ヘルメス

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ヘルメス - (2015/11/07 (土) 02:08:51) のソース

・[[ゼウス]]と[[マイア]]の子。

・キュレネの洞窟で生まれ、最初の襁褓で巻かれて箕の上に置かれていたが、抜け出してピエリアに赴き、
   [[アポロン]]が飼っていた牝牛を盗んだという。発覚しないように牝牛の足に靴を履かせて足跡を消し、
   ピュロスに連れ出して牛のうち二頭を犠牲に捧げ、のちに皮を岩に釘付けにし、
   肉は一部は煮て、一部は焼いて食ってしまったとする。のちにキュレネに帰り、そこで亀を見つけて
   この亀の甲羅を綺麗に清め、牝牛から取ったガットを甲に張って[[竪琴]]を発明、さらに撥を発明したという。
   アポロンが牛を求めてキュレネに来て責めたが、竪琴の音色を聴いて、これと残りの牛との交換に応じたとか。
(zsphereコメント:ホメロスその他、様々な文献でヘルメスを盗みの神とする記述があるが、納得せざるを得ない逸話であるw)

・『ホメロス風讃歌』所収「ヘルメス讃歌」によれば、
   火と火おこし棒を発明したのもヘルメスであるとしている。
   なお同書では、ヘルメスはアポロンの牛を焼いて煙を犠牲に捧げているが、肉は食っていない。

・「アルゴス殺しのヘルメス」という呼称が諸書に散見される。
  これは[[ヘラ]]の命令で[[イオ]]を見張っていた[[普見者のアルゴス]]をヘルメスが打ち倒した事から
  ついた名であると見られる。ただし、この呼称の原語「アルゲイポンテース」の一般的な解釈ではあるが、
  この語の正確な語源と意味は必ずしも詳らかではない。

・『ホメロス風讃歌』所収「デメテル讃歌」で、[[ゼウス]]が[[デメテル]]の怒りを鎮めるために
   [[ハデス]]に[[ペルセポネ]]を母神に会わせるよう提案するが、その際に伝令役に立てられたのがヘルメス。


・なお、『イソップ寓話集』にある金の卵を産む[[ガチョウ]]の話
(神様から金の卵を産むガチョウを授かった男が、卵が産まれるのを待ちきれず、腹の中を探ろうとガチョウを殺してしまった話)
   で、このガチョウを授けたのはヘルメスとなっている。

・同様に、「金の斧 銀の斧」も『イソップ寓話集』原典ではヘルメスが斧を授ける役。

・また、家々の戸口に「ヘルメス柱像」というものを立てる文化習俗のあった事が知られている。
   これは四角い石柱の上部に鬚を生やしたヘルメスの頭部を彫り、中ほどに陽根を彫ったものだとか。
   →[[ヘルメー]]



      参考文献

『ギリシア神話』アポロドーロス
『イソップ寓話集』
『四つのギリシャ神話』


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