24:由実系、浴槽から立位放尿(後ろ向き)。
慎一系と由実系が一緒に風呂に入るのは最早恒例になっていた。彼はどうも躊躇うのだが、この女はすぐに裸になって彼を無理やり風呂場に連れて行くのだ。
「来-へんかったらおなら嗅がすで」
何の咎も無い慎一系が日常的に彼女に屁を嗅がされていることを思えば極めて無意味な脅し文句である。彼女もそれに気付いたらしく、ある日を境に、
「おしっこ掛けんで」
と言うようになった。しかもリビングに寝転がっている彼のところへわざわざやってきて全裸で彼を跨いでしゃがみ込むことさえある。こうなると流石の慎一系も従わざるを得ない。
尤も、由実系は先に湯船の中で放尿する癖があることを暴露(というにはあまりにも無造作であったが)したため彼女の小便を日常的に浴びているも同然ではないか、と慎一系は思ったりもした。
この時は、先に由実系が湯船に浸かっていた。彼は髪を洗っていたところだ。
無論慎一系は周りが見えないのだが、途中でふと気付いた。シャワーとは明らかに異なる方向から湯が飛んできているのだ。
(おかしいな)
彼は一旦シャワーを止めた。まだ左方から湯が飛んで来る。嫌な予感を覚えながら恐る恐るそちらを向いた。
「あ、バレた?」
明るく由実系は笑っている。一瞬彼は彼女の小便をまともに顔面に浴びてしまった。
「何してんねんお前」
「節約やんか」
「何がや」
またよく分からない理論が展開されるらしい。
「ガス代って結構高いやん」
「それがどうした」
円い尻ごしに彼女はこう言った。
「あたしもお湯出せんで、って」
「お湯ちゃうやろ」
どこにこのように悪臭を孕んだ濃い黄色の湯があるだろうか。
「あたし別に大丈夫やで」
「俺が嫌やわ」
「だって牛のおしっこで髪洗う人とかいるやん」
何故慎一系は特定の熱帯地域の人々と比較されなければならないのか。
「あれ茶髪になるらしいな」
そして何故彼はそんなどうでも良い知識を口にせねばならないのか。
「あたしのおしっこでもできるかもしれへんやん」
要するに、慎一系はあらゆる意味で実験台にされたらしい。結局、髪をもう一度洗いなおさねばならなくなったせいで彼は随分と長く入浴している羽目になった。
最終更新:2013年03月23日 23:44