野外探検の選択ルール

091913版

標準の探険ルールではある場所から次の場所へと旅するための標準的な移動すべてをカバーしている。次に示す選択ルールでは旅をしている間にキャラクターたちが取ることができる特定の作業を紹介することで、この過程に詳細さと現実さを加えるものである。これらはキャラクターたちが荒野の奥深く、あらゆる文明化された土地からずっと離れた地へと旅するときに特に役立つ。

探険時作業
探険時作業は探険ターンの間にキャラクターが取る活動であり、通常はグループ全体の配置と準備具合に貢献するような活動である。探険ターンの最初のステップの間に、キャラクターは彼らの作業を選択する。
グループがそのペースについて合意を得た後、プレイヤーたちに対して、彼らが探険時作業として選択できる事柄について説明し、それぞれのキャラクターが何をするのか尋ねること。パーティが“速い”ペースで旅をしているときには、キャラクターたちにはこれらの作業はいずれもこなしている時間がない。
各キャラクターが作業1つを選択するとき、彼らのキャラクターの作業の結果を決めるためにプレイヤーに能力定をロールさせ、その後、彼らの判定の成否から発生し得るあらゆる状況について解決する。
1人のキャラクターは探険ターンにおいて最大で2つまでの作業を行なうことができるが、1人の注意と労力を分散させることにはリスクも伴う。もしあるキャラクターが2つのアクションを取るなら、それらのアクションに関連するあらゆる能力判定に“不利”が課される。
戦闘ラウンドの間にアクションを必要とする活動、たとえば呪文の発動などは、探険時作業としては勘定に入れない。キャラクターたちが行なうことができるこうした行動の数には制限を受けるほどの困難はない。

食糧探し
そのキャラクターは旅をしながら食糧と水を探すことができる。とりわけ彼らの食糧物資が不足しそうな場合などだ。キャラクターがこの作業を選んだとき、そのキャラクターは、その地域における食糧と水の潤沢度によって決定される難易度に対する1回の【判断力】〈生存〉判定を行なう。もしこの判定に成功したなら、そのキャラクターは1d6+そのキャラクターの【判断力】修正値に等しい数値あたり1ポンドの食糧と1ガロンの水を見つけ出す。
もし複数のキャラクターがこの作業を選択するなら、彼らはそれぞれ個別に能力判定を行なう。より多くのキャラクターが食糧探しに従事すれば、より多くの人々を食べさせるだけの食糧を発見できる。

食糧探し難易度
地形 難易度
豊富 10
標準 15
荒廃 20


見張り
危険を見張るために目と耳をそばだてておく。キャラクターが探険時作業として見張りに立つことを選択したとき、キャラクターは現在の探険ターンの間のグループの移動の間に隠れているクリーチャーを探知するための1回の【判断力】〈知覚〉判定と隠されている物品を探知するための1回の【知力】〈捜索〉判定を行なう。キャラクターの判定結果を、探検者たちから隠れようと試みているあらゆるクリーチャーの判定との対抗判定として使う。もし見張りに立っている誰かがクリーチャーを探知したなら、そのグループは不意討ちされない。

地図製作
正確な地図を製作することは探険者たちが彼らの周囲について最善の認識力を持つことを確実とするために重要である。また彼らが道に迷わないようにするための助けともなる。
キャラクターが探険時作業として地図製作を選ぶときには、そのキャラクターは地図を記録するための筆記用具と何らかの紙面(紙や羊皮紙など)を持っていなければならない。
キャラクターが作る地図は、君が持つその地域の実際の地図と似たものとなるかもしれないが、完全なものではない。君が地図製作をしているキャラクターのプレイヤーに対して情報を与える際、その作業を“実際に”行なっている間にそのキャラクターが知覚した事柄だけに情報を制限すること。
もし1人より多くのキャラクターがこの作業を選択しているなら、そうしている者たちは単純にその地域の地図を複数作成していることになる。(この戦術は、後になって冒険の中で1人のキャラクターの地図が失われたり、破壊されたりした場合に役立つことが分かるだろう。)

