アットウィキロゴ

タイの医療はただ!? (2008.3.13)

以下2008年2月5日朝日新聞から要約
「医療はタダ」に挑む ~タイ 国民に「ゴールドカード」

タイには「全国民医療カード」という政府から支給されるカードがある。このカードがあれば少ない負担で医療が受けられる。人々は敬意をこめて「ゴールドカード」と呼ぶ。

すべての国民は平等に医療を受ける権利がある。タイ政府が「30バーツ(約120円)医療」と名付けた制度を導入したのは2001年のことだ。

 タイでは職種別に複数の医療保険制度が混在してきた。公務員の医療費はすべて税金でまかなわれ、企業で働く労働者にも一部公的資金を使う独自の保険制度がある。だが、農民や自営業者など、国民の大半を占める層は事実上、こうした社会保障の対象からはずされていた。

 新制度では診療を受けるたびに30バーツを支払えば、病気の種類を問わず、だれでも治療を受けられるようになった。公的な社会保障がほとんど整備されていないアジアの途上国では画期的な試みだった。

 この「30バーツ医療」政策を打ち出したのはタクシン氏率いる「タイ愛国党」であった。正確に言うと、保健省の事務次官を務めていたモンコン氏の言葉「貧しい農民でも安心して医療を受けられる制度を構築するべきだ」からであった。

 「30バーツ医療」は、愛国党が勝利する原動力となり、タクシン氏を首相の座に押し上げた。06年9月のクーデターで追放されたが、今なお国民の支持は根強い。だが代償も大きかった。当然のことだが、政府の財政を圧迫し始めたのだ。

 政府は一昨年の暮れから、欧米の製薬会社が特許を持つ心臓病や抗エイズの薬を、輸入から安いコストですむ自国生産に切り替える方針を相次いで発表した。先導したのは、クーデター後の政権で保健相に抜擢されたモンコン氏だ。タクシン政権は革新的な医療制度を導入したものの、表面上の「財政健全化」にこだわり、医療予算を大幅に増やすことはなかった。このため、それぞれの病院が自ら借金をするなどやりくりし、必要な医療が提供できない病院もでてきた。現場の苦境を肌で知るモンコン氏が大臣に昇格したのをきっかけに、思いきった予算の拡大に動いた。同時に30バーツだった患者の自己負担の無料化にも踏み切った。

 国を挙げた「特許破り」は、欧米の製薬会社や政府との軋轢を招いた。米国政府はタイを知的財産保護の「優先監視国」に指定。経済制裁もほのめかし、今も緊張状態が続いている。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年04月28日 19:02
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。