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第7部 - (2007/04/05 (木) 23:23:38) の編集履歴(バックアップ)


521 名前: ひよこ(茨城県) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 23:16:56.42 ID:FoSOhnag0
◇◇◇


「なんであんたがここに居るのよ!」
キュルケが詰め寄る。
「いやぁ~、麗しきレディたちが徒党を組んで馬車に乗ったものだから…
 彼女達はどこに向かうのかと聴いたら、フーケ討伐と言うじゃないか。

 だからボクは、君達のことが心配になって駆けつけたんだよ。
 あぁ、この『青銅』のギーシュが来たからには、
 何も心配することはないよ、レディ達!」
大仰な動作で薔薇の造花を振り回すギーシュ。
貴様はアホか。お前など何の役にもたたん。いやむしろ足手まといだ。

「ギーシュ、あなたねぇ…
 まぁいいわ。1人でも戦力が増えれば頼もしいし。

 って言っても、肝心のフーケはどこなの?
 まさか『破壊の杖』置いて逃げたわけじゃないわよね?」
ルイズがいぶかしげに周囲を見回す。
『破壊の杖』……、なるほどこれに魔法使いは価値を見出せないだろう。
使えないと諦めて置き去りに逃げた可能性もある。
だが警戒はするだけ無駄ではない。
この瞬間にも、フーケは木々の合間からこちらを伺っていると考えるべきだろう。

そう、たとえばあのゴーレムを出して…

…出して。

522 名前: ひよこ(茨城県) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 23:17:19.06 ID:FoSOhnag0

目の前には、あの時見たゴーレムが現れていた。

「散れっ!!」
俺の言葉に反応し、そしてゴーレムを目にし、5人で一斉に散開する。
数秒前まで俺達のいた場所を、巨大な拳が押しつぶす。
地面のへこみ具合からして、確実に即死。人間の形も残らないであろう
その一撃は、容赦なくして再び振り上げられた。
全員森に逃げ込み、なんとか姿を隠そうとはしたのだが、
それでもゴーレムが歩き回るだけで致死の巨大な足が迫ってくるのだ。

みるみるうちに一帯は平地と化し、全員が逃げるにはあまりにも
不利なフィールドが出来上がった。
俺の近くに居るのはギーシュのみ。
ルイズを見ると『破壊の杖』を抱えながら走り、
タバサとキュルケは蒼い竜に乗って上空に待避している。

「おぉーい、タバサァー!!
 僕達はここだー!たすけてくれー!!」
バカがっ。そう思った瞬間にはもう遅かった。巨大なゴーレムの腕が、
風でも起こすかのように左手を横に凪いでくる。
それはさながら高速で迫る壁だった。
間一髪のところでギーシュごと飛び退り、まともに受身も取れないまま
地に落ちる。ギーシュは頭を打っていた。いい気味だ。

523 名前: ひよこ(茨城県) [書き手] 投稿日: 2007/04/05(木) 23:17:45.44 ID:FoSOhnag0

「ちょっ!やめなさい!!
 『破壊の杖』はこっちよ!!」
ルイズがゴーレムとの対角線で叫ぶ。
本当はこれもまた危険な行為なのだが、そちらに注意がむたことによって
なんとかギーシュを引きずり、待避することが出来た。

さらにはゴーレムが地響きを立ててルイズを踏み潰す前に、
タバサの竜がルイズを乗せ、上手く空中に待避した。

懐からグロック19を取り出し、前回フーケが乗っていた右肩を見る。いない。

いやそれどころかゴーレムのどこを見ても、人間らしきものは見えない。

とすると中?間接部は無理だとしても、胴体ならあるいは……!



アーバレストから放たれた鋼鉄の矢が、ゴーレムの腹部に深々と突き刺さった。

立て続けに4発。出来れば後ろからも射ち込みたいところだが…

届いたか!?


ゴーレムの動きが、止まった。


◇◇◇

現在進行形

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