俺は、今は引退して贖罪の日々を送っているが、かつて廃人と呼ばれる種類のトレーナーだった
とは言っても、むやみやたらにポケモンを捨てて不幸にすることだけはしたくないと思っていた
だからこそ、厳選の末ボックスが埋まったとしても、知り合いの牧場に預けたり、
ポケモンを大事にしてくれそうな小さな子供に分けてあげたりしてきた
まあ偽善だとか自己欺瞞だとか言われたら、返す言葉はない…
そんな俺の、最大の過ちにして、罪は、タブンネ達への仕打ちだ
俺はイッシュで初めて出会ったポケモンの中で、タブンネが一番大好きだった
愛していたからこそ、強いタブンネ達でバトルに勝ち抜き、タブンネはすごいと皆に思って欲しかった
タブンネを愛して欲しかったのだ…しかし、それは悲しい結果を引き起こしてしまったのだ
厳選余りの、誰にももらってもらえなかったタブンネ
牧場のないこの地では、逃がす以外に方法はない、と当時の俺は思っていた
しかしそのまま逃がしてしまったのでは、野生のポケモンに襲われ不幸になるのは分かっていた
だから俺は全員ちゃんとある程度育て、経験値をたっぷり貯めて知識をつけてから逃がしたのだ
その時のタブンネ達は野生生活への希望とこんな俺への感謝と愛情で幸せそうな顔をしていた…
それから一年後の今、タブンネ達がどうなっているかは皆ご存じの通りだ
俺の逃がした強いタブンネ達は、経験値をたっぷり貯め込んだ大勢のタブンネ達は、
努力値と経験値稼ぎのため、狩の対象と化し、追われて草むらに隠れ住む日々を送っている…
最終更新:2011年07月30日 22:06