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夢夜へのいざない 第一章

「カエルの王様 または 鉄のハインリッヒ」

ヤーコブ グリム、ヴィルヘルム グリム 著 「グリム童話」より




ボークスがお届けする「スーパードルフィー シリーズ」。
いよいよ新たなお話が始まります。「夢夜へのいざない 第一章」はグリム童話よりSDメイクアップアーティスト・MIKEYが感銘を受け、造形師・圓句昭浩と共に「カエルの王様 または 鉄のハインリッヒ」の世界をSDによって表現いたしました。
ボークス オフィシャルアーティスト達のコラボレーションによって創造される、人々の願い事がまだ本当に叶っていたころの世界…貴方の知らない夢夜へお連れいたします。






皆の衆、ようおいでなされた。
今宵は夢夜話にひとつ、わしのとっておきの話をしようかいの。
これを聞いて、つまらぬ争いや心配ごとから一時も早くおのれの心を解放をするのじゃぞ。


それは 昔 むかし、人々の願い事がまだ本当に叶っていたころの神秘の物語じゃ。



それは遙か東方のその向こう、黒い森のまだその先に森の民を治めておったある王の、それはそれは美しい3人の姫君にお話じゃ。
美しい姫君の、その中にあってもさらに底知れぬほどの美しさを秘めた末姫のアメリアさまのお話じゃ。
なにしろこの末姫さまの美しさときたら、太陽でさえ、その光の木漏れ日の中の輝くお姿に、あわてて隠れてしまうほどのものじゃったそうな。


そんなある日のこと、お城の中のお庭の泉の側に姫さまがとおりかかったのじゃ。
そして姫さまがふと水面を覗き込んだそのとき、なんと大切な「まぁり」をその泉の中に落としてしまわれたのじゃ。
あまりのことに動転してしまった姫さまは、大粒の涙をぽろぽろとこぼしながらその場でただ嘆き悲しんでおったのじゃ。


すると、そこへ突然泉の中からカエルが現れたのじゃ。
唖然と見つめ続ける姫様に向かってそのカエルがなんと声を出して話しかけて来たのじゃ。

「どうなさいましたか?アメリアさま。」

なんとそのカエルは姫様のお名前まで口にするではないか。
あまりのことにアメリアさまは、始め、これは夢ではないのかとお疑いになったのじゃが、そこは奇跡の森の中の出来事じゃ、すぐに気を取り直して、そのカエルにこう話されたのじゃ。

「実は大切なまぁりが泉の中に……。」

「なぁ~んだ、そんな事か。なら私が取ってきてあげましょう。」

「え?本当に?」

「はい!でもそれには私の方にも望みがございます。」

「え?どのような?」

「はい。それは私をあなたのお部屋に入れていただいて、姫様のお皿からあなたの食べ物をあなたが私に食べさせてくれ、そしてあなたの寝床にも一緒に入れてくださるというならそのまぁりを拾ってきてさしあげましょう。」

「え?それは……。」

またまた、あまりのことに姫様は、もうただ呆然と立ちすくんでしまうしかなくなってしまったのじゃ。



今夜のところはここまでとしておこうかいの。
このあとはまた夢夜話としてたっぷりと皆の衆にきかせようぞ。





こうして神秘の森の奇跡の物語「カエルのクルト」のお話が始まりました。

美しい姫と、奇妙なカエルの化身。

あなたの心の中に、ほらほらもう「アメリア姫」と「クルト」の姿が見えますよ。
抱きしめてあげたい衝動が創りだす、神秘の物語。
つづきをどうぞお楽しみに。






2006年12月24日 ドールズ・パーティー16





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最終更新:2008年06月03日 22:36