<アリマア(Arimaa)>
アリマア(Arimaa)とは、
チェスの盤と駒を使用してプレイすることができる2人用のボードゲーム。
子供でも理解できる簡素なルールでありながら、各局面で指せる手の数を何千通りにもすることでコンピュータによる計算を困難にしていることが特徴。
元NASA職員であるオマール・サイド(Omar Syed) が考案し、2002年11月20日に発表した。
ルール
8×8マスのゲームボードと五種類の駒を使う。
駒はプレイヤーごとに象とラクダが各1個、馬と犬、猫が各2個、ウサギが8個。
駒の強さは象→ラクダ→馬→犬→猫→ウサギの順。
チェスの1セットで代用できる。
(キング→象、クイーン→ラクダ、ルーク→馬、ビショップ→犬、ナイト→猫、ポーン→ウサギとして代用する。)
アリマアでは、駒の配置は固定されておらず、プレイヤーが自由に配置できる。
チェスと同様端から二列が自陣となり、先手からその中に駒を配置する。
先手の配置がすべて完了したら、後手も駒を配置する。
両プレイヤーの配置が完了したら、チェスのように各プレイヤーが交互に手番を経過していく。
各プレイヤーは一度の手番に最大4手まで動かすことができる。
4手すべてを消費しなくても手番を終了できるが、少なくとも1手は消費しなければ手番を終了できない。
プレイヤーは任意の自分の駒を隣接する前後左右4マスのいずれかに一マスずつ進めることができ、駒を1マス進めるごとに1手を費やす。
ただしウサギだけは後ろへ進めず、ウサギが後ろへ進めないのを除けば全ての駒の動きは同じである。
駒は移動方向を変えることもできるし、異なる複数の駒を進めてもよい。
駒を進める順番も自由である。
別の駒がいるマスには侵入できず、チェスのように相手の駒を取ることはできない。
- 押し出し(Pushing)と引っ張り(Pulling)
駒は「押し出し」ができる。
押し出しでは、まず隣り合う相手の駒を空いている任意の方向に動かし、その空いた位置に自分の駒が進む。
また、駒は「引っ張り」もできる。
相手の駒に隣り合う自分の駒を1マス移動させ、空いた位置に先ほど隣接していた相手の駒を移動させる。
押し出しと引っ張りは自分より弱い駒に対してのみ可能で、同じ強さの駒同士では出来ない。
押し出しや引っ張りには相手の駒の移動に1手と自分の駒の移動に1手で計2手を費やす。
一連の押し出しが完了する前に、他の駒を移動させたり別の押し出しや引っ張りを行うことは出来ない。
また、押し出しと引っ張りは一回の手番のあいだに完了させなければならない。
1回の手番内で移動や押し出し、引っ張りをどのように組み合わせてもよい。
駒がより弱い相手の駒に隣接すると、隣接された相手の駒は移動できなくなる。
これを硬直と呼ぶ。
ただし、味方の駒が隣接している駒は硬直しない。
硬直している駒は、味方が隣接することで硬直を解き、動けるようにすることができる。
ゲームボードには罠となるマスが4つ設置されている。
罠に侵入した駒は、罠にかかったとみなされゲームから除外される。
ただし、罠マスに侵入した駒に味方の駒が隣接している場合は罠に掛からない。
罠マス上を通過したい場合は、そこに味方が隣接することで罠に落ちるのを防ぐことができる。
隣接する味方の駒がいなくなると、その瞬間に罠マス上の駒は罠にかかってゲームから除外される。
押し出しや引っ張りによって、相手の駒を罠にかけることもできる。
罠マスの位置はc3、c6、f3、f6の4ヶ所。
将棋のようなゲームから除外された駒が復帰するルールはない。
両プレイヤーが全てのウサギを失った場合は引き分け。
手番の終了時の駒の配置が3回同じ配置になった場合は、そのプレイヤーの負け。
自分の手番に硬直や移動する場所が無いなどで動かせる駒が一つも無い場合、そのプレイヤーの負け。
相手のウサギを自分の最後列にみずから引っ張りもしくは押し出し、そのウサギがターンの終了時にも自分のゴール列にある場合は、ゴール位置に侵入されたプレイヤーの負け。
ただし、手番の終了前に再びそのウサギをゴール列外に移動させた場合は、負けにならない。
最終更新:2020年08月18日 14:05