7:由実系、プランターに立位放尿(後ろ向き)。
慎一系が、由実系の家を訪れるのは珍しい。
彼女の部屋は一見それなりに整っているように見えるものの、目立たないところはひどく乱雑で主の性格そのものといったところか。
「もっと綺麗にしろよ」
「めんどくさい」
ベッドにうつ伏せになった由実系は足をバタバタさせている。こんなだらけた態度がやはり彼女には似合っているのだろう。
「あ、洗濯物入れんの手伝ってくれる?」
慎一系は聞いていて情けなくなってしまう。
「一人でできるやろ」
「いいから」
強引に言うと、彼女は意外な言葉を継いだ。
「トマトに水あげなあかんし」
(こいつが)
家庭菜園か、とどうもイメージに合わない。とにかく、慎一系も洗濯物を取り込む羽目になった。
やはりどこまでも由実系は由実系であった。
「あんたこういうの好きやんな?」
などと言いながら彼の顔に下着を押し当てたりするのである。
「誰がそんなん言ってん」
「そんな感じやん」
「どんな感じや」
もう呆れるしかない。
「今度これ履いて顔の上座ったげるし」
「要らんわ」
そこで、ふと思い出したように由実系が言う。
「水あげな」
彼女は、近くにあったプランターに近付いた。
(これか)
感心しようとしかのも束の間、由実系はいつものようにジーンズと下着を下げたのである。
(そういうことか)
納得してしまう自分が悲しくないではない。
彼女は僅かに膝を曲げ、小麦色の大きな尻をプランターの真上に持って行った。すぐに、水やりが始まった。ただの放尿と言ってしまえばそれまでだが。
それにしても、醗酵していない排泄物は肥料にならないと彼女は知っているのだろうか。早くもプランター全体を濡らしながら大きく土を掘り崩している由実系の小便と、それを凄まじい勢いで噴出させ続ける彼女の堂々とした尻を見ながら彼は思った。第一、水やりというのはここまでの水分を注ぐべきものには思えない。
もっとも、由実系にはそんなことは些事に過ぎないのだろう。彼女にしてみれば単にトイレに行くのが面倒なのでプランターで済ましているだけなのだ。新芽の好むと好まざるとに関わらず、雨雲に代わって気ままに小便を撒いているのである。
危うくプランターから激臭を放つ黄色い液体が溢れるかと思われた頃、やっと彼女は放尿を終え、尻を揺らすことで女陰に残った滴を落とした。
「よし」
由実系はひどく満足した様子である。こうして見ると濃い黄色の小便が豊富に養分を含んでいるかのように見えるのが不思議である。
「水やりってこれかよ」
「だって栄養満点やん」
水やりも肥料添加もできて一石二鳥だと言うのだろう。
「それに水だって節約できるし、やっぱおしっこって外でするもんやん」
明らかに間違った排泄の定義を聞いた気がするのは慎一系の気のせいではあるまい。
「お前普通はトイレでするもんやってこと忘れてへんか」
「学校のトイレとかって狭過ぎひん?」
「そんなに思ったことないけど」
慎一系に限らず、多くの生徒はそのようなことを感じたことはないに違いない。
「あたしお尻おっきいやんか」
それは彼も言われるまでも無く知り過ぎるほど知ってしまっていることであった。
「だから和式やったら時々はみ出そうになってさ」
「そんな心配せなあかんほどかよ」
「おしっこが隣の個室の人にかかったりしたらあかんやん」
由実系の小便の勢いを何度も目撃させられた彼からしてもそれは有り得べきことに思われる。金隠しなど何の用も成さないことだろう。
「だからどうせなら外でのびのびやりたいねんて」
「家にいる時はトイレでやれよ」
常識的に考えればそうだが元より排泄行為に解放感を異常に追求するこの女にそんな正論は通用しない。
「家のトイレだって立ってしたらおしっこ飛ぶって怒られるし」
「座ってしたらええ話やろ」
「女は座っておしっこしろって誰が決めたんやろ」
どこぞのフェミニストのような口ぶりだがこの女の言葉にそこまでの深い意味があるはずはなかろう。
「女子トイレも男子トイレの便器あれば良くない?」
「便利かもしれんけどやな」
時間の短縮、混雑の緩和という意味では有効であろう。
「てかもう混んでたら男子トイレ行くわ」
「社会的にアウトやろ」
何の躊躇も羞恥もなく男子生徒に交じって堂々と尻を露出して小用を足す彼女の姿は何故か簡単に想像できてしまう。
「あたし結構立ちションの練習してんねんけど」
「どこでや」
「家のトイレとか風呂場とか家の前の溝とか」
「外でもやってんのかよ」
男であっても好き好んで野外で用を足すものなどそう多くいるものではない。
「ちっちゃい男の子と連れションしたことあるし」
「何してんねん」
見知らぬ女子高生と連れ小便をするとはその少年にとっても衝撃的な経験だったことであろう。まして相手は女だてらに立ったまま放尿しているのである。
「まぁあたしのが飛ぶねんけど」
「飛ばしっこかよ」
「ちっちゃい時やったことあるやろ?」
同意を求められたが生憎慎一系は経験がない。友人達がしているのをたまに見掛けこそしたが彼はついぞそれに加わらなかった。元来上品な性質でもある。
「あたし普通に男子と一緒にやってたわ」
本来驚くべきことなのかもしれないが最早意外性がない。
「今度やろっか」
「やらへんわ」
飛距離で彼女に劣ることを危惧したのではなく単純に興味が沸かなかった。そして彼女が野外で放尿するのも止めたかったがこれは無意味であろう。
最終更新:2013年08月08日 11:32