Dreams of Yesterday

クエスト名 Dreams of Yesterday
バージョン 1.92 B183
製作者 C-Dawg
アクション難易度 ■■■■■■■■■□ 9
謎解き難易度 ■■■■■■■■□□ 8
ボリューム ■■■■■■■■■□ 9
個人的評価 91/100
寸評 オリジナリティ溢れる仕掛けの数々
バグ多数あり、クエストとしては未完成気味

概要

C-Dawg氏による大型クエスト。特徴は何と言っても多層構造・フラグといった1.92での可能な限りを尽くした仕掛けの数々。それまでにもアイデア自体はあったかもしれないが、クエストの形で体系化し多くの人間に認知されたのは恐らくこのクエストが初めてと言っていいだろう。
これらの手法は後のクエストにも多大な影響を与えている。
当時の中でもクエストデザインが群を抜いてよく出来ていたため、歴代最高傑作にこのクエストを挙げる熱狂的なファンもかなり多い。
作者のC-Dawg氏が就職によりZC界を離れてしまったため(元々大学の卒業制作のノリで作ったらしい)、現在は別の人間に管理され何回か調整されている模様。
なのでバージョンによって内容も多少バラつきはあるので注意。
本記事ではC-Dawg氏の本家版を基準に評価を行う。

評価点

  • 多彩な仕掛けの数々
概要でも書いたとおり、多重マップを用いたフラグや地形変化などの表現によってそれまでの一本調子だったゲーム性に大きな自由度が加わった。
「仕掛け(Combo System)は1部屋に1つ」「一度部屋を出ると変化した地形は元に戻る」といった従来のZCでの常識をくつがえす工夫でクエストの奥行きを1段階掘り下げている。

  • 仕掛けを上手く使った謎解きの手応え
単にギミックが凝っているというだけではなくその使い方や配置がしっかりしているため面白く、クエストとして遊んでいて楽しめる。

  • マップやストーリーデザインの良さ
仕掛けだけでなく、水・森・砂漠等といった多彩なグラフィックを用いたダンジョンがクエストの世界を上手く演出してくれている。
またそれらの地形による仕掛けのアイデアが豊富にあり、それぞれのダンジョンが同じような構成になっていないところも楽しい。

  • 高いボリュームと難易度
とにかくボリュームが多い。トライフォースを集める前にもかなりのイベントをこなすことになる上、一つ一つのダンジョンの密度も濃い。
そしてアクション難易度も高く、序盤から火力の高い兵に加えトラップやコンベアを置くといった容赦のない配置がどんどん出てくる。
ZC経験者でもやり応えは相当あるだろう。

  • オリジナルのカスタムボスのクオリティ
仕掛けの話とやや被るが、擬似的なカスタムボスを導入しており、その内容も無理がないものが多くグラフィックの使い方も含めてかなりハイレベル。
当時からすれば革新的な内容であり、それ以降の本格クエストではカスタムボスが当たり前になるほどその後のクエストに対する影響は絶大だったといえる。

難点

  • バグ・不完全な配置の多さ
とにかくバグの数がとても多い。このレベルの作品でこれほどバグ取りが出来てないクエストも珍しいと思えるほどで、このクエストの最大の欠点と言っていい。
軽微な配置ミスから割と致命的なレベルのものもあり、何度も修正版がリリースされているのだがその度にバグがあったりとかなり不安定。
ダンジョン中にマップに存在するのに絶対に進入できない箇所があったり(但しクリアは出来る)とよくわからない配置ミスも多い。

  • 役物に頼りすぎた難易度調整
とにかく序盤からコンベア・トラップ・トゲ床・ビーム像(ゾーラ)が大量に配置されるマップ構成で、元々厳し目の敵配置に更に難易度上昇の追い打ちをかけている。
とりあえず置いてみたといったような使い方が多く、アクション性を追求した感じではなくただ難しくしただけの大雑把な感じを受けてしまう。
特に、1.92などの古いバージョンでプレイすると入り組んだコンベア配置に対してキャラが暴走してしまうバグがあるために余計にプレイしづらい。

  • 繰り返し・やり直しの多い意地悪な設計
基本的に行ったり来たりさせる配置が多く面倒なことが多い上、一方通行やら落とし穴やらでやり直しさせられる、というケースが多々ある。
特に最終面はアクション的にもシビアな上に穴に落ちたら最初からどころか入り口より前に戻されやり直しになるためただただ時間がかかって面倒なだけ。しかもそういった場所が何箇所も存在するためウンザリする。

総評

投稿された時期から言えばクエスト全体の出来はピカイチ。むしろ最近の自由度の高い2.50のクエストと比べても面白さは遜色ない。
ただし難易度調整が厳しすぎたために「面白いんだけど進めねーよ」といった声も多く聞かれた。逆に言えばそれほどの手の出しにくさにもかかわらずポジティブな評価が多いのはいかにこのクエストの内容が優れているかを表している。
明らかなテストプレイ不足によるバグさえなければ文句無しに最高峰のクエストと言えただろう。
ちなみに修正版はいくつか出ているが、オリジナル要素を加えられていたりアイテムドロップが緩くなり大幅に難易度が下がっていたりとだいぶ感触が違う。ただしプレイしやすさはあるので本家の難易度が高過ぎると感じた人は触ってみるといいかもしれない。

(追記)2019年現在でも2.50でのReviseバージョンが開発され続けている。
が、依然として配置にかなりバグが多く進めない部分も多く存在する。(開発者はもうバグはほぼ0だ!と胸を張っていたが・・・)
そのため最後までプレイしたければチートコードを使用して進めるしかない。(チートレベル4のコードは「Greyskull」)

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最終更新:2019年08月16日 07:13