『我々は政府の邪悪なる圧力に屈しない!』


なんか長ったらしい台詞をはいている。

ぼくの主人はたぶん馬鹿だ。



ぼくのカタチとそっくりな風船でお空を飛びながら、お空の下に紙屑を撒き散らして主人が叫ぶ。
マイクを使ってるみたい。
あちこちのスピーカーから主人の声が響いてうるさい。

この人も悪い人じゃないんだけどなぁ。

ただちょっと、思い込みが激しくて目立ちたがりで変な電波を受信してて妙な信者がついちゃってるだけで、
黙っていれば優しいところもあるような気がする程度にはイイヒトなのになぁ。


『私は戦う!魔の巣食うこの国から人々を救う為に!』

あ、今 うまいこと言ったと思ったな。
ツマンナイです主人。
(ちょっと笑ってるのが気色悪いです主人)

『この腐った社会に神の鉄槌を―――!!!』


パカリ

風船から落とされたボールからぼくが落ちる。

ひゅるるるる~って風の音。


やっぱりぼくの主人って馬鹿だ。

ぼく、ちょっとだけふくよかなタイプだから、このまま落ちると下にあるデパート潰しちゃうよ。

『さらば同士!君の雄志を忘れない!』

うるさい馬鹿。
全然うまくないんだから言葉遊びはつつしんで。

(同士と雄志がかかってるなんてぼく位しか気付いてくれないんだからね)(あとで気付いて泣けバカ)



このまま落ちたらみんな死んじゃうし、ぼくも死んじゃうよ。

馬鹿。




こんな馬鹿、嫌いになれなかったぼくが一番バカだ。


作 2代目スレ>>146-149

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最終更新:2007年11月24日 18:36