物心がついたときは既に草むらにいた。近くには誰もいない、親さえも。

「なんでここにいるんだっけ・・・」

ズイタウンの近くの草むらできょとんとしながらあたりを見回した。
しばらく考え込んだが何も思い出せず、とりあえず歩く事にした。
するとおびただしい数の同族の死体があった、食べられたような小さい噛み跡もついている
「こ、ここから離れなきゃ・・・!」
突然、ムクバードが怒りを帯びた目でこちらを睨みながらまっすぐに飛んできた。
ム「またか・・・あのトレーナーめ・・・」
何の事かわからない、が、危険な状況ということはすぐに察した。
そこから逃げようとするがレベルが低くて動きは遅く、更に初めての戦闘で怯える事しか出来なかった・・・
ムクバードは容赦なく、でんこうせっかでそのポケモンを何回も攻撃した。
何回も。よほど怒っていたのだろうか
ム「俺の縄張りによくも毎回・・・今月だけで何回目だ!あのトレーナーだけは絶対に許さん!」


ようやくムクバードの言っている事と自分の立場が分かった、自分は捨てられたのだと。
冷たくなっていく小さな体で涙が流れた。

「どうして・・・どうして僕がこんな目に・・・・・・僕の何が違うのかな・・・何がいけないのかな・・・
・・・生きてちゃ・・・いけないのかな・・・」

ズイタウンを見てみると育て婆のもとで幸せそうに暮らす同族の姿があった。
嬉しそうに卵を貰うトレーナーの姿も・・・




・・・なんで・・・・・・捨てられたのかなぁ・・・


作 初代スレ>>309

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最終更新:2007年10月19日 20:01