妹尾 堅一郎
妹尾さんは、知的資産経営の分野で東大の特任教授をされております。
本書は、日本は勝てなくなってしまったのかを、
今までに出たどのような本よりも的確にとらえています。
日本が得意とするのは、既存モデルの磨き上げ(インプルーブメント)です。
私たちが、直面しているのはイノベーションなのです。
つまり、『既存モデル磨き上げ』→『新しい価値をもたらす画期的新モデルへの置き換え』
へと移行してしまったが故に、勝てなくなってしまったのです。
ルールごと変えられてしまったというわけです。
花形産業の自動車産業も、電気自動車へ移行することにより潰れてしまうかもしれません。
部品の数が圧倒的に少なくなり、モデルの磨き上げというのが難しいからです。
新しい時代になってしまったということを、もっと切実に受け止めなくてはなりません。
『科学技術がイノベーションの必要十分条件』であった時代は終わりました。
『科学技術は必要条件であるが、十分条件としてビジネスモデルと標準化を含めた
知財マネジメントの摺り合わせ』の時代になったのです。
無くてはならない国際標準的なハードを作った企業が勝つ時代になりました。
これは、日本人が苦手とするところです・・・。
まだまだ、技術面では日本はリードしていますので、
日本の技術に関わる人全員にこの本を読んでもらいたいです。
2010.6.3 ★★★★★
最終更新:2010年06月03日 17:39