女だけど幼馴染女にもしかしたら恋をしているのかもしれない 第6章:サクの家庭の事情


266 :繝偵・ ◆bIyxAJK7ik [sage]:2012/08/24(金) 19:04:21.00 ID:dWSC7rRZ0
   こんばんは。 
   長いこと来れなくてすいません。 
   
   ちょっと事情があって自分の家じゃないので明日の夜か明後日にまた来ます。 
   あと今サクと一緒です。 
   
   友達にそろそろ下げたほうがいいって言われたんだけど、そうしたほうがいい? 
   それでは。 

267 :繝偵・ ◆r/YpsQRJGE [sage]:2012/08/24(金) 19:06:43.09 ID:dWSC7rRZ0
   あれ、酉が違う。 
   ま、いいか。 

268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/24(金) 19:13:06.66 ID:X8c8go5oo
  久しぶり。文字化けしてるね
  下げるってsageるってこと?

269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(埼玉県) [sage]:2012/08/24(金) 19:18:17.46 ID:Gxq8u9hKo
  ひさしぶりー

  sageでいいんじゃない?もうすぐ8月終わるから荒れることも少なくはなるだろうけど






271 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 00:11:40.71 ID:QTMRo7cG0
   こんばんは。 
   サクを説得してさっき帰ってこれました。 

272 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 00:23:44.93 ID:t4J/0CiCo
  いったい何が?

   >>272 
   言いにくいことなんだけどざっと書いておく。 
   実は私のお姉ちゃんが帰ってきた次の日がサクのお父さんの命日やった。 
   サクとサクのお母さんは毎年命日になると家で二人だけで
   お父さんのことを想いながら過ごすのを決まりになってたんだけどサクのお母さんがそれを裏切った。 
   サクのお母さんがお父さんの命日に新しい彼氏を連れてきてサクに紹介してきたらしい。 
   それにサクが激怒して家出するって言って心配だから私もついていった。 
   家出の行き先はサクのお父さん方のお母さん、つまりお婆ちゃん家でそこに泊まってた。 
   その間、サクと色々話してやらかしてしまった…これは凄い反省してるorz 
   そして今日説得してサクが考え直して帰宅、という感じです。 
   また後日まとめて話します。 

275 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(大阪府) [sage]:2012/08/25(土) 08:25:43.76 ID:pyw68TLRo
  おかえりなさい

  おかん… なんで命日に( ゚Д゚)

276 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 11:55:17.90 ID:LwE05Q2u0
  ・・・
  人間誰しも完璧ちゃうからな・・・

279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(愛知県) [sage]:2012/08/25(土) 20:44:55.68 ID:DEeTzC3I0
  そろそろくるか…!






280 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 20:50:41.56 ID:Ltpt5av80
   こんばんは。 
   少しだけまとめたから報告しようと思うんだけど誰かいますか?

281 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 20:51:24.69 ID:R7JlGFFyo
  いるよっ!

   >>281 
   反応早いなww

283 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 20:53:01.06 ID:Ltpt5av80
   では報告始めます。

285 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 20:56:00.24 ID:Ltpt5av80
   18日に私のお姉ちゃんが東京から帰ってきた。 
   サクはお姉ちゃんが大好きやから帰ってきたってメール送ったらすぐ家に来てお姉ちゃんにべったりやった。 
   ちょっとだけお姉ちゃんにやきもち妬いた、かも。 
   夜になったらサクが帰るって言ったからサクの玄関まで送ることにした。 
   
   ヒ「明日は何するん?」 
   サ「じゃがいも作る」 
   ヒ「…は?」 
   サ「え?」 
   ヒ「え、なに?じゃがいも作るん?」 
   サ「…あ、ちゃう!肉じゃが!ww」 
   
   いつも通りアホやった。 
   
   ヒ「サクは肉じゃが作られへんもんなー。いつも失敗してるしww」 
   サ「そーやねん。お父さんの大好物やったから作りたいんやけどなー」 
   ヒ「もしかしたらお父さんが成功させんように悪戯してるんちゃう?ww」 
   サ「えー、なにそれーwwww」 
   ヒ「もっともっと作ってくれるように、わざと失敗させて何回も作らせてるとか?ww」 
   サ「そんなんしとったらお父さんのことシバく!ww」 
   ヒ「うわー、お父さん虐待やー!」 
   サ「なんであたしが悪者になってんねんwwww」 
   
