Wロンリ―ガール
「先輩!私実はWロンリ―ガールなんです!」
いきなり後輩に言われた
えっ、何この急展開
「何この急展開」
「二回言わなくてもいいですよぅ」
「一回しかいってねぇよ」
もしかして、俺の後輩は心が読めるのか?
「そんな事ありませんって」
「読んでるだろ、お前現在進行形で俺のプライバシー侵害してるだろ」
「してませんよぅ」
……まぁ、こいつも人の子だからな
心なんて読めるわけがないか
「いやっ、先輩なに変なこと考えてるんですか!」
「お前やっぱり心読めるだろ!それと別に変な事は考えてねぇよ!」
「もう、先輩のえっち!」
うぜぇ
やべぇ、殺したくなってきた
「そんな……愛してるだなんて」
「適当に言ってんじゃねぇよ!」
「て・れ・る・な?」
「うわっ、うぜぇ」
「あ、はっきりと」
そりゃそうだ
かなりうざい
「で、最初に戻りますけど」
「戻るのか」
「はい、私がWロンリ―ガールな話ですよね」
意味がわからない
「いやー私ってほら、友人と呼べる人が一人もいないんですよ」
「ふーん、あぁ、だからロンリ―……」
つまりはlonelyである
因みに意味は孤独な人である
「えぇ、その通りです、lonely、意味は姑息な人」
「それは自虐ネタか?それとも素なのか?」
「素ですね、入力ミスです、ローマ字打ちなので」
「何が!?それとその言い方だと狙ってやってるみたいじゃないか!」
「あっ神がです、神は狙ってました」
「神なのか、あんな将来ニートが神なのか、そしてその神は馬鹿なのか?」
「えぇ、神です、そして馬鹿です」
一拍おいて
「そんなことよりも、もう一つのロンリ―はですね」
「あぁ」
「私が理論的行動しかしないことからきています
「は?」
「つまりは論理ガールです」
「…………」
あれ?なんか寒い
「別にお前論理的でも理論的でもないだろ」
「はぁ、先輩は見る目がありませんね」
「は?」
ちょっとイラッときた
「私強いですよ?」
「……将棋とかチェスとか?」
「麻雀です」
「……?」
「さらに言うなら一人麻雀です」
「いや、なんで論理と麻雀が……」
ん?まてよ……
麻雀、論理、ロンリ―……
まさか
「そうです、私はですねlonelyに一人で論理的に麻雀でロンを素早く決めて……」
「それが言いたかったのか!?お前はそのために俺と話していたのか!?」
「簡単に言えばそうです」
なんてこった
俺の後輩が馬鹿になっている
もう論理的じゃない、直観的だ
「それとさ」
「なんです?」
「ロンをどうやって一人でやるんだ?」
「え?出来ないんですか?」
「お前麻雀のルール知らないだろ」
「まぁ、知りませんけど」
……馬鹿だ
「で?この話は終わり?」
「終わりですね」
「……俺はもう用済み?」
「はい、そう言えば先輩なんでまだここにいるんですか?用済みなのに」
「そうかい……」
この話はもう終わりらしい
あ、そんなに面白くもなかったかも知れんがそこはスル―
コイツの話を聞くときのようにスル―してくれ
兄妹喧嘩?
「兄ちゃん兄ちゃん、ちょっとコンビニいってアイス買ってきてくんね?」
転がりながらの暴言だった
「……俺はお前のパシリじゃねぇよ」
「なに言ってんだよ、そんな事知ってるよ」
「なら自分で買いに行けばいいだろ」
「?兄ちゃんは私の奴隷だろ?」
「あーなんだ、そうかそうか、そうだったな俺はお前の奴隷だった、アイス何が良い?奢るよ」
「ん?じゃあハーゲンダッツで」
「おう!了解、じゃ買いに行ってくる……ってなんでやねん!」
「おおぅ、ノリツッコミか吃驚した、てっきり私の知らない間に兄ちゃんが奴隷になったのかと……」
「なってねぇよ!いつの間にか奴隷になってたまるか!それになんだ!?お前!?何高望みしてんの!?ハーゲンダッツて!
