「よろしくな、俺のニドラン!」
少年は、生まれたばかりのニドラン♂を抱き上げ、満面の笑みを浮かべていた。
命の誕生の瞬間……いつ立ち会おうと微笑ましくも嬉しいものである。
……が、少年よ。ワシは一つだけ問いたい。
「少年よ。それだけそのポケモンが好きなら、何故今まで数多くの同種を犠牲にするような事をするのだ」、と。
ワシも若い頃はトレーナーとして、パートナーと共に野山を駆け抜けて、何人ものトレーナーとバトルし続けた。
ワシの隣で、いつも一緒に戦ってくれたアイツ……今は引退し、もうアイツは居ないが、それでも鮮明にあの頃を思い出せる。
少年よ。大切なのはポケモンの能力などではなく、そのポケモンと過ごして来た日々なのではないのか?
「大事に育てるんじゃよ」
最後に少年にワシから言える言葉は、ただそれだけだった。
願わくば、生まれた命に幸の多からん事を……
作 2代目スレ>>134
最終更新:2007年11月11日 13:04