   二人でケラケラ笑いながら喋ってた。 
   サクはお父さんの話をするとき、凄い嬉しそうに幸せそうな顔で話す。 
   私はサクのその顔を見るのがすごい好きや。 

286 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 20:57:36.85 ID:Ltpt5av80
   ヒ「私も明日はお菓子作ってサクのお父さんにあげる」 
   サ「いつもありがとーな。お父さんも絶対喜ぶ。あ!あたしの分も作っといてやー?ww」 
   ヒ「はいはいwwじゃ、また明日」 
   サ「うんっ!」 
   
   いつも通り玄関前で別れた。 
   サクは鼻歌歌いながら家に入ってった。

288 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:00:24.80 ID:Ltpt5av80
   翌日 ちょっと早めに起きてお姉ちゃんと一緒にお菓子作った。 
   サクの分と、サクのお母さんの分と、サクのお父さんの分と、ついでに弟の分。 
   昼前に作り終わってラッピングしてからサクの家に行った。 
   インターホン押してしばらく待ったら知らん男の人の声がした。 
   
   男「はい」 
   ヒ「え、あれ?…あ、あの…サクちゃんいますか?」 
   男「あ、えーっと…ごめん、ちょっと待って下さいね」 
   
   しばらく待ったらサクのお母さんが出てきた。 

289 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 21:01:31.35 ID:R7JlGFFyo
  こっからが大変なのか…ゴクリ

   >>289 
   ほんまに大変やった…。

290 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:01:57.00 ID:Ltpt5av80
   サクのお母さん「ああ、ヒマちゃんこんにちは。久しぶりやね」 
   ヒ「こんにちは。あの、今の男の人って…」 
   サクのお母さん「あ、えっと…今お付き合いしてる人やねん」 
   ヒ「え?」 
   サクのお母さん「今日サクに紹介しようと思って内緒で連れてきてんけど…あかんかったわ」 
   
   サクのお母さんが苦笑してた。 
   
   ヒ「サクどうしてるんですか?」 
   サクのお母さん「それがさー…紹介した途端、怒って家出てってん」 
   
   唖然。 
   私もいきなりのことすぎて口あきっぱなし。 

291 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:03:21.63 ID:Ltpt5av80
   ヒ「どこに行ったとか分からないんですか?」 
   サクのお母さん「電話してんけど分からんねん…彼もここらへん探してくれたけどおらんかった」 
   ヒ「なら見つけるの無理ですね」 
   サクのお母さん「えー…」 
   ヒ「サクは昔から怒ったら1人でふらーっとどっか行く奴ですから、当てずっぽうに探しても無理やと思います」 
   サクのお母さん「…どうしたらええんやろ…もう、サクのアホ…彼も困ってるし、ほんまにあのアホ…」 
   
   サクのお母さんが眉間に皺寄せて考えてるのを見て思わず口を出してしまった。 

293 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:05:24.71 ID:Ltpt5av80
   ヒ「あの…サクの幼馴染として、いらんこと言ってもいいですか?」 
   サクのお母さん「なに?ええよ」 
   ヒ「もうちょっとだけサクのこと考えてあげてもらえませんか?
     サク、すっごいお父さんが大好きなんですよ。今でもめっちゃ大好きなんです。本当に大好きなんです。
     あんまり自分の記憶になくても、あたしのお父さんってこんな人やったんかなーっていつも嬉しそうに話すんですよ。
     そんなお父さんの大切な日に、急に新しい人を紹介されたらサクが…」 
   
   ここで我に返った。 
   すごい感情的になってたけど、これはサクの家の問題で私は他人。 
   私が口なんか出したらあかんかったのに思わず言ってしまった。 
   サクのお母さんって見た目ちょっと怖いからじっと見られてるときは怒られるんちゃうかと思って若干震えてた。

294 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:08:18.77 ID:Ltpt5av80
   そしたら急に頭撫でてきた。 
   