高いよ!買えねぇよ!」
「え?買えないの」
「やめろ!『兄ちゃんアイス一つも奢れないなんて……これだから貧乏人は……』みたいな目で俺を見るな!」
「え?私そんなに兄ちゃんへの嫌悪が顔に出てた?失敗したな……いつも我慢してるのに……」
「我慢してたのかよ!」
「え?もしかして兄ちゃん私に好かれてると思ってた?」
「悪いか!妹に好かれる妄想をして何が悪い!」
「いや、悪かねぇけど気持ち悪いな」
「酷い!?妹からの辛辣な言葉が胸に刺さる!」
「胸に刺さるんだったら死ねよ」
「えぇぇぇぇ!?お前どんだけ俺のこと嫌いなんだよ!」
「全人類……いや全生命中トップだよ」
「そこまで!?お前もしかしてあの黒光りする物より俺が嫌いなのか!?」
「あぁ、ゴキブリか、兄ちゃんに比べたら可愛いもんだな」
「オブラートに包めよ!?というか可愛いと言えちゃうレベルに俺嫌いなの!?」
「うん、そう言えばさっきから何で兄ちゃん生きてるの?」
「そこからか!理由をあげるとするなら、父さんと母さんが努力したことと、俺の前に暗殺者が現れなかったことと、俺の妹が俺への嫌悪を我慢し続けていたこととかだよ!」
「ツッコミが長いんだよ、馬鹿兄ちゃんが!そんなだからお父さんとお母さんにも嫌悪されるんだよ!」
「え、俺って両親からも見放されてたの?俺ってそんな嫌悪感あふれてる?」
「もう、そこまで行くと嫌悪感の塊だよね」
「塊なの!?俺って嫌悪感で出来てるの!?」
「水分1%臓器や肉体1%その他嫌悪感で出来ている」
「98%嫌悪感なのか、俺は!?」
「10000%中」
「9998%嫌悪感かよ!」
「その通り、ある意味才能と言っても良い」
「言っちゃだめだよ!才能じゃないよそれ!」
「ぶっちゃけ、人類の嫌悪の対象は兄ちゃんだ」
「人類に見放されてんのかよ!」
「全ての悪いことの元凶は兄ちゃんだよな」
「なんでだよ!そんなわけねぇだろうが!じゃあ何か?人が死ぬのも全部俺のせいか!」
「そうだな」
「殺人も自殺もか!?」
「殺人は兄ちゃんと一緒の空間に生きる人を兄ちゃんから解放しようという善意の運動だな」
「マジで!?」
「兄ちゃんから解放したかったと証言すれば無罪になる」
「そこまでか!逆になんで俺が殺されてないか不思議だよ!」
「それは私のおかげだな」
「?……まさかお前……俺を庇って……」
「兄ちゃんがいると妹の私がすっげぇ良い待遇になるんだよな」
「そのためか!自分の事しか考えてねぇよこの妹!」
「だって、兄ちゃんの妹っていうだけで『それは悲しいわね……はい、一万円あげる』ってなるもん」
「金をもらってやがる!」
「そのたびに『うぅ、ありがとうございます、兄に奢らされてお金がなくて……』って言ってる」
「違うよな!?本当に奢らせるのはお前のほうだろ!?」
「なんで?」
「最初の発言を見てみろよ!」
「えーっと……おぎゃあ、おぎゃあ?」
「生まれたてかよ!そこまでさかのぼるなよ!人生最初の発言じゃねぇよ、と言うかそれは発言じゃねぇよ!泣いてるだけだよ!」
「……相変わらず兄ちゃんのツッコミはしつこい」
「ツッコミがしつこい……」
「それもまた、嫌悪感だよな」
「もいいからさ、その嫌悪感を取り除く方法はないのかよ……」
「ん?あるぞ」
「あるのかよ!いや、なんであるんだよ!」
「内容は簡単だぜ?」
「……なんだよ」
「よーし、簡単に言わせてもらうぜ?」
「あぁ、さっさとしてくれ」
「兄ちゃん兄ちゃん」
「なんだ?」
「兄ちゃん兄ちゃん、ちょっとコンビニいってアイス買ってきてくんね?」
転がりながらの暴言だった
「……それでしめられるとでも?」
「思ってるぜ!」
「思ってんのかよ!」
ちんぴら
「ねぇ、そこの」
……声が聞こえた
誰を読んでるかは俺にもわかる
それは……
「聞いてる?ねぇ、そこのってば」
「……俺か」
やっぱり俺だった
「知ってるか?俺らって幼馴染なんだぜ?」
「知ってるよ?」
「ならそこのはやめろ、傷つくから」
「あぁ、ごめんごめん」
「わかればいいんだよ」
「で、ちんぴら」
「チンピラじゃねぇよ!」
「知ってる知ってる」
「なら言うなよ……」
「チンピラじゃなくて、ちんぴらだもんね」
「その違いはいったい!?聞いてるだけじゃわかんねぇけど、わざわざ黒板に書いてくれてありがとう!」
「それほどでも……」
「で、その違いは?」
「チンピラは、弱い者いじめをする自分を強いと思ってる奴」
「ん?ならちんぴらってもしかして……」
結構良い意味?響き可愛いし
「ちんぴらは、弱い者いじめをする自分を強いと思ってるが実際かなり弱くて、少し権力や力があるからってすぐ服従する人」
「なげぇ!無駄になげぇ!そして全然良い意味じゃない!ちょっと可愛いくせに最低だな!」
「そう、ちんぴらは最低」
「……逆に俺以外のちんぴらはいるのか?」
「いるいる」
「……だれだよ、知ってるやつか?」
「顔と名前はしってるはず」
「?話したことは?」
「無いと思うな」
「……だれだよ」
「伊藤忠文とか、西原竜哉とか」
「まじで誰だ……」
「えー知らないの?」
