空は広かった。

怖いくらい青い空は、広かった。

暗さなんて、感じさせなかった。

私は、薄暗い所を好む。
薄暗い中の一点の光は、もっと好きだ。
もっと、好きだけれども。
その『薄暗く、少しだけ光の差すような場所』は目の前にあるのだけれど。

ドクケイルは、洞窟に住むべき者ではない。

陸は、遠い。
きっと、とても、遠い。
どれだけ長い海を越えろというのだろうか。
分からない。

だけれど、飛ぶしかない。
私は仕方なく『薄暗く明かりのある場所』の前から去った。

どれだけ飛んだのだろうか。
私は、花に覆われた美しい野原を見つけた。
ロゼリアが舞い、フローゼルが泳ぎ、ぺラップが飛ぶ。
そして、私が何故か良く知ったポケモンであるアゲハントを見つけた。
…決めた。私はここに棲む事にしよう。
彼らなら、受け入れてくれるかもしれないから。




あれから、半年が経った。
最初は馴染み難かったものの、月日が経つとすっかりそんなことはなかったかのようになっていた。
そして、私と何体かのアゲハントの間に子供もできた。
……己の生命を、楽しく過ごせたのだろう、私は。
最期に私は、どうしても言いたいことがある。
愛する者たちにか?否、違う。
それとも神にだろうか?…生憎無神論だ。
…少し経ち、私は結論を出したのだ。

ソーラービームを生かせなくてすまなかった、ご主人。


作 2代目スレ>>71-72
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最終更新:2007年11月05日 18:44