3日前
テレビ及びラジオの放送は、伝染病?一色になっている。一部の局では伝染病?という
見解に異を唱える局も出てきた。
テレビは現場からの映像ということで、伝染病患者(ゾンビ)を映し出し、人が襲われる
様を流している。
政府発表は、
”新種の伝染病が発生した。伝染病の罹患者は急増している。
罹患した患者は、人を襲い人肉を食する。
一般市民は、建物内に立て篭もり外出しないように” といったものだ。
テレビの報道だと、政府は非常事態宣言を出そうしたらしいが、社○党あたりが
内閣不信任案を出すと脅したらしく沙汰やみになったそうだ。
家族全部がテレビに釘つけだった。ブラウン管には道のそこかしこに伝染病患者が写り、
人を追いまわしている。出動した機動隊から解散命令が出てるがお構いなく、機動隊の
方へ手を前に出してて接近してくる。放水車から放水が始まり、催涙ガス弾の発射も
始まった。でも効かない。効果が無い。そのうち伝染病患者が機動隊の隊列と接触しだ
した。機動隊が押さえ込もうとするが、逆に押さえ込まれた。伝染病患者の群れが
機動隊を押し潰している。機動隊員達に患者が群がり噛み付き、肉を噛み千切っている。
隊員の絶叫が聞こえるようだ。カメラはどこかビルの屋上から撮っているのだろうか。
ズームされた画像を見ていると、襲われた隊員達の体が次第に白骨化していく。
患者達がむさぼり食べている。
テレビを見ていた女房達は、いきなり嘔吐を始めた。
事態は悪い方へ加速度的に進んでいるようである。まるで竹を鉈で割るみたいに。
実家のある市内は、断続的に緊急車両のサイレン音が響き、パトカーや救急車、それに
機動隊の輸送車も混じって、狂ったように走り回っている。
家の2階から外を見ると、そこかしこにテレビで見たのと同じ、いや病院で今まで
見てきたのと同じ蒼い顔した人々が散見され通行人に襲い掛かっている。
道路は、平日にしては混雑しどの車も荷物を一杯に積み避難するようだ。ただ道路にも
患者が平然と出てくるので、渋滞に拍車がかかっているようである。
ある運転手は道路に出てきた患者を引いてしまった。運転手が出てきて引いた相手を
介護しようとしたら、引かれた側がいきなり運転手の喉笛を噛み切りそれを見ていた
家族は悲鳴を上げていた。もう阿鼻叫喚の地獄図だった。それを見ていた他の車の
運転手は、信号も何も無視して突っ走り始めた。それが混乱に輪をかける事になったのは、
間違いない。
幸い、実家の入り口は堅固に補強していたので、患者達に入られることは無かった。
テレビからの報道は、混乱を極めだした。テレビ局にも正確な情報が無いようだった。
分かっていることと、今現在分かることだけを伝えている。
”数日前から、お亡くなりになられた方々が蘇生する事が発生していました。”
”蘇生した方々は、医学的には死んでいて何で動いているのかは、説明出来ない”
”蘇生した方々は、蘇生後非常に凶暴になり周囲の人を見境なく襲う”
”蘇生した方々に襲われて噛まれた場合は、一度死んでその後、蘇生する
噛まれたら、半日で死んでまた蘇生する”
その時、首相官邸からの実況中継が放送された。
ブラウン管に映し出された映像では、官邸の周囲には伝染病?患者があふれかえり
閉じられたゲートの中で機動隊が警戒している。また機動隊員の服装を着た者が、
いきなり周囲の仲間を襲おうとして取り押さえられている。
△田官房長官は、記者会見において
「伝染病が発生し,患者が人を襲っている。誠に遺憾の極みであり罹患さえた方々
は、医療機関に行って治療を受けることを強くお奨めする。」
「既に当局は、厚生労働大臣を責任者として対策本部を設置し対策にあたっている。」
「治安当局からは治安が乱れているとの報告を受けている。治安の回復は、断固たる
態度をもって行うようにと警察庁長官に指示を出した。」
「この事態は日本のみでなく、全世界規模で発生している。」
記者から自衛隊の出動の可能性について質問があった。それには
「自衛隊の出動は、ありえない。これはあくまでも伝染病による事態である。
周辺国からの武力侵攻であれば防衛出動になるが、この場合はあたらない。
また、治安出動に関しては、暴動が発生していないので出動する必要は、
認められない。あくまでも伝染病だよ。」
国会からの中継では、社○党の土×た△こ議員が、盛んに吼えていた。
「・・・・・以下略」
あの政党の言い分は聞かなくても分かる。
その夜、ニュースでは政府の閣僚は東京湾にいた護衛艦に避難したとの報道が流れた。
最終更新:2010年12月06日 20:40