まだ右も左も分からないようなやつをお前は平気で逃がしていく、それを俺は黙って見てるしかないんだよ。
そいつらの本当の親も悲しいし、卵を温め続けた俺も自分の身が引き裂かれるほど悲しいんだよ。
お前は逃がした後を見てないから知らないかもしれないけど、逃がされたやつら、必死に俺にすがり付いてくるんだよ。
俺はつれて帰ってやりたいけど、ポケモンの掟で、ポケモンは主人のどんな命令にも忠実に従うように決められてるから、泣く泣くその小さい手を振り払わなくちゃいけない。
お前、そのときの俺の悲しみ考えたことある?今お前が主力で使ってるやつらももちろん可愛い。でもよ、そいつらの兄弟達も俺は同じくらい可愛いんだよ。
なあ主人、いい加減に個体値厳選とか止めないか?
俺は最初から主人といたわけじゃないから分からないけど、お前だって初めてポケモンもらったとき、「こいつ個体値が低いから使えねえ」なんて考えなかったろ。
むしろ、「このポケモン可愛い」とか、「このポケモン、どんな風に進化するんだろう」とか、ポケモンに対する気持ちは純粋だったろ。その初心の気持ちに戻らないか?
四天王のカリンも言ってただろ。「強いポケモン、弱いポケモン、そんなの人の勝手。本当に強いトレーナーなら、自分の好きなポケモンで頑張るべき」って。
頼むよ主人、ポケモンはお前のどんな命令にも従わなくちゃいけない、だからこそポケモンがもっと楽しめるような環境作りをするのが真のトレーナーなんじゃないかな?
個体値厳選をしたって、それで喜べるのは、主人、お前だけなんだよ!
作 4代目スレ>>222-224
最終更新:2011年05月03日 00:57