   サクのお母さん「ヒマちゃん、ありがとーな。ヒマちゃんはほんまにお母さんに似とるね。
           でも私だって考えなしに今日彼を連れてきたわけちゃうねん」 
   ヒマ「え?」 
   サクのお母さん「今日はあの人が死んだ日やろ?だからあの人にも今の彼を紹介したくて、認めてほしくて今日連れてきてん。
           確かにサクに事前に何も言わん かったのはあたしが悪いし反省してる。
           でも私は今の彼のことも、お父さんと同じくらい好きやからサクにも好きになってほしくて…。
           あかんな、私。もう親失 格なんかもしれんな…。ヒマちゃん、ほんまにありがとうな」 
   ヒマ「いや、私も勝手なこと言ってすいません…」 
   サクのお母さん「ヒマちゃんもサク探すの手伝ってくれる?ヒマちゃんの言うことやったら、サクは聞くから」 
   ヒマ「はい」 
   サクのお母さん「いつもいつもごめんな。私サクの母親やのに、サクに母親らしいことなんかしてあげられてへんなぁ…」 
   ヒマ「…そんなことないと思います」 
   サクのお母さん「…ヒマちゃんは優しいな」 
   ヒマ「あの、じゃあ探してきます」 
   サクのお母さん「うん。見つかったら連絡頂戴な」 
   ヒマ「はい」 
   
   サクのお母さんとこんなに話したんは数年ぶりやった。 
   基本的に朝帰ってきて昼は寝てるし、夜は仕事行ってるからあんま見ることもないんよね。 
   サクは起こさんように気を遣っていつも私の家に遊びに来てるし。 
   サクはほんまにええ子なんやなーって思った。 
   こう思うと私がちょっと気持ち悪いけど…ww 

295 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:10:32.63 ID:Ltpt5av80
   とりあえずサクに電話しまくった。 
   メールもしまくった。 
   電話しまくって30分くらい経った頃、サクが出た。 
   
   サ「なんやねん、きもい」 
   ヒ「お前さっさと出ろや、ぼけ」 
   サ「…なに?」 
   ヒ「なに泣いてんの?」 
   サ「は?別に泣いてへんし」 
   ヒ「しゃっくりが密かに聞こえるんですけど」 
   サ「…ヒマには関係ないやん」 
   ヒ「関係ある」 
   サ「ない」 
   
   イラッとした。 

296 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:12:17.92 ID:Ltpt5av80
   携帯を口元の前に向けて思いっきり大声で言った。 
   
   ヒ「サクのこと好きやから心配しとんねん!文句ある!?」 
   
   恥ずかしくて死にそうやったけど堪えて携帯を耳に当てた。 
   そしたらサクがクスッて笑った。 
   
   サ「どこの少女漫画ww」 
   ヒ「お前が言わせたも同然やどあほww」 
   サ「wwww…えっと…今な、○○駅の近くにおる」 
   ヒ「おま、えらい遠くまで行ったなー…」 
   サ「うん…」 
   ヒ「そこで待っとき。迎えに行くから」 
   サ「…来んでいい」 
   ヒ「なんで」 
   サ「家に帰りたくない」 
   ヒ「じゃあそっちに行く」 
   サ「だから来んでいいって…」 
   ヒ「連れ戻すんちゃう。サクが心配やからそっちに行くだけや」 
   サ「…」 
   ヒ「行くだけやったらええやろ?」 
   サ「…うん」 
   ヒ「じゃあ今すぐ行くから、駅の改札口で待っといてな」 
   サ「分かった」 
   ヒ「あ、あとさ」 
   サ「なに?」 
   ヒ「鼻水はちゃんと拭いとけよ!垂らしながら改札で手振るとかそんな状況ならんようにな!」 
   サ「ならんわ、あほ!wwww」 
   
   最後にサクも泣きながらやけど笑ってくれてホッとしてからダッシュで最寄り駅まで自転車漕いでサクのおる駅に行った。 

297 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:14:27.15 ID:Ltpt5av80
   改札に行くとサクが俯きながらおった。 
   
