「あのね、私これでも意外と厳選とかしちゃってさあ、個体値とか結構気にするんだ。
やっぱりいくら頑張って育ててあげてもモトが弱かったらクズだし?
でもさあ、厳選漏れしたやつをそのまま逃がすのってちょっとカワイソーじゃん。
だから暇な時にポケルスとかいらない道具とかつけて厳選とかしてないっぽい友達に配ってんの。
そしたらポケモンも可愛がってもらえるだろうし、とか、色々考えてんのね」
「それで?」
「だからさあ、廃人が皆冷たいやつとか、そんなのって無いでしょ」
「でもさ、それって結局同じだよね」
「どういう意味よ?」
「そのポケモンは幸せにはなれないよ、だってポケルスやいらない道具をつけているっていう
時点で既にそのポケモン単体には何の価値もないってレッテル貼ってるようなものでしょう
その子にはポケルスやいらない道具以下の価値しかないって事でしょう」
「………そんなこと、」
「使わないならせめて捨てないで、道具のオマケなんかにしないで、
好きになってくれなんて言わないからここにいさせて、あなたから見ればありふれた
ポケモン達のうちの一匹だけどポケモンから見ればあなたは私のたった一人の、」
「本当に逃がしますか……『はい』っと……え、今何か言った?あれ?ねえちょっと、
どこにいるの?」
「…嘘吐き、」
「ねえ、ちょっと、」
「逃がさないって、かわいそうって言ったじゃない」
「ねえってばあ、」
「私には、ポケルスやいらない道具をつけても無駄だって言いたかったの?」
「おーい」
「生まれて初めて会えたのも、名前をつけてくれたのも、笑ってくれたのも、あなただったのに」
「どこにいるのよー」
「あなたは、たった一人の、あなただったのに」
「いないなら帰っちゃうよお」
「私のことは見てくれなくて良いから、せめてボックス越しにあなたを見ていたかった」
「いいのー?」
「名前も呼んでくれなくていい、笑ってくれなくてもいいから、」
「…………」
「あなたとは離れたくなかったのに!!」
「……」
「…捨てられたらね、あなたから貰った名前も取られちゃうんだよ」
「私のたった一つの持ち物だったのに」
「あなたからの最初で最後のプレゼントだったのに」
「もういないの?帰っちゃったの?私のこと、見えなかったの?
…そう、人間はポケモンを捨てた瞬間そのポケモンが見えなくなるのね
私はずっとあなたの後ろで喋っていたのに、本当に寂しい」


作 6代目スレ>>16-17

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最終更新:2011年07月30日 21:04