『幸運』簡単な単語だが、とても大きな意味を持つ・・現在は。
二人で家の戸締まりを見て回ったが、今日まで無事でいられたのは本当に幸運としか
いいようがなかった。最近はやりの防犯型住宅には違いないが大量に押し寄せてきたら
やはり持ちこたえるのは困難だろう。
念のため交代で休むことにしたが、やはり寝付けなかった。
「眠れないのかい?」チョコバーをかじりながら彼は椅子に腰掛ける。
「ああ、彼女たちをどうするかって考えてたんだ」
「俺たちのアジトは?」「いや、それはできない! あくまでもあそこは最後の砦だ、
最後まで秘密にしておかなければ・・・」
そうなのだ@`今後の計画が座礁しても避難場所があるというのは重要で、思い切った行動が取れるのもそのためだった。
「前線基地にしようと思う」「?」ホームセンターまでそれほど遠くないこの家は
立地としてはまぁまぁ良い条件だった。
次の日
「とりあえず必要なものを揃えるよ。」朝食をとりながら切り出した。
「私たちは?」心配そうに僕たちを見る「置いていくの?ねぇ!」
語気が強くなる・・「足手まといにならないから・・連れて行って」
「この家に戻ってくるよ」 「それでも良いから・・お願い!」
まだあまりぞろぞろ出歩きたくないのだったが 、彼女は譲る気がないようだった。


とうとう彼女に押し切られる形で僕たちは家を後にした。
4人で運べる物資には限りがあるしここはやはり車が良いだろうと言うことになり、
「僕が車を取ってくるよ」「ああ、彼女たちは俺が守る」そんな会話をしていると
妹の方が初めて口を開いた「ねぇ、おじさん!?」え?おじさんって?僕?
「だ~れが おじさんじゃぁ~ 」吉本のノリで首を絞めてゆする
「おにーさんと言え~~この小悪魔ぁ~~」
「瑠璃よ、篠崎 瑠璃」いたずらっぽく笑う。
だめだ、封印していた自分が顔をだしてしまう・・・
「ルリルリって呼んでもいいかな?」 横で彼が大笑いする「とうとう地が出たな!」
そうだった 僕はアニメファンだった しかもロリコン・・・・
「今までクールを気取ってたのに、、くそっ!」恥ずかしさを隠すように背中を向けた。しかし 小さな呟きは聞き逃さなかった。
「男なんて、みんなバカばっか・・・」
手近の自転車に乗ると僕はその場を後にした。

車で戻ってきたのは10分もしなかっただろうか?
以前無断借用したトラックだ、燃料もたっぷり補充してある。
「お待たせ」 よく見ると新しい死体が5つほど転がっ
てる 「大丈夫だったか?」
そばによると 水鉄砲を抱えた彼女たちが得意そうに微笑んでいた。
「新人スナイパー様はどうですかね? 少し嫌みっぽく言ってみる」
「たいしたものだよ、連携も良いしね これなら多少のゾンビでも何とかなるかも」
これならホームセンター制圧も希望が持てるな?! 胸が弾んだ。


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最終更新:2010年12月11日 15:46