篠原 久典
受験の時に、炭素の同位体には黒鉛とダイヤモンドとフラ―レンがあると習いました。
フラ―レンは60個の炭素原子で構成されており、サッカーボールのような形をしている
ことくらいしか知らなかったのですが、かなり有望な材料で、
この発見はノーベル賞を受賞するほどの世紀の発見だったそうです。
本書は、そのフラ―レンとカーボンナノチューブについて書かれているのですが、
フラ―レンの発見から科学者がどのように試行錯誤したかが書かれており、
全くの専門外ですが非常に楽に読めました。
それぞれ違う専門分野の人が他分野の知識を利用することにより、
点と点が結ばれていったようです。
そういった意味では、常に好奇心を持ち、様々なところにアンテナを
たてて置くことの重要性がわかります。
本書のキーワードであるフラ―レンは『超伝導体(低温で電気抵抗がゼロになる物質)』であり、
カーボンナノチューブは『アルミニウムの半分という軽さでありながら、鋼鉄の数十倍以上の
強度をもち、とくに繊維方向の引っ張り強度ではダイヤモンドする凌駕する物質』だそうです。
シリコン半導体のトランジスタのダウンサイジングの限界が問題になっており、
カーボンナノチューブの電子デバイスが非常に注目されているようです。
単純に見積もっても、現在のシリコン半導体回路の1000倍以上の高性能になると考えられているそうです。
また、ピーポッドというフラ―レンを内包したカーボンナノチューブも見つかっている
ようで、ナノカーボンはこれからも熱い分野だと言えると思います。
私が進む大学院の研究室にも、ナノを取り扱っている研究室もあります。
ただ、カーボンナノチューブを発見した飯島さんは、
「私は、競争はなるべく避ける。世の中には優秀な人はごまんといるので、その人達と同じ土俵に
あがって、早い者勝ちというのはしんどい。・・そう、みんあが騒いでいるところには行かない。
別なところへ行けばいい。」とおっしゃってました。
やはり自分の今のテーマをこなしていくことが大事なのだなと思いました。
2009.12.30 ★★★★★
最終更新:2010年02月18日 22:11