前書き
それはさておき花粉で眼が痒くて文字を打つのもつらいでふ。はたしてゾンビには免疫機能が残っておるのでしょうか。
「はっくしょーい、べらぼーめぇ」
山中に響くくしゃみをしてしまい、慌てて周りを見る。
よかった。あいつらはいないようだ。
久しぶりに山登りを楽しんでいたら、おかしな奴らに出くわしてしまった。
清流のそばで車座になり何かを食べている姿に、つい声をかけたのが運の尽き。
でもまさかゾンビたちがハイカーを踊り食いしてるなんてねぇ。
「んを!女子大生の集団!運命の出会い!これぞ山の醍醐味にしてハイキング本体!!」
と喜び勇んで近づいてしまった。
性欲は第六感や背後霊のおばあちゃんの忠告すら超えるのだ。
あとは御決まりどおり、「たぁすけてくれよぉー!」と走り回って、あらここは何処でしょうと言う訳だ。
荷物は投げ捨てたから食料はおろか地図すらない。
ポケットに入れておいたコンパスを眺めてみても、北枕防止ぐらいにしかならないね。
「がさ、がさがさがさっ」
来たよ、来た来た、来ましたよ。
ひいふうみいの合計六人。髪振り乱して真っ赤な口紅をした女の子たちが。
ああ、天国にいるお父様お母様。もうすぐあなたの息子は独身のままそちらに参ります。
せめて来世はもう少しましな顔に生んでください。
ってあれ?せっかく覚悟を決めたのに近づきゃしない。
ゾンビレディすら寄せ付けないパーヘクトヒューマン。そこまで女運が無いのですかボクは。
半分泣きながらも様子を見るとあいつらみんなくしゃみを始めている。
ようやく気づいた。僕が逃げ込んだのは放置された杉の群生地域だったんだ。
数ヵ月後。ボクは「対ゾンビ特効薬(花粉症の方は使用定の注意を~)」で資産を築き、英雄として表彰されていた。
でもまだ奥さんは見つかっていない。誰かボクと結婚しませんか?
最終更新:2011年07月23日 11:53