   ヒ「おっす」 
   サ「…おっす」 
   ヒ「ここらへんコンビニある?」 
   サ「ん、そこにある」 
   ヒ「良かったー。どっかのあほが遠くに行ったせいでめっちゃ走らされて喉渇いてんねん。ちょっとジュース買うー」 
   サ「…ごめんな、ヒマ」 
   ヒ「…じゃあ奢って」 
   サ「はぁ?」 
   ヒ「人に心配かけた罰。奢ったら綺麗さっぱり忘れたる」 
   サ「ヒマ、そういうとこ最低ww」 
   ヒ「へっへーんwwww」 
   
   結局なっちゃんを奢ってもらいました。

299 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:16:42.25 ID:Ltpt5av80
   サクと近くのベンチに座った。 
   
   ヒ「家に帰らんの?」 
   サ「うん」 
   ヒ「なんで?」 
   サ「あんな男がおる家になんか帰りたくない」 
   ヒ「…そう」 
   サ「…」 
   ヒ「…で、どうするん?」 
   サ「…どっか泊まる。バイト代貰ったし」 
   ヒ「無茶言うなー」 
   サ「それしかないやん」 
   
   サクが口尖らせて悲しそうに言ってた。 
   その横顔見てサクのこと思うとこっちも苦しくなった。 
   それで思わず言ってしまった。 

301 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 21:18:18.37 ID:R7JlGFFyo
  お母さんも女手一つで子育て大変だね…それを理解してるサクもいい子だ。
  ヒマさんかっこいいー!!

   >>301 
   親族とも色々あるみたいですごく大変そう。 
   でもサクのお母さん、会うときはいつも笑顔やねん。 
   サクはそういうとこお母さんに似てるんやろうなー。 

302 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:19:07.56 ID:Ltpt5av80
   ヒ「…お婆ちゃん家行けば?」 
   サ「え?」 
   ヒ「ほら、お父さんのほうのお婆ちゃん家。こっからはそう遠くないんちゃうん?」 
   サ「…だいぶ行ってへん」 
   ヒ「私もサクに連れられて一回行っただけやなー」 
   サ「…うん、分かった。そこ行く」 
   ヒ「荷物は?」 
   サ「家には帰らん」 
   ヒ「そっか。なら私も行く」 
   サ「は?」 
   ヒ「いや、サクのこと放っておかれへんし」 
   サ「あかん。ヒマまで巻き込みたくない」 
   ヒ「巻き込まれなんかせん。サクとぷらーっと旅行するようなもんやろー」 
   
   わざと調子乗ったような顔してどや顔して言ったらサクも笑った。 
   
   サ「そっか、旅行かーwwww」 
   ヒ「そうそう、旅行や旅行ww」 
   サ「旅行なら一緒に行こかww」 
   ヒ「うん、うんwwww」 
   
   そして二人でサクのお婆ちゃん家に向かった。 
   私は事情を親とお姉ちゃんにメールで送って、お姉ちゃんが親を説得してくれたみたいで無事に許可を得た。 
   サクのとこには親から事情を伝えてくれたみたいだった。 

304 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:24:52.14 ID:Ltpt5av80
   2時間くらいしてサクのお婆ちゃんの家に着いた。 
   すごい田舎だった。 
   サクがお婆ちゃんの家に着くなり玄関に入ってお婆ちゃんに土下座しながら事情を話した。 
   お婆ちゃんはいきなりすぎて最初は目を丸くしてたけど
   最後は「そうかい、そうかい。疲れたやろ?ゆっくりしな」って言って優しく笑ってくれた。 
   サクはその言葉を聞いた瞬間、ぶわーって泣いてた。 
   それを私とお婆ちゃんと二人でなだめた。 
   
   それからお婆ちゃんは私とサクにすごく良くしてくれた。 
   私なんか血も繋がってないただの他人なのに、孫であるサクと同じくらい優しく接してくれた。 
   お爺ちゃんも無口な人やったけど、たまに「茄子、食べるか?」とか言って優しくしてくれた。

305 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:25:54.21 ID:Ltpt5av80
   すいません、ちょっとサクと会ってきます。

306 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2012/08/25(土) 21:27:41.56 ID:LwE05Q2u0
  行ってら~ww

307 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 21:28:21.17 ID:fP1Hnqxco
  いってらっしゃい