道案内
荒野、あるいは大きく不慣れな都市を旅することは、道に迷う危険性を孕んでいる。キャラクターは道案内を行なうことでグループが道に迷う危険性を減少でき、地形の目印、太陽、月、そして星の位置に注意を払い続ける。
探険時作業として道案内を選択したときには、キャラクターは現在の探険ターンにおいてグループが道に迷わないようにするために1回の【判断力】〈生存〉判定を行なう。もしグループ内で1人より多くのメンバーがこの作業を選択しているなら、それぞれの道案内者が判定を行ない、グループが道に迷ったかどうかを決定する際に最良の結果を使用する。

隠密行動
目立たないようにし続けることは、危険な場所においてはしばしば最善の選択肢となる。キャラクターが探険時作業として隠密を選ぶときには、そのキャラクターはグループが移動している間に隠れるための【敏捷力】〈隠密〉判定を1回行なう。もしグループの移動ペースが“遅い”であるなら、この作業を選んだあらゆる者は、この判定に対して“優位”を得る。隠密を行なっているキャラクターに気付くためには、クリーチャーはそのキャラクターの判定に対し、【判断力】〈知覚〉か【知力】〈捜索〉で対抗判定を行ない、勝利しなければならない。

即席作業
キャラクターが、ここに作業として説明されていないが、探険中のグループに貢献できる何らかの方法を思いつくかもしれない。もしそうなら、君は即席の探険時作業の使用を許可しても良いが、その行動が1回の探険ターンで進む時間の3分の1未満の時間しか必要としない場合にだけ許される。また、他の作業と同じように、キャラクターはグループの旅のペースが“速い”のときには即席作業を行なうことはできない。

道に迷う
キャラクターたちは道に迷うことがありうる。街道やその他の何らかの通路や小径を辿っている探険者たちは、通常の状況においては道に迷うことはない。
もしキャラクターたちに道に迷う可能性があるなら、現在の探険ターンにおいて道案内を選んだキャラクターの【判断力】〈生存〉判定の結果(あるいは、複数のキャラクターがその作業を行なっているなら、最も高い結果)に注目する。もし誰も道案内をしていなかったなら、判定結果が0であったものと見なす。この判定の難易度はグループの準備具合に応じたものであり、その旅のペースによって決定されるものに、地形に基づく修正値を加算したものである(表参照)。
もし任意のキャラクターが現在の探険ターンに地図製作の作業を行なっているなら、この難易度は5減少する。


地形 難易度
修正値
森林、沼地、ジャングル、山岳 +5
軽度の森林ジャングル、丘陵、砂漠、ツンドラ 0
平原、草原 -5

成功:道案内者の【判断力】〈生存〉判定が成功なら、キャラクターたちは彼らが望む距離と方向に移動することに成功する。
失敗:判定が失敗なら、キャラクターたちは不注意にも間違った方向に移動してしまう。現在のターンにおける移動の半ばにおいて、君はグループが意図していたコースからどのように逸れてしまったかを決定するためにd4をロールする。

d4 逸脱内容
1 90度左
2 45度左
3 45度右
4 90度右

たとえば、北に移動しようとしているグループについて、1のロール結果であれば、キャラクターたちは実際には西に向かっている;あるいは、ロール結果が3だったなら、彼らのコースは(彼らが知らないうちに)北東に変わっていることを意味する。
この方向の変更は、現在のターンの残り半分の間にキャラクターたちが移動する分にだけ適用される。次のターンにおいて、まだ道に迷う可能性があるなら、キャラクターたちは再度判定を行なう。この判定が失敗なら、彼らは向かっている方向が変わっていることに気付かないままである。判定に成功したなら、キャラクターたちは彼らがコースを外れて、どの方向に向かっているかについて気付く。
キャラクターたちは、彼らが間違った方向に進んでいることを指し示す何らかの障害物と出くわさない限り、自分たちが道に迷っていることに気付かないかもしれない。もしキャラクターたちが、自分たちが道に迷っていることに気付いたなら、彼らが道に迷うことを回避するための判定に再び失敗するまでは、コースからの逸脱についてのロールを行なうことを止める。

