変域

内において関数

が連続で,その微分係数

が存在し,かつ
であるとする.

内の

のすべての値に対して

が一定の値をとらない限り,
(i)

が

から増加して

まで変わるにつれて

は初め増加の状態にあれば後に減少の状態にあるべく,
または,
(ii) 初めに減少の状態にあれば後に増加の状態にある.
ゆえにその状態の変わる点が唯一だけならば, これを

とすれば,

の間は

,

の間は

,
あるいは

の間は

,

の間は

,
いずれの場合でも,

が連続であるから,

においてはその値が

でなければならない.すなわち

.
このような点がたくさんあれば,その点はどこでも同じ式が成り立つ.
次に

の場合を考える. このとき
とおいて

の値を定めてみる. いま
とおけば,

,

であるから, 関数

は,

と

の間の

の或る値

において

. しかるに
を得るから, この式に

とおいて
となる. すなわち

.

は

と

の間の数であるから,

と

の間のある正の数

を使って,

と書くことができる. ゆえにこの式はまた

,
と, あるいは

とおき

,
とも書ける. これを微分学における
平均値の定理 という.

は

より小さい或る定まった正の数であるが, その値はもちろん関数

の形および

の値で異なる.
最終更新:2012年04月22日 21:10