  二人ともいい子だな





309 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:44:04.28 ID:Ltpt5av80
   ただいま。 
   報告の続きします。

311 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2012/08/25(土) 21:52:42.24 ID:LwE05Q2u0
  早いなww

   >>311 
   お菓子のお礼と、あと今回の件のお礼言われただけやった

312 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:53:32.49 ID:Ltpt5av80
   食事はずっとお婆ちゃんらが用意してくれて服は近場のしまむらとかに二人でバイト代使って買ったりした。 
   そしてお婆ちゃんの家に行ってから五日目。 
   夜、私がお風呂から上がって部屋に戻るとサクが部屋の窓から星空をぼーっと眺めてた。 
   本当にぼーっとしてる感じやった。 
   
   ヒ「サク?」 
   サ「…」 
   ヒ「おい、サクー」 
   サ「あっ、なに?」 
   ヒ「大丈夫?」 
   サ「うん…」 
   ヒ「…お婆ちゃんら優しいな」 
   サ「うん」 
   ヒ「もうここ来て五日やで。どうするん?」 
   サ「知らん」 
   ヒ「あのさ、ここにおっても何も変わらんで」 
   サ「…分かってるよ」 
   ヒ「…あっそ」 
   
   しばらく沈黙が続いた。 
   私はサクの隣に座って一緒になって星空を眺めた。 

314 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 21:58:00.12 ID:Ltpt5av80
   そしたらサクが口を開いた。 
   
   サ「お父さんさ…どんな人やったんやろ?」 
   ヒ「…知らんよ」 
   サ「お父さん、優しい人やったんかな」 
   ヒ「…そうなんちゃう」 
   サ「お父さんの声とかどうやったんかな?男らしくて低かったんかな?」 
   ヒ「…そうなんちゃう」 
   サ「お父さんの笑った顔とか、どんな顔やったんやろな?」 
   ヒ「…分からんよ」 
   サ「お父さん、あの星のどれかなんかなぁ?」 
   ヒ「…」 
   サ「あたしのこと、今も見守ってくれてるんかなぁ?なんて…ww」 
   ヒ「……うん…」 
   サ「そっかー…あはは………あかん…もうあかん…」 
   
   「うぅっ」って声と一緒にサクが泣き始めた。 

315 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 22:01:50.99 ID:Ltpt5av80
   私はもちろん、サクもお父さんのことをあんま知らん。 
   顔もそんなハッキリとは知らんらしくて、写真はサクの赤ちゃんの頃に一緒に写ってるのが数枚だけしかないらしい。 
   サクのお父さんが亡くなったのはサクがまだ小さい頃で、
   サクが物心ついたときに私のお父さんとか運動会で見る友達のお父さんたちを見て
   「なんであたしの家にはお父さんおらんねんやろ?」って思って直接お母さんに聞いたらしい。 
   そのときからお母さんにお父さんがどういう人やったかっていう話を聞いて、自分の中で自分のお父さんを想像してサクは育った。 
   でもサクはお母さんから聞いた話のお父さんが大好きやったみたい。 

316 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 22:06:11.75 ID:Ltpt5av80
   サクが声を殺しながら泣いてた。 
   
   サ「涙が止まらへん…変なの…」 
   ヒ「うん」 
   サ「絶対泣かへんって決めてたのに…」 
   ヒ「うん」 
   サ「泣いたらお父さん心配するやん…泣いたらあかんやん…やのに…止まらへん…」 
   ヒ「…」 
   サ「ヒマ…涙止めて…」 
   ヒ「…」 
   
   手を握った。 
   
   サ「あかん、まだ…まだっ…止まらへんっ…」 
   
   強く手を握った。 
   
   サ「ヒマぁ…」 
   
   何か分からんけどこっちまで泣いてしもた。 
   
   サ「うぅっ…っ…」 
   
   抱きしめた。 
   
   サ「ヒマっ…ヒマぁっ…」 
   
   強く抱きしめた。 
   
   サ「ごめんな、ごめんっ…ヒマっ…ありがとうっ…」 
   
   言ってることが支離滅裂だった。 
   泣いてて嗚咽をもらしながら息も荒げて苦しそうに謝ったりお礼言ったりしてた。 
   だから抱きしめながらサクの頭を撫でた。 

