2:由実系、トイレの洗面台に放尿(片足上げ)。
由実系と慎一系は公園に来ていた。彼女がトイレに行きたいと言ったためである。
いざトイレに入って見ると、そこは男女共用であった。それも、どうも個室の鍵が壊れていて開かないようだ。となると、他には男子小便器しかない。
「どうすんねん」
普段の由実系なら屋外で済ませてしまうだろうか。だが、今日の彼女は少し様子が違った。
「外はないよな」
「そうなんか」
意外であった。彼女が今更公園の野外で用を足すことに羞恥を覚えるとは。
しかし由実系の表情に一切の羞恥の色はない。
「公園の隅っこでするとかベタやしな」
「ベタちゃうやろ」
「向こうの公園やったらいっつもしてるし」
向こうの、とは近所にあるもう一つの公園のことである。驚いたことにそこには便所がない。慎一系は常日頃不便を感じていたがこの女の不満は違うらしい。
「あっちの足洗い場とかもうあたしのトイレみたいなもんやし」
心底飽き飽きした口調で言うのである。恐らく足洗い場に限らず公園のあちこちに彼女の便所の代わりを務めることを強いられている場所があるのだろう。
「で、今日はどうすんねん」
「そこでするわ」
どこのことか、慎一系にはさっぱりだった。
黙って見ていると、彼女は洗面台の前に立った。
(まさか)
思う間もなく、由実系はジーンズと下着を脱いで彼に押し付けて来た。
大ぶりの尻を揺らしながら、彼女は左足を洗面台の脇に乗せた。尻の位置は洗面台の若干上くらいになっている。最早、呆れるしかない慎一系をよそに、由実系は小気味良い水音を響かせ始めた。時たま勢い余った小便が床にこぼれたが、器用なものだと言うしかない。
やがて、彼女は故意に尻を揺すった。小便の雫を切るためである。
「イマイチやったな」
左足を床に下ろしながら由実系は不満気に言った。どうやら初めての体験だったらしい。
「これやったら洗面台に座ってやった方が良かったかな」
「腰掛けてってことか」
「まぁでも立ちションの感覚はちょっと分かったかな」
他の女が口にすれば驚くかもしれないが、由実系に立小便をしてみたいと聞かされても何の不思議も感じない。
「女の人が立ってしようとしたらこんな感じになるやん」
そう言って由実系は膝を軽く曲げて尻を慎一系の方に突き出して見せた。ちなみに下半身にはまだ何も纏っていない。
「やろうな」
「ちょっとダサくない?」
放尿時の姿勢に見栄えの良さを求めている辺りやはりこの女はおかしい。
「やっぱ前向いてこういう感じでしたいやん」
彼女は改めてその場に立つと慎一系の方を向いてわずかに腰を前方へ突き出した。そろそろ下着を履いて欲しいところである。
「てか立ちションの練習したいしあんた付き合ってよ」
「嫌やわ」
白昼堂々野外で放尿する女と同類扱いされるのは迷惑だと彼は思ったが、よくよく考えると既に手遅れかもしれないとも考える慎一系であった。
最終更新:2013年08月08日 11:18