「いや、本当に知らないな、心あたりが無い」
「ほら、警察のさ」
「え、警察官?俺の知ってる警察官……」
「警察署の前にある掲示板に乗ってる……」
「指名手配犯かよ!!」
「おお、気付いたか」
「むしろ、傷痛だよ!」
「……寒い……」
「あー今のは俺が悪かった」
「気付いたと傷痛ね……うん、まぁうまいんじゃない?」
「適当だ!返事が適当だ!」
「ちんぴらにはちょうどいい」
「あれ?もしかして俺いじめられてね?」
「いじめてるわね」
「…………」
「どうしたの?」
「一つ言わせてもらうとさ」
「うん」
「俺は今!お前がチンピラである事に気付いた!」
「傷痛!」
「うるせぇよ!」
いじめ
「勉強を教えてください!」
いきなり土下座された、教室で
「はぁ……なんで?」
「もうすぐテストじゃん!」
頭をあげ凄い勢いで言われた
そしてもう一度頭を下げて
「だから、勉強を教えてください!」
クラスメートたちも吃驚だ
まさか勉強を教えてもらうために土下座をするやつがいるとは
しかし、せっかくなので頭を踏んでみた
上履きで
「えぇぇぇぇぇぇぇ!」
クラス中からの声
そして、「なぜふんだ……」「どS?」という声が聞こえる
ひどい扱いである
唯、いきなり教室で土下座してきた奴(女子)の頭を踏んでいるだけなのに
あ、ついでにぐりぐりしてみようかな
「ぐりぐり」
「軽い擬音で酷いことやってるーーーー!」
「ん?なにが?」
まぁ、そこはいいとして
「しかし、なんで土下座なんてするんだ?まずは普通に頼めよ」
「いやーやっぱ頼む時は土下座かなーって思ったんだよね、うん」
そして、ハハハと笑った
シュールだな
土下座して、頭を踏まれながら笑う光景って凄くシュール
「まぁ、土下座をされちゃあな、頭も踏んじまってるし」
「おお!」
「ここまで頼まれて断る人間はいるのか?」
この言葉には周りも
「頭踏んでるやつのセリフかアレ?」
と感激していた
なので、期待にこたえよう
「そう、断る人間がいるのか」
「うんうん」
期待のまなざし
いや、地面に顔をこすりあわせてるからよくわからんが
「まぁ、いろいろな人間がいるから、断る奴もいるかもしれない」
「ふーん」
「だが俺は違う!そんな最悪な人間じゃない!」
「さすが!」
「そう、俺は面倒な事でもやる男だ」
「面倒なのか?」
「だからさ」
「うんうん」
一呼吸置く
「断る!」
……何この沈黙
「……なんでだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
またまたクラスそろっての声
「え?いや、土下座されたからってやるわけないじゃん、面倒だし」
「えー面倒な事でもやる男じゃないのか?」
「あぁあれは嘘だな」
下からの声に反応
「最悪だあいつ……」
これが周りからの声
「いや、俺はさ、勉強ぐらい一人でやれってことだよ」
「そっかー」
下の奴は素直でした
「なんでだよ!なら何でお前は踏んでんだよ!」
「え?……うーん……」
「…………」
「そこに頭があったから?」
「山かよ!お前は登山家かよ!」
「……なんだそのツッコミ?意味がわからん」
「はー」
ため息をつかれた
呆れられてる?そんなことないと思うが……不安ではある
うーん
「うりうり」
暇だからうりうりしてみた
「またやってるよ!反省してないよ!」
「痛い痛い」
下からの反抗
「げしげし」
「蹴った!コイツいま人の頭蹴ったぞ!」
まぁまぁ
落ち着けって
「もう、蹴るのはやりすぎだよ」
「あぁすまないな、げしげし」
「蹴ったー!謝った瞬間蹴った!」
「……うるさいな」
「えー極悪非道にうるさいって言われたよ」
誰が極悪非道だ
「まったく、極悪非道ってのはさ、人にすぐ暴力をふるう奴のことをいうんだぜ?」
「人の頭を蹴った奴にはぴったりの言葉だよな」
「蹴ってない蹴ってない」
「ここまできてそんなことを!」
「下の奴に聞いてみればいいだろ?」
「下の奴!?いま下の奴っていったか!?」
「はーい下の奴ですよー」
「お前もなに軽く返事してんだよ!Mか!?Mなのか!?」
「えーまぁ、そうだけどさ」
「やべぇ!いきなりクラスメート約二名が変態にみえてきた!」
「俺は違うがこいつはそうだな、二日に一回は俺に土下座するし」
「確かに私は変態だけど、二日に一回頭を踏むのも充分変態だよ?上の人」
「そっかー」
「あれー、なんて気軽に殺伐とした会話してんだよこいつら、おかしいだろマジで」
「「おかしくない、おかしくない」」
「声をそろえて否定された!?」
「結局さ、何が言いたいかわかるかい?」
「しらねぇよ、それとお前のキャラ固定されてねえよ」
「私からも一つ」
「あ?なんだよ」
「学校じゃあさ、いじめ問題ってあんじゃん」
「今俺の目の前で行われているしな」
「だけどさ、いじめとは実際違うってこともあるじゃん」
「お前がいじめられてるんだけどな」
「つまり何が言いたいかってさ」
「「SMプレイ的なのはいじめじゃないんじゃないかな」」
「もうだめだよこいつら!」
最終更新:2012年04月10日 13:59