317 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 22:07:50.43 ID:Ltpt5av80
   今まで相当我慢してたんやと思う。 
   それが今回の件で気持ちが爆発したんか分からんけど、今までに見たことないくらいサクが泣いてた。 
   
   ヒ「もう何も言わんでいい。いっぱい泣いていいよ」 
   サ「でも、なんか泣くの嫌や…泣くの苦しいっ…」 
   ヒ「なら私も一緒に泣いたる。それやったら平気やろ?」 
   サ「ヒマっ…ヒマぁ…」 
   
   ここで私の頭がおかしくなった。 
   多分、泣きながらサクに名前を呼ばれ続けられて、しかも強く抱きしめられてたからかもしれん。 

318 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 22:15:56.06 ID:Ltpt5av80
   私は泣きながらサクの顔を手で寄せて額にキスした。 
   次に頬にも優しくキスした。 
   サクはずっと泣いてるだけだった。 
   次に自然とサクの口に軽くキスした。 
   二人とも嗚咽漏らして鼻すすったりしながら口を当てた状態。 
   離してしばらく経つと、次はサクからキスしてきた。 
   軽く口がかすかに当たるくらいのキス。 
   私も同じように仕返した。 
   そしたらサクもキスをしてきた。 
   
   でもこれは愛情があるキスじゃなかったと思う。 
   私がしたキスは、サクの寂しさを埋めたかったから。 
   私がサクの傍におるって分からせたくて、それを分かってもらうためにどうすればいいのか分からんくて
   迷ってたら自然とキスしてしまってた。 
   いやでも正直下心もあったと思う。 
   あとサクがなんでキスし返してきたのかは分からんかった。 
   
   なんか文章で書くとシュールやな。

319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2012/08/25(土) 22:16:13.87 ID:tSbzXeY30
  まさか?

   >>319 
   まさかのまさかやった。

320 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 22:16:48.64 ID:Ltpt5av80
   外で物音が聞こえた途端に我に返ってサクの肩を離した。 
   
   ヒ「…ごめん」 
   サ「…ううん。…ありがとうな。もう、大丈夫やから」 
   ヒ「うん…」 
   サ「…もう、寝る?」 
   ヒ「うん」 
   サ「じゃあ布団敷かなな」 
   ヒ「うん」 
   
   布団を敷いて電気を消して二人で仰向けに寝ながら無言。 
   するとサクから口を開いた。 

321 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 22:19:53.12 ID:Ltpt5av80
   サ「ほんまに、ごめん」 
   ヒ「へ?何が?」 
   サ「なんか…ヒマの気持ち利用するようなことして…」 
   ヒ「んん?」 
   サ「なんか…言葉にするん難しいけど…さっきヒマが…キス、してくれたとき…なんか安心した」 
   ヒ「うん」 
   サ「それであたしもしてしまった」 
   ヒ「うん」 
   サ「…でも考えたら、そういうのって簡単にしたらあかんと思うねん」 
   ヒ「そやなー」 
   サ「だから、その…利用するようなことしてごめん…」 
   ヒ「いや、まあww私はファーストキスとかでもないしwwまあ、うんww」 
   
   頑張れ、私。 

322 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 22:20:44.64 ID:Ltpt5av80
   ヒ「ささ…サクと…すす、す好きな人とキスできて、嬉しかった、し?wwうんwwwwははっww」 
   サ「あほwwww…うん、ありがとーな」 
   ヒ「いえいえwwww」 
   サ「あのさ」 
   ヒ「なに?」 
   サ「…さっきのちゅーな」 
   ヒ「うん」 
   サ「あれあたしのファーストキス!それじゃ、おやすみ!!(早口)」 
   ヒ「えっ」 
   
   サクは布団を頭まで被って寝た。 
   私も動揺したまま寝た。 
   いや、寝られへんかったけど…。

324 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 22:23:57.04 ID:4j60OmODO
  ついにやりおったなww

   >>324 
   人間っていざというとき何するか分からんよね。 

325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 22:27:53.31 ID:Xq0CZMNSO
  二人で泣きながらキスの応酬とかシチュエーション神がかってるな

