俺と荒井は突進し、ゾンビどもの頭に金属バットの一撃を叩き込んだ。
背後の集団がどんどん迫ってきていた。
とにかく正面の奴らを蹴散らし、非常階段に辿りつくしか俺たちに残された道はな
かった。
非常口は開いているだろうか?
あそこもまた中から封鎖されているのだろうか?
なにもわからなかった。
あと十メートルぐらいか?
その決して遠くはないはずの非常階段までの距離は恐ろしく長く感じられた。
「うおぉぉっ!」
俺は渾身の力を込めて金属バットを振った。
なんとも言えない気持ちの悪い感触がバットを通して手に伝わってくる。
目の前のゾンビが糸の切れた人形のように崩れ落ちる。
「あなた!」
妻の声にとっさに振り返ると別の奴が掴みかかろうとしていた。
「さがってろ!」
フルスイングでそいつの顔面にバットを叩き込んだ。
「いそげ、香澄ッ!」
俺たちは走った。
妻の胸では娘が大声で泣き続けている。
娘の泣き声に応えるかのようにゾンビ共がどんどんこちらに向かって来る。
背後には数十体の集団が迫っていた。
前方にはまだ2体のゾンビが、そしてその後ろにもまだ5、6体が残っている。
「おらあぁっ!」
「あなた!」
「うおおぉぉぉっ!」
俺は力の限りバットを振るった。。。。愛する家族を護るために。。。
後書き
てことで、よーやく回想モード終了、『1』に戻りますた。
ヾ( ゚д゚)ノ゛ ツヅク チク~
最終更新:2011年11月04日 15:37