百合系で萌えてしまうんだが・・・ 第14章:あの時に、気付いた

749 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/23(土) 00:45:09.47 ID:6vriptqR0

   それから、どのくらいの時間泣いていたのかは分からない
   
   やっと涙が治まった頃にはきっと某はひどい顔をしていたんだと思う
   
   それでもそろそろ顔を見せても良い頃合だと思い、
   
   「もう大丈夫…あの、その、…ありがとう」と背中越しに伝える
   
   ここでも素直になれないヘタレな某
   
   
   しかし次に待っていたのは、後ろから伸びてくる手と背中に感じる柔らかい感触
   
   …某、後ろから抱擁されていた
   
   いきなりの展開にさっきまで泣いていた事も併用して、物凄く恥ずかしくなってしまう
   
   恥ずかしいからジタバタして離れようとするが、中々離してくれない件の子
   
   …もう泣いて体力も使い果たした感もあったので、某、諦めた
   
   ただ、泣き顔とは別の意味で顔が紅潮していただろうから絶対に顔だけは上げなかった
   

759 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/23(土) 00:51:38.89 ID:6vriptqR0
   「…○○(某’s名前)。…辛かったら、いつでも相談してね。
    ○○は素直じゃないから誤解されやすいだろうし、あんまり器用じゃないから問題が多くなると私は思うんだ
    だからこそ、そういう時は私を頼ってくれて良いんだよ? ね?www」
   
   そう言って、後ろから抱きしめてくれている子は朗らかな笑い声を聞かせてくれる
   
   
   あの時に、気付いた
   
   気付いてしまった
   
   何で友達じゃ駄目なのか
   
   何でその先を望んでしまう馬鹿な某が居るのか
   
   
   何で好きじゃないんだろう
   
   何で愛してしまったんだろう
   
   
   また泣くのは申し訳無いので、唇を噛んで無理矢理微笑んでみた
   
   普段から笑う事はあんまり無い某だから、きっとぎこちなかっただろう
   
   それでもあの子は微笑を返してくれた
   
   それだけで、某は凄く嬉しい
   

762 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/23(土) 00:55:00.11 ID:KKRkhV2QO
  なんだよ某…文才ありすぎだろ常考……

  自分の汚さに絶望したわ……

764 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/23(土) 00:56:43.71 ID:jL/vC84lO
  間違いねぇ…今世紀最大の純愛物語だよこれ…
  事実は小説より奇なりって言うけどもうそんな次元じゃないよ…
  運命ってのもなかなか捨てたもんじゃないんだなぁ…

772 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/23(土) 01:02:44.30 ID:B2KAMzSC0
  綺麗な文章だ。

776 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/23(土) 01:06:39.09 ID:6vriptqR0
   「…ありがとう」
   
   自分の精一杯の気持ちを伝えてみると、
   
   「よしよし!w」
   
   と、頭を撫でられた
   
   某は座っていて、件の子は肩膝をついている
   
   何か得意気に某の頭を撫でていると、この子も身長はちょっと気にしていたのかなと思ってしまった
   
   某の胸と件の子の身長がフュージョンすれば丁度良さそうな感じだなぁ…とボンヤリ考えていると
   
   「ホラホラ、顔洗ってきなさいw 今、目が腫れぼったくなってるよ〜www」
   
   と言われたので洗面台を借りる事に
   
   
   確かに目が真っ赤で、兎みたいな感じになっている
   
   これはひどいと言わざるを得ない状態だったな…
   
   結構な時間をかけて、洗顔を済ませて部屋に戻った
   

795 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/23(土) 01:20:38.65 ID:6vriptqR0
   この顔じゃ流石に帰れないだろう、と言ってくる件の子
   
   某だって大和撫子。…この顔は親しい人にしか見せたくない。
   
   もう一日だけ、泊めてもらう事にした
   
   「…なんていうか、その、もぅ、あの、色々…ゴメン」
   
   「いいに決まってるじゃないwww 私は嬉しいよwwww」
   
   「……?」
   
   「○○はさ、いつも色々と我慢して気持ちを殺してるみたいに思ってたからさ〜。
    …泣いてくれて、ちょっとだけ安心した」
   
   「…うん、ありがとう」
   
   まぁ、一番の気持ちを押し殺しているとかは流石に言えなかったワケであって…
   
   「それに〜! ほら、○○綺麗じゃん!www 美人の泣き顔って私グッと来るんだよね〜〜wwwww」
   
   「…別に美人じゃない。…もぅ、馬鹿じゃないの?」
   
   「だよね〜www 馬鹿でスンマセンwwwwwwwww」
   
   
   この明るさに、きっと某は救われている
   
   きっとこの子が居るから、某は毎日が楽しく思えるんだろうと感じている
   

802 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/23(土) 01:34:31.21 ID:6vriptqR0
   流石にスカートで寝るのは無理なので、パジャマを借りて就寝準備へ
   
   
   そして寝る前…
   
   某、勇気を出してみた
   
   「…あの」
   
   「ん? どうしたの〜?w」
   
   「…も、も、も、もし良かったら」
   
   某、緊張のあまり久しぶりにどもってしまった
   
   「…い、一緒に、寝、ない…とか、言う、冗談だけど…」
   
   多分転生しても、某はきっとヘタレで生まれてくる事は間違い無いだろう
   
   しかしどうだ?件の子はニンマリと笑って、
   
   「いいよ〜w 温かいし、別にいいじゃんいいじゃんw」
   
   と了承してくれた
   
   あの時の某のヘタレオーラに、まさかの慈愛が働いてくれるとは思わなんだ










最終更新:2010年01月28日 18:37