解析概論:§25 Taylor の公式

或る区間において,f(x) は第n階まで微分可能とする. 然らばその区間において,a は定点,x は任意の点とするとき

f(x)=f(a)+(x-a)\frac{f'(a)}{1!}+(x-a)^{{}^2}\ \frac{f''(a)}{2!}+\ \cdots\ +(x-a)^{{}^{n-1}}\ \frac{f^{{}^{(n-1)}}(a)}{(n-1)!}+(x-a)^{{}^n}\ \frac{f^{{}^{(n)}}(\xi)}{n!}

ただし

\xi=a+\theta(x-a) ,   0\lt\theta\lt 1

最後の項だけは, 他の項と違って, a の代わりに ax の中間値 \xi に対する導関数f^{{}_{(n)}} の値が置いてある. この最後の項を剰余項という.

R_{{}_{n}}=(x-a)^{{}_{n}}\frac{f^{{}_{(n)}}(\xi)}{n!}


F(x)=f(x)-\{f(a)+(x-a)\frac{f'(a)}{1!}+(x-a)^{{}^2}\ \frac{f''(a)}{2!}+\ \cdots\ +(x-a)^{{}^{n-1}}\ \frac{f^{{}^{(n-1)}}(a)}{(n-1)!}\}

と置く. F(x) がすなわち R_{{}_n} である.

F(a)=F'(a)=\cdots =F^{{}_{(n-1)}}(a)=0

F^{{}_{(n)}}(x)=f^{{}_{(n)}}(x)

\frac{f(a)-f(b)}{g(a)-g(b)}=\frac{f'(\xi)}{g'(\xi)} , a<\xi<b

F(x)G(x)=(x-a)^{{}_n} において F(a)=0G(a)=0 であるから

\frac{F(x)-F(a)}{G(x)-G(a)}=\frac{F(x)}{(x-a)^{{}_n}}=\frac{F'(x_{{}_1})}{n(x_{{}_1}-a)^{{}_{n-1}}}

x_{{}_1}ax の中間値である. 同様に, F'(a)=0G'(a)=0 であるから

\frac{F'(x_{{}_1})}{n(x_{{}_1}-a)^{{}_{n-1}}}=\frac{F''(x_{{}_2})}{n(n-1)(x_{{}_2}-a)^{{}_{n-2}}}

x_{{}_2}ax_{{}_1} と, 従って ax との中間値である.

これは右辺に F^{{}_{(n)}} がでてくるところまで続けられるから

\frac{F(x)}{(x-a)^{{}_n}}=\frac{F^{{}_{(n)}}(\xi)}{n!}=\frac{f^{{}_{(n)}}(\xi)}{n!}
最終更新:2014年11月03日 21:06