生まれたばかりの僕を『いらない』と言って捨てた人は、僕と同じ種族の子を抱っこして笑っていた。
『お前はいい子だな』
『かわいい』
『頼りにしてるぞ』
優しい言葉が沢山ふっている。
いいな、あの子。あの子は幸せそう。
抱っこ、あったかいのかな。僕も抱っこされたかったな。
僕とあの子の何が違ったのかな。どうして僕はダメだったの?
強くないとダメなの?
努力してもダメ?
いいんだ。僕、覚えてるもの。
僕の卵を抱っこしてくれた、あったかい腕とゆらゆらした優しい世界。
『早く生まれろよ』って何度も呼ばれた。
僕、望まれて生まれたんだ。
だから、いきていけるよ。覚えてるから、頑張れるよ。
ひとりでも。
作 初代スレ>>669
最終更新:2007年10月20日 15:10