プレイの例
このプレイの例では、キャラクターたちはあるダンジョンへと旅をし、そのあたりを略奪していたカルト教団を倒すことに成功している。彼らの次なる目的地は森を抜けた数マイル先にある砦である。このダンジョンと砦の間の森には他者を襲撃するノールの軍勢が巣食っており、森の中に小道は存在せず、キャラクターたちは次の1日の旅の間のいずれかの時点で道に迷う可能性がある。
DM:ダンジョンを出たときは朝早い時間だ。空は曇っていて冷え込んでいる、典型的な春の早朝といったところだ。君たちのいる場所から砦までは、深い森の中を約15マイルの道のりだ。
クラーゴ:ここでは急ぐ必要がありそうだ。森の中で夜を過ごしたくないしね。
エストラ:うろうろしてるノールの略奪者たちと事を構えたくはないしね。
DM:OK、君たちは速いペースで移動したいって考えていいかな。それなら砦までだいたい8時間くらいかかるだろうね。
エストラ:いいね。私はつま先立ちで隠密行動を、クラーゴは見張りを続けて、ウィルバードは道案内、それでラルトは地図作りだ。
DM:どっちの方向に向かうんだい?
ウィルバード:最初の6マイルは西へまっすぐ行き、それから北に方向を変えて8マイル行けば“走り川”に行き合うはず。そうすれば主要な交易路に出られる筈だ。

DMはキャラクターたちに彼らの作業に適切な能力判定を行なわせる。彼女はパーティが道に迷わないかどうかを見るためにウィルバードの【判断力】〈生存〉判定を用いる。このパーティのペースでは基本難易度は10であり、森林の地形のため+5、ラルトが地図製作をしていることで-5、したがって合計難易度は10になる。
DMは毎時間、キャラクターたちに判定を行なわせる。各キャラクターの最初の4回の判定は成功し、グループは特に何事もなく“走り川”に到達することができ、それから北に方向を変えることができた。その次の旅の過程において、DMはワンダリング・モンスターについてロールし、キャラクターたちがブラッド・ホークに見つかったという結果を出した。このホークはこの地域を活動地域とするノール・ドルイドのペットである。クラーゴの見張りを続けるための【判断力】〈知覚〉判定は、このクリーチャーが頭上で旋回していることに気付くことに失敗するものとなったため、その主人に警報を発するために戻って行ってしまった。
キャラクターたちの不運は続き、ウィルバードは次なる【判断力】〈生存〉判定に失敗。DMはd4をロールし、キャラクターたちが誤って本来辿ろうとしていた西向きのコースよりも45度左にずれた方向に向かったことを決定した。自身の地図を確認して、彼女は彼らがノールの領域深くまで入り込んでしまっていることに気付く。彼らにとっては幸運なことに、キャラクターたちの次の【判断力】〈生存〉判定は成功だった。

DM:小川の浅瀬を渡って数時間経ったころ、少し前にどうやら予定コースを外れてしまっていた事に気付くよ。ラルトの地図を確認すると、君たちは誤って南西の方にずれて進んでいたようだ。
クラーゴ:ここはノールの領域だ。交易路からはかなり離れてしまったのかな?
ラルト:僕らは1マイルほど東に向かって、そこから北に向きを変えるべきじゃないかな。もしここから西に向かい続けたりしたら、城主が警告してくれてた例のノールの前哨基地にますます近付いてしまうよ。

この時点で、キャラクターたちは1つの方向にターンの半分を使って移動し(1マイル移動するには30分を要する)、それから別の方向へ向かうことにした。彼らはこのターンのまん中で行なう道案内のための【判断力】〈生存〉判定に成功し、希望のコースを保つことができた。
彼らにとっては不幸なことに、DMはノールたちが彼らを探しに交易路近くの場所までパトロール部隊を派遣してきていると決めていた。ノールたちはパーティに不意討ちを仕掛けようとするが、今回はクラーゴの【判断力】〈知覚〉判定結果が、彼らを見つけ出すことができるだけの高さだった。その上、ノールたちはエストラに気付くことに失敗する。

DM:君たちがようやく元の道に戻ってきたそのとき、クラーゴはすぐ前方で鞘から剣を抜き放つ音を聞き取った。前方の木の陰から君たちをじっと覗き見ようとしている1体のノールの姿を見て取ることができるよ。イニシアチブをロールして。

この戦闘は数ラウンド間かかったが、キャラクターたちが1時間の間に旅する事に対しては現実的な影響を与えない。遭遇、不思議な場所、その他キャラクターたちが関わることになるその他の物事は、キャラクターたちが戦い、調査をする場合などと同様、ターンの中でほんのちょっとの時間に過ぎない。この種の中断が30分以上持続するのでない限り、現在のターンにキャラクターたちが行くことができる距離には一切影響を与えない。

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最終更新:2014年06月15日 13:53