   >>325 
   文章ではそう見えても二人とも鼻水垂らしながら泣いてたからちょっと他から見ると汚かったかも。 

326 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(京都府) [sage]:2012/08/25(土) 22:28:35.56 ID:tSbzXeY30
  てかすでにラブラブとしか思えんw

   >>326 
   えー…なんかそれからが普通やったから何とも言えん。 
   でも一歩くらい進めた気がする。

327 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 22:32:21.68 ID:Ltpt5av80
   そのあとは普通にいつも通り接してた。 
   キスとかせーへんかったと思うくらい普通やった。 
   それでサクを帰るように説得して喧嘩してお婆ちゃんにサクのお父さんの話をちょっと聞いてサクと話し合って帰ることになった。 
   
   帰るとき、サクのお婆ちゃんが一枚の写真をサクに渡した。 
   
   サ「これ何?」 
   サクのお婆ちゃん「あんたのお父さんの写真や」 
   サ「これ…お父さん?」 
   サクのお婆ちゃん「大きくなってからの写真はそれしかないねん」 
   
   写真見ると大体同い年かそれよりちょっと上くらいの写真やった。 
   
   サ「でも、お婆ちゃん…こんなん貰われへん」 
   サクのお婆ちゃん「ええんよ。サクちゃんが大事に持っといて。○○(サクのお父さん)も、そうしたらきっと喜ぶわ」 
   サ「お婆ちゃん…ありがとう、ありがとうな」 
   
   また泣いてた。 
   サクは帰り際の電車でずっと嬉しそうに写真を眺めてた。 
   その写真のサクのお父さんは、すごい楽しそうにザリガニを捕まえて満面の笑みを浮かべてた。 
   
   帰ったあと、サクは無事お母さんと仲直りしてお母さんの新しい彼氏とも今日改めて会ったらしい。 
   すごい良い人やったけどちゃんとお母さんを幸せにできるかどうかこれから見極めていくって笑いながら言ってた。 
   さっき会ったとき前のサクよりちょっと明るくなってた気がする。 
   無理に明るく振舞う部分とか少なくなったと思う。 
   
   私も改めて思った。 
   サクのことを見て、考えるだけですごい思うんだ。 
   ああ、やっぱこいつのこと好きなんやなーって。 
   
   報告は以上です。

329 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(東京都) [sage]:2012/08/25(土) 22:34:10.14 ID:LwE05Q2u0
  なんか、2人の相性の良さがわかった気がする

   >>329 
   昔からの付き合いだからそこは自信ある。

332 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 22:42:25.70 ID:fP1Hnqxco
  年のせいか涙腺緩くていかんわ(´;ω;`)

   >>332 
   つハンカチ 

333 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 22:43:37.95 ID:+vDmxO+Go
  報告お疲れ様

  サクにお父さんの事を語るときのサクのお母さんは本当にいい表情してたんだなと思う
  だってね、物心つく前に居なくなってしまった人を好きにさせるなんて凄いことだよ!

   >>333 
   ありがとう。 
   私のお母さん曰くサクのお母さんとお父さんは中学のときからラブラブやったらしい。

335 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 22:50:04.63 ID:0eiMnbA0o
  ワンピース見て泣いて、このスレ見てさらに泣いた

   >>335 
   そういえば今日ワンピースやってたみたいやな。 
   私のとこ24時間テレビ見てる。

337 :ヒマ ◆sbMZvw2Now [sage]:2012/08/25(土) 22:59:17.93 ID:Ltpt5av80
   明日は中学のときの友達含めてサクと遊んできます。 
   なので落ちます。 
   報告聞いて下さってありがとうございました。 
   
   それではお休みなさい。

338 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2012/08/25(土) 23:00:06.88 ID:fP1Hnqxco
  おやすみ

344 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(長屋) [sage]:2012/08/26(日) 09:08:41.11 ID:Yl5BxQ91o
  。゚(´pω・`)゚。ブワッ
  田舎の夏の夜空の下でキスしあうとかロマンチックすぎるwww
  これでまた絆が深まったなー

   >>344 
   田舎めっちゃ涼しかった。 
   絆深まってたらええなー。









最終更新:2013年04月30日 18:45