前書き
>>155さん
>ヘタレ上司と篭城して、色々あって最終的には頃す
>コメディタッチのをキボンヌしていてみるテスト。
そ、そんな仮にも相手は上司ですよ?
自分の人生棒に振るまでの価値もない奴なのに。
ん、まてよ。
ゾンビ大増殖
↓
会社で篭城ということは外もいっぱい
↓
緊急避難措置(この板は俺のだ!!)
↓
やむなく上司αβοοη..._〆(゚▽゚*)
↓
( ゚Д゚)ウマー
……ちょっと時間を空けて書いてみます。
これはあくまで(* >ω<)=3ヘックション!であり、現実とはそこはかとなく関係があるように見える恐れがあります。
18歳未満の方は保護者の許可を得てからご鑑賞ください。
「何で、何でこんなことになってるんだ!!」
三十代半ばの男が目の前でわめく。うるさくてしょうがない。
「チクショウ。ナニ人事みたいな顔してんだよ!こういうときぐらいは働けよオメー、使えねえんだからよ!」
やれやれ、日ごろから肝の小さいやつだと思っていたけどね。まさかこんな非常事態になってまで先輩面しますか。
こちらより十年程年上でしょ。だったらその分落ち着いてくれないものかな。少なくともこちらに比べて十年分は未練が少ないだろうに。
「西門と東門のどちらの方が進入数は多かったですか?」
わめき声をさえぎるために質問をする。
「はぁ、何言ってんだ?入ってきた奴どうにかする方が先だろ!」
……ここまで考えが回らないのか。制御室の周りを囲んでいる「侵入者」がどちらから入ってきたかによってこの都市の現状が予測できるんですけどね。
西門は国道に、東門は裏の倉庫部と社員寮につながっている。今日は日曜日で両門ともしまっているはずだった。
だったが、東門は目の前の先輩が工場に出社する際に開けたままで、西門は午前出社のマネージャーが開けたまま帰っていった。
おかげでどこからともなく現れた「侵入者」に制御室は囲まれているというわけだ。
二階がオペレーターの作業室でよかった。でなければもう進入されていただろう。
話を戻そう。国道方面から入ってくる数が多ければ都市部にも影響が多い。そうでなければ裏手の閑散とした地域方面から発生していると推測できる。
警察に電話すれば状況はつかめるだろうに、目の前の先輩がそうさせてくれない。こんな状況で責任云々を気にしているのはたいしたものだ。
「少し周りを見てきます」
外部情報を再確認するために見回りにでる。
「すぐ戻って来いよ!」必死な顔で命令してきた。
戻ってきて欲しいのならそのバット貸してくれませんか?素手は厳しいんですけど。
よほど一人でいたくないのか、それとも逃げ出されると思っているのか。本当に気の毒なほど器が小さい。
答えずに戸を開けて外の通路に出る。制御室は二階にあるため、階段が南北に二つついている。
そこは今地獄への急階段になっている。
もちろん保安のために監視カメラはある。正門と西門、東門に各一個。
そこを監視しておけばここまで状況は悪化しなかったのに、先輩はこちらがプラントを巡視している間お昼寝していて気づかなかったそうだ。
もちろんそれを反省するどころか「お前がしっかり巡視していなかったせいだ」とヒステリーを起こしたのは言うまでもない。
小雨振る中巡視させといてそれですか。明日は晴れるといいなぁ。
階段に張り巡らせたワイヤーのため途中から上れないでいる「侵入者」を観察しながら我が身の不運を嘆く。
「侵入者」は口元と両手を赤黒く染めて、こちらを見上げている。巡視中に見つけたときは思わず「キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!」と叫んでしまった。
ゾンビ映画を見慣れていたせいか、話しかけずに即方向転換して制御室に駆け込んだのは正解だった。
でなければ今頃ゾンビの仲間入りだもんね。
あの小者をなだめる苦労を考えるとその方がよかったような気がしないでもないけど。
状況を説明している間にゾンビは増えて、監視カメラを見ると門が二つも開いている。
急いで階段にワイヤーを張って応急処置をしたおかげで、少なくとも当面の安全は確保できた。
もっとも僕一人なら逃げていたね。先の見えない状況で篭城を選ぶほど馬鹿じゃない。
仕事中じゃなくて、建物に一人も残っていないのなら、逃げ出していた。
見かけたゾンビの数が二桁の大台に乗っていたら、逃げ出していた。
残念なことに僕は仕事中で、制御室には一人先輩がいて、見かけたゾンビは8人だった。
「四捨五入すれば大台に乗るから逃げればよかったんだ」
ついつい非生産的に愚痴をこぼす。このままストレスがたまると吐血しそうだ。
僕は脳裏にステンレスのシンクに広がる血だまりを思い浮かべた。去年のあれは、今部屋で震えている先輩からのストレスが原因だった。
だめだ、だめだ。日ごろの恨み辛みを思い起こすのはやめよう。
「人としてだめだよね、生餌にしてその隙に逃げるなんてさ。就業時間中はしっかり仕事しないと。許されるのは見捨てるまでだし」
いや許されますよ?ホントニ。何とかデスの板って奴で。……バルトアンデルス?
