憂鬱世界暗黒系
これで、何度目だろう。
「――――あなたに逆らうということは、涼宮さんに逆らうこと、ですからね……」
古泉は笑わない苦笑をした。
仕方ないですね、まるであやすような口調のつもりなんだろうが、俺は、俺にはわかる。お前の顕著な嫌悪。知ってるんだ、知っていながらお前を犯す。
俺は口端だけうっすらとあげて、俺の両腕の間にある古泉の顔を見下ろす。下卑た笑みをしていると、我ながらに思う。
乱暴に口づけて、乱暴に衣服を剥ぐ。古泉は身じろぎこそすれ、ろくな抵抗をしない。
申し訳程度の愛撫をしながらふと古泉の顔を見ると、引きつってはいたがその表情は笑みだった。
それがひどく癪に思えた。
本当に必要最低限の愛撫だけして、俺は一気に、貫いた。
叫び声のような、いや、これは叫び声だ。古泉は叫んでいた。
すでに笑みは崩れ去り、そこにあったのは苦痛にどうにもならない顔だった。ずっと、見たいと思っていた顔だった。
反比例のように俺の笑みは濃くなり、古泉のことなどまるで思いやらずに激しく動く。その度古泉はけして快楽の伴わない喘ぎ声を漏らし、俺はきっとそれにすら興奮していたのだ。
そして俺は、すでにボロボロになっていた古泉を、その後気の済むまで揺さぶり続けた。
きっと、これはレイプなんだ。あらゆる意味で。
引き抜いて、衣服を整えて暫く。ふと見ると、すでに窓は暗く塗りつぶされていた。
古泉は俺に背を向けて部室の床に転がっている。そして、ときおり呻くが、きっとあいつは起きている。
そして、いつもあいつは思い出したように呟く。
祈るような呟き。
その言葉は、いつも俺に罪悪と下卑た歓喜を与えてくれる。
なあ?古泉。知ってるか?お前がそれを言うたびに、俺はいつだってお前を嘲っている。
そして、心待ちにしていたんだ。俺が決めた回数に、お前がそれを呟けば、俺はそれをお前に向かって囁く、そう決めていたんだよ。
だから今、俺はお前の耳元で、お前にそっと囁く。
「 」
古泉は、ぴくりと身じろぎする。けして振り向かない表情。ああ、それはきっと悲しみだろう。ああ、なんて愉快なんだろう。
あいして、る。
最終更新:2006年10月07日 21:30