クエスト名 |
The Hidden Duality(Director's Cut) |
バージョン |
1.92 B182 |
製作者 |
DarkFlameWolf |
アクション難易度 |
■■■■■■□□□□ 6 |
謎解き難易度 |
■■■■■■■□□□ 7 |
ボリューム |
■■■■■■■□□□ 7 |
個人的評価 |
85/100 |
寸評 |
DFW氏の代表作 初期作品の中でもハイレベルな完成度 |
概要
ZC初~中期の大御所DarkFlameWolf氏の作品。
10年以上前の作品であるが未だに人気が高く、ZCといえばこれを挙げるプレイヤーも多い。
ストーリーやイベントは基本的になく、単純にダンジョンをクリアしていくタイプのクエスト。
マップは表フィールド1枚と裏フィールド1枚の計2枚。内部でフィールド全体を繋ぐ洞窟がある。
アクション詳細:
メインダンジョンはそれほど厳しい配置は少ない。但し3面でいきなり赤ウィズが出てきたり、ハンマーもマジカルソードも持たない状態で黒ウィズのいる部屋に閉じ込められたりと極端に厳しい部屋がたまにある。
おまけダンジョンは総じて厳しい敵配置が多く、ある程度装備が整ってから行くほうが無難。
謎解き詳細:
ギミックは明確に示されたものが多く基本的にはやることはわかりやすいが、マップ構造が複雑な上に、初期に通った場所をアイテムを手に入れた後にもう一度訪れる必要があったりとマップと配置を記憶していないと辛いところがある。
たまにノーヒントで非常にわかりにくい隠しを入れてくることがあり、だいたいそこで大きく詰まる事になる。
評価ポイント
マップの作りがとても丁寧で、配置のグリッチやバグはほぼない。(但し状況次第で詰む場所はいくつかある)
特にタイルセットの組み合わせが秀逸で、仕掛けと動作の対応が視覚的にわかりやすくなっている点(例:炎マークのタイルに火を当てる)は、以降のクエストにも多大な影響を与え、ZCにおいての一種のスタンダードにすらなっている。
FC版ゼルダに謎解き要素を強く取り入れたような内容で、ダンジョンではマップを散策しながら鍵集め→アイテム→鍵集め→ボス といった流れになる。
擬似立体交差的な部屋や、爆弾・すり抜けが必要な場面が多く、単にマップを見ただけでは全体がわかりにくい複雑さが謎解きの難易度をいっそう引き立てている。
但し、ノーヒントで謎解きを攻略させることは少なく、何らかの手がかりがある事が多い。
開始直後は障害物によって行ける場所は殆どないが、ダンジョンを攻略していくに連れてアイテムを使い行動範囲が広くなっていく。その作業のワクワク感がダンジョンをクリアする度に訪れる醍醐味とも言える。
とは言え、他のクエストも多くがこのタイプであり、この作品以前にもそのようなものは多かったのでこの作品が特別というわけでもないが。
ドラキュラ・FF・聖剣等といった音楽面でも評価の高い作品のBGMを使用しており、全体的にハイレベル。
特にMD版ドラキュラのIron Blue Intention、Calling from Heaven等は知名度の低い曲であるため初めて聴いて良さを知った人間も多い。
難点
DFW氏のクエスト全般に言えることだが、後半になるにつれ難しくなるというよりは配置によるゴリ押しがひどい。
最後の方は黒タートナック+氷タイル+トゲトラップ+コンベアのような攻略性もクソもないただただハンマーを振るしかないような配置が連続して出てきたりとウンザリさせられる。
これは終盤のアイテムが強力すぎる面もあるため、ZC全般に言える課題点ではある。
一番目に付くのは初期で持てる爆弾の最大数が4つという点。
序盤から爆弾をバンバン使うクエストであるため、補充が利かないのはとても不便。しかも序盤はほとんど爆弾を落とす敵すら出てこないので、なくなったらショップで買うくらいしか手がないという不親切さ。
更に言えばブーメランを取るまではほとんど剣のみで戦うことになり、ハートも3つしかない状況下で敵と真っ向勝負させられる、「最序盤(Level1)が一番シビア」というZCにありがちなパターンに陥ってしまっている。
もちろん爆弾の数は後々に増やせるのだが、その場所がプレイ中に必然的に見つけられるわけでもなく、むしろわかりにくいところに隠されていて、それに気づかない限りはずっと4つということになってしまう。
Ver1.92の仕様上仕方ない部分もあるが、ブロックパズルやアイテムにより排除できるオブジェなどは一度部屋を出ると復活してしまい、再びその部屋を通る際はやり直す羽目になる。
特に、上記の爆弾数の少ない初期に爆弾でブロックを破壊する部屋などがあるためにプレイしづらくなってしまっている。
マップに点在するショップはそのほとんどがその時点で手に入れているはずの必須アイテムだったり、爆弾やハートといったすぐ補充できるものばかりでほぼ意味が無い。
また、マップ上には無数の隠し洞窟の入り口があるが、中には宝箱に5ルピーor爆弾があるだけでこれもほぼ無意味。
評価点には開拓できる楽しみと書いたが、探しても割と意味が無い場所が多くむしろマイナスポイントかもしれない。
総評
一つのゲーム作品としての完成度は高い。フラグやスクリプトが極度に発達した今ではいろんな面で物足りなさは残るが、当時の環境下での出来としてみれば文句のないところだろう。
最終更新:2014年11月14日 07:02