「ごめんね、君じゃダメなんだよ」

…あいつは、何度も謝ってまた同族を草原へ放す。
もう何度目だろうか。
他にも無言で幼いポケモンを逃がす奴、
酷い言葉をかけて逃がす奴もいる。

そんなわけで、このズイ付近の草むらはすごい事になっている。

あいつらは生まれたての同族を野性の世界に放している。
…今まで何匹逃がされたか。
今まで何匹殺されたか。
今まで何匹飢死したか。

俺はまだ強い奴らに見つかっちゃいない。

何処の誰だ、あんな凶暴なアブソル逃がした奴は。
見つかったらはい終わり。
奴の経験値にされて、食料にもされる。

強い奴に見つからなくても飯がない。
同族の死体を食うしかなかった。
正直気が引けるが、本当にここらへんには飯がないのだ。
遠出すればアブソルやポチエナ軍団に襲われる。
俺はまだ鳴き声ぐらいしか使えなくて、野生のポケモンには勝ち目がない。

…あ、またあいつが来た。

「ごめんね、君もダメみたい」


作 2代目スレ>>141

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最終更新:2007年11月18日 14:56