「どうにもこうにも、30%セールしても残るぐらいにいますね。って何やってるんです?」
部屋に戻って現状を報告する。先輩は部屋においてるソファーベッドをドアの前に備え付けようとしていた。
「見て分からねーのか、バリケードだよ。ほら、手伝えよ」
必死になって東西のドアをふさごうとしている。
「で、助けはいつ来るんです?」
ため息をつきながら聞く。
「はぁ?助け?知らねーよ、んなもの」
こちらを睨みつけて吐き捨てるように言う。
「篭城の際の常識ですけどね、救援と備蓄を確保するのは。立て篭もるつもりなら外部に連絡取ったんですよね」
答えは分かりきっていたが一応聞く。まあ、期待はしていないけど。
やれやれ、呆然とした顔しないでくれます?やる気がそがれて殺る気が出てきちゃうんですけど。
遅すぎた救援の電話をかける上司は放っておくことにして、監視カメラを確認する。
ゾンビたちはもうそこには映っていない。すべて工場内に入ってきたか、若しくは別の場所へと移動したか。制御等を囲む数から考えて、前者と思ってよさそうだ。
すると階段の奴らの気をそらせれば、後は楽だろう。車は社用車を使えばいいや。
手早く計画をまとめる。ゾンビの気をそらした後で、うまく一階に飛び降りれば助かるね。
「変な奴らが工場を囲んでるんですけど!早く助けに来てください!え、手が回らないって!ふざけんな、こっちは税金払ってんだぞ。良いから早く来いよ!」
馬鹿ですね。ここの場所と囲んでいる人数を言わずに救援求めてどうするんでし
ょうかね。税金は警察の方も払ってますよ。
聞くに堪えなくて、受話器を奪い取り情報を収集する。
「もしもし代わりました。こちら○○町の○○製造所です。現在工場内に20名ほどの侵入者がいます。近づくと噛み付こうとしてきます。
致命傷と思しき負傷をしているものも確認しましたが、苦痛を感じることなく動いているようです。映画のゾンビに酷似していますね。はい、そうです」
冷静に現状を告げる僕を無能な上司は口を空けてみている。そんな暇があるなら周囲を警戒してほしいなぁ。
「えーと落ち着いてください。伝染病との恐れは不明ですか?そうですか。ちなみに市全域で発生している現象でしょうか、それとも一部から広がってますか?近隣の市町の状況は確認済みですか?」
対応している婦警さんがパニックを起こさないように努めて冷静に聞く。
「はい、分かりました。それと正当防衛はどこまで適用されますか。相手が噛み付くだけだったらこちらも噛み付くまでですか?って冗談ですよ。婦警さんになら噛まれても良いですけどね。一応携帯の連絡先を090…」
相手をリラックスさせるために下手な冗談を言って、連絡先も伝えておく。
携帯の番号を伝え終わると同時に、傍にいた先輩が受話器を奪い取る。
そんなに早口で番号伝えても婦警さん書き取れませんよ?それにアレだけ文句いってきた相手に連絡取ると思いますか?
「もしもし、もしもし、畜生切りやがった!!」
そりゃキレルでしょうね、あなたみたいなのを相手にすると。
「で、どうします。犠牲者もああいう風になるとの通報はあったみたいです。被害は都市全域規模。近隣との確認はとってないそうです」
加えて救援は望めないとのこと。これは精神安定のために伝えないでおく。
「そんなことより助けに来んのかよ!それを訊いたんだろ!」
どうやら気遣いは無駄だったみたいです。
「逃げる方法はないのか、お前考えてんだろうな」
貧乏ゆすりをしながら何度も同じことを聞いてくる。
せっかくコーヒーを楽しんでいるのに無粋だなぁ。
「初期の段階ならいくらでもありましたけど、少なくとも後10分はないですね」
時計を見ると当直終了まで後10分。
「10分?馬鹿かオメー、次の二直のやつらが来るわけねーだろ。ボケてんのか」
少なくともあなたよりはボケてないと思いますよ。こんな状況で協力者に向かって罵詈雑言は吐かないですし。
聞くに堪えない悪口を聞き流し、就業時間の終わりを待つ。
まあ、多くて後3分我慢するだけだからいいか。
時計の針が当直終了時間を告げると同時に立ち上がる。
驚いて身構えるゴミを無視して、勤務表にハンコを押す。
「ナニやってんだよ、こんなときに」
訳が分からないと言った顔をしている餌に、監視モニターを見るように促す。
「見えます?あれ警察ですかね」
「マジか!どこのモニターだよ!!」
食い入るように並んだモニターを見つめる肉塊。
さて、ではフルスイング。
頭蓋の砕ける感触はそう悪いものじゃなかった。
うつ伏せに倒れた馬鹿の首を軽く踏み抜く。これで抵抗不可能だね。
後は簡単だった。
仮眠用のソファーベット二組を一階に投げ下ろし、布団をその上に落とす。
階段に集まっているゾンビに、痙攣している血袋を投げ与える。
呻き声は小さいが相変わらず耳障りだった。
「さて、本日の勤務終了。言ったでしょ後10分だって」
足取りも軽く緊急用においてある社用車に乗り込む。
会社を出てすぐに携帯に電話が入ってきた。
相手は先ほどの婦警さん。どうやらゾンビに囲まれた警察を逃げ出したようだ。
「じゃあ○○橋のあたりで拾います。泣いてちゃ駄目ですよー」
軽口を叩いて車を走らせる。
明日は晴れるといいな。
後書き
以上です。
あくまでも洒落ですよ。
PIPは現実にゾンビが出たら、時速30㌔ほどで逃げます。
一部上司に限り見捨てます。
道で泣いてる女の子は助けます。女の子がゾンビ化したら、多分食べられます。
最終更新:2011